2014年8月27日にとうとう『警視-K』のDVDが出ます。
その第1話は1980年10月7日放映。脚本・高際和雄・勝新太郎,監督・勝新太郎,撮影・森田富士郎。浜辺で地引網をひく人たち。赤いガウンを着て砂浜を走るKこと賀津(ガッツ。勝新太郎)が映る。浜辺に停めたキャンピング・カーで娘・正美(奥村真粧美)と朝食である。
今宿(コンジキ)署の管内で選挙運動資金の強盗殺人事件が起こる。犯人は現金とともに秘書の宮城(石橋蓮司)を拉致していく。しかし,自動車の車内で宮城は「うまくいった」と笑う。宮城は共犯だったのだ。(撮影で、石橋はまったく役柄を説明されていなかったと言う)。捜査の指揮は本庁の辺見(金子研三)がとるが,ビデオを見たKは,八千万円が入ったバッグにしては犯人の扱いが軽いことに不信感を持ち,宮城の狂言ではないかと疑い始める。
犯人・上山の自宅ではガスもれ爆発事故で一家三人死亡。情報屋・尾張(川谷拓三)から宮城は大の賭博好きだが,すった金を事件後返済していることや,競馬の借金を一部持ち返った男がガス爆発で一家心中?したとは奇妙だという情報を得る。
宮城は政治家(安部徹)の娘と結婚する予定。デイスコ・クイーンで張り込むKはディスコで自分の娘を見つけて仰天する。不機嫌なKのもとに,上山の母がテープを持ち込む。宮城の結婚式場。乗り込んだKとその部下が宮城の犯罪を暴く。逃げようとする宮城の手にKの投げ手錠が飛んだ。
クローズアップを中心にこった映像を積み重ねて,勝新演出が凝縮された一篇である。
その第1話は1980年10月7日放映。脚本・高際和雄・勝新太郎,監督・勝新太郎,撮影・森田富士郎。浜辺で地引網をひく人たち。赤いガウンを着て砂浜を走るKこと賀津(ガッツ。勝新太郎)が映る。浜辺に停めたキャンピング・カーで娘・正美(奥村真粧美)と朝食である。
今宿(コンジキ)署の管内で選挙運動資金の強盗殺人事件が起こる。犯人は現金とともに秘書の宮城(石橋蓮司)を拉致していく。しかし,自動車の車内で宮城は「うまくいった」と笑う。宮城は共犯だったのだ。(撮影で、石橋はまったく役柄を説明されていなかったと言う)。捜査の指揮は本庁の辺見(金子研三)がとるが,ビデオを見たKは,八千万円が入ったバッグにしては犯人の扱いが軽いことに不信感を持ち,宮城の狂言ではないかと疑い始める。
犯人・上山の自宅ではガスもれ爆発事故で一家三人死亡。情報屋・尾張(川谷拓三)から宮城は大の賭博好きだが,すった金を事件後返済していることや,競馬の借金を一部持ち返った男がガス爆発で一家心中?したとは奇妙だという情報を得る。
宮城は政治家(安部徹)の娘と結婚する予定。デイスコ・クイーンで張り込むKはディスコで自分の娘を見つけて仰天する。不機嫌なKのもとに,上山の母がテープを持ち込む。宮城の結婚式場。乗り込んだKとその部下が宮城の犯罪を暴く。逃げようとする宮城の手にKの投げ手錠が飛んだ。
クローズアップを中心にこった映像を積み重ねて,勝新演出が凝縮された一篇である。
警視-K VOL.4 [VHS]
2014年8月27日とうとうDVD発売。
第6話「息子はシロ」脚本・田中利世・勝新太郎,監督・根本順善,撮影・椎塚彰。1980年11月11日放映。ラブ・ホテルで女が刺殺された。客を脅迫した若い男が犯人だ。今宿署の藤枝刑事課長(北見治一)は深夜の電車で息子(稲垣英雄)に会った。家へ帰ると,仏壇の妻に線香をあげる藤枝。妻に先立たれたのだ。
翌日,モンタージュ写真を見て藤枝は驚く。覆面をしている男は息子に似ていた。疑えば疑える息子の行動。藤枝は悩む。現場に張り込んだ辺見は,出現した若い男と格闘した。その若い男は息子だったのだ。
藤枝はKに相談。Kは部下に息子を任意同行させ,藤枝自身に事情聴取をさせる。しかし,犯行当時,息子にはアリバイがあった,Kはそのことを確認していたのだ。Kらは情報屋から得た金払いのよくなった若い客のことを聞き,その客の前で客待ち情報を流し,客になりすましてラブ・ホテルにカップルを装って出現する。予想通り,犯人が強盗に来た。そこを逮捕する。
