どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)
学生時代に出会いました。この本から北杜夫にどっぷりはまり、新潮から出ている本はすべて購入しましたが、「どくとるマンボウ航海記」が結局一番だったと思います。何を書いても素直に受け入れる気持ちになれるのは、日本作家では珍しい優れたユーモアセンスのおかげですね(才能ゆえ鬱病になるのですが・・・)。本当に面白い本ですし、薄い文庫本ですから出張の電車の中で読むのにはぴったりなんですよね。前向きで明るい気持ちになれること受けたいです。旅に出たくなるという副作用もありますが。
夜と霧の隅で (新潮文庫)
日本人純文学作家の作品の中に、たまに戦時中のナチスドイツを描いたものを見かけます。
人間というものは極限状態に置かれた時にこそ、その真価が問われるものであり、まぁナチスドイツというのは極限状態の典型例のようなものでしょうね。
それに、連合国軍側から見たナチスドイツでもなく、ドイツ人の目から見たナチスドイツでもなく、日本人の目から見るからこそ、余計な感情や感傷が混入せず、より客観的に見ることができる、というのもあるかもしれません。
本書の表題作『夜と霧の隅で』は、ナチスドイツを舞台とした作品です。ナチスに翻弄される中、医師としてできることを最大限にしようとする人々の煩悶する姿を、彼らの押し込まれるいびつで窮屈な世界を、堅くしっかりとした文章で築き上げています。ちょっと難しくはありました。
作者の北杜夫といえば、アララギ派の歌人斎藤茂吉の息子で、『どくとるマンボウ』シリーズが代表作として有名なようですが、本作もまた間違