酒場で息子と飲む藤枝。一方,帰宅して娘とコーヒーを飲むK。
第7話「太陽が上に向いている」脚本・須川栄三・勝新太郎,監督・勝新太郎,撮影・渡辺貢。1980年11月18日放映。
背広を着た巨悪と暴力団に対する勝新の正義感が出た作品。クローズアップ中心に勝新の演出力が出た一篇である。遊園地で警官の扮装をしている尾張(川谷拓三)と佐々村(梅津榮)。映画のエキストラの仕事のようだ。尾張は主演男優をほんとに殴ってしまい,撮影は滅茶苦茶になる。Kたちが突然登場し,主演女優を事情聴取で連行する。新東亜建設関連の汚職の捜査だ。このドサクサの最中に佐々村は電話中のある会社の経理部長のカバンを置き引きする。中には新東亜建設関係の書類と帳簿。尾張はこれを持ちこめば金になると考える。佐々村は5万円位のもうけになるかなと期待する。
一方,Kは辺見から有名女優を証拠もなく連行してと批判されている。「事件が起こる前に捜査するんだ。取り締まる方がびくびくして,悪いやつがのうのうとしているなんて,バカなことがあるか!」とKは怒る。経理部長を尾行するKの部下たちは,紋付を着た尾張がうやうやしい待遇を受けるのを目撃。尾張はカバンを持ち込んで建設会社重役(永井玄)から5百万円の謝礼を受け取る。Kは尾張に「お前だけを信じてるよ」と伝える。尾張が行き付けの飲み屋に行くと,そこに佐々村が来る。尾張は5万円を渡す。そこへ人相のよくない二人組が「尾張はいるか」とやって来る。じっと身をひそめていた尾張だが,女将の時ちゃん(松尾嘉代)に男が「釣りは体で払ってもらえばいいんだぜ」と言うのを聞いて,名乗りを上げる。尾張が勢い込んで外へ飛び出した瞬間,拳銃音。腹をうたれた尾張がいた。「レミ」と注文されて,「うちは国産しかおいてないよ」と答え,「(オンザロックは)いくら?」と聞かれて「500円」と答える松尾嘉代の女将が存在感を示す(店ではいつも八代亜紀の「雨の慕情」“雨,雨,降れ降れ,もっと降れ”が流れている)。用心棒の悪ぶりも際立っている。
弾は貫通し,手術は成功したが,Kは医者に外向けには「尾張は死んだ」と答えてくれるように要請する。尾張はKに自分が拾った書類ともらった金を渡す。電話で尾張の死を確認した会社社長,高浜に報告。その後,社長はビルから突き落とされる。
クラブにいる高浜の前へ立つK。用心棒と殴り合いの喧嘩になる。そこへ警察が来て,用心棒とKを連行する。
警察の取調べ室。Kは二人の用心棒を徹底的に殴り倒し,尾張を撃ったこと,自殺を偽装したこと,指示は高浜から出たことを告白させる。事情聴取で来ていた高浜を取り調べ室に呼び,お茶をあびせかけるK。「洋服はクリーニングできれいになるが,あんたの汚れは落ちない」と。新聞社には辺見の捜査で高浜逮捕と出る。めだま焼きを作ろうとバターを溶かそうとしているK(バターと間違えてキャベツのしんを熱している)。
第6話「息子はシロ」脚本・田中利世・勝新太郎,監督・根本順善,撮影・椎塚彰。1980年11月11日放映。ラブ・ホテルで女が刺殺された。客を脅迫した若い男が犯人だ。今宿署の藤枝刑事課長(北見治一)は深夜の電車で息子(稲垣英雄)に会った。家へ帰ると,仏壇の妻に線香をあげる藤枝。妻に先立たれたのだ。
翌日,モンタージュ写真を見て藤枝は驚く。覆面をしている男は息子に似ていた。疑えば疑える息子の行動。藤枝は悩む。現場に張り込んだ辺見は,出現した若い男と格闘した。その若い男は息子だったのだ。
藤枝はKに相談。Kは部下に息子を任意同行させ,藤枝自身に事情聴取をさせる。しかし,犯行当時,息子にはアリバイがあった,Kはそのことを確認していたのだ。Kらは情報屋から得た金払いのよくなった若い客のことを聞き,その客の前で客待ち情報を流し,客になりすましてラブ・ホテルにカップルを装って出現する。予想通り,犯人が強盗に来た。そこを逮捕する。
酒場で息子と飲む藤枝。一方,帰宅して娘とコーヒーを飲むK。
第7話「太陽が上に向いている」脚本・須川栄三・勝新太郎,監督・勝新太郎,撮影・渡辺貢。1980年11月18日放映。
背広を着た巨悪と暴力団に対する勝新の正義感が出た作品。クローズアップ中心に勝新の演出力が出た一篇である。遊園地で警官の扮装をしている尾張(川谷拓三)と佐々村(梅津榮)。映画のエキストラの仕事のようだ。尾張は主演男優をほんとに殴ってしまい,撮影は滅茶苦茶になる。Kたちが突然登場し,主演女優を事情聴取で連行する。新東亜建設関連の汚職の捜査だ。このドサクサの最中に佐々村は電話中のある会社の経理部長のカバンを置き引きする。中には新東亜建設関係の書類と帳簿。尾張はこれを持ちこめば金になると考える。佐々村は5万円位のもうけになるかなと期待する。
一方,Kは辺見から有名女優を証拠もなく連行してと批判されている。「事件が起こる前に捜査するんだ。取り締まる方がびくびくして,悪いやつがのうのうとしているなんて,バカなことがあるか!」とKは怒る。経理部長を尾行するKの部下たちは,紋付を着た尾張がうやうやしい待遇を受けるのを目撃。尾張はカバンを持ち込んで建設会社重役(永井玄)から5百万円の謝礼を受け取る。Kは尾張に「お前だけを信じてるよ」と伝える。尾張が行き付けの飲み屋に行くと,そこに佐々村が来る。尾張は5万円を渡す。そこへ人相のよくない二人組が「尾張はいるか」とやって来る。じっと身をひそめていた尾張だが,女将の時ちゃん(松尾嘉代)に男が「釣りは体で払ってもらえばいいんだぜ」と言うのを聞いて,名乗りを上げる。尾張が勢い込んで外へ飛び出した瞬間,拳銃音。腹をうたれた尾張がいた。「レミ」と注文されて,「うちは国産しかおいてないよ」と答え,「(オンザロックは)いくら?」と聞かれて「500円」と答える松尾嘉代の女将が存在感を示す(店ではいつも八代亜紀の「雨の慕情」“雨,雨,降れ降れ,もっと降れ”が流れている)。用心棒の悪ぶりも際立っている。
弾は貫通し,手術は成功したが,Kは医者に外向けには「尾張は死んだ」と答えてくれるように要請する。尾張はKに自分が拾った書類ともらった金を渡す。電話で尾張の死を確認した会社社長,高浜に報告。その後,社長はビルから突き落とされる。
クラブにいる高浜の前へ立つK。用心棒と殴り合いの喧嘩になる。そこへ警察が来て,用心棒とKを連行する。
警察の取調べ室。Kは二人の用心棒を徹底的に殴り倒し,尾張を撃ったこと,自殺を偽装したこと,指示は高浜から出たことを告白させる。事情聴取で来ていた高浜を取り調べ室に呼び,お茶をあびせかけるK。「洋服はクリーニングできれいになるが,あんたの汚れは落ちない」と。新聞社には辺見の捜査で高浜逮捕と出る。めだま焼きを作ろうとバターを溶かそうとしているK(バターと間違えてキャベツのしんを熱している)。
警視-K DVD-BOX
6枚組BOXですが、昔バップから出ていたVHS1巻分とほぼ同じサイズのBOXに収納。コンパクトでいいです。封入特典は三つ折りリーフレット。各話あらすじとゲスト紹介、シリーズスタッフ・キャスト、作品解説を掲載。とりあえず第10話「いのち賭けのゲーム」を視聴。映像は当時のフィルム映像で、特にキレイというわけでもないです。blu-rayで出ないのが残念でしたが、DVDで十分と思える画質です。日本語字幕付き。VHSよりも音声は明瞭なような気がします。第10話は黒木和雄監督作品ですが、勝新流のライブ感溢れる映像が展開され、若き原田美枝子が勝新をも食った素晴らしい演技を見せます。二人のシーンはおそらくアドリブ全開と思われる演出ですが、勝新にまったく引けを取らない演技を見せる原田美枝子は素晴らしい感性の持ち主であることを証明しています。この回には岸田森、草野大悟、小池朝雄といった今は亡き名優中の名優が多く出演しておりそれだけでも鳥肌ものです。他の回にも緒形拳や原田芳雄、川谷拓三などの名優たちが勝新とのギリギリの演技合戦を見せるさまは非常にスリリングです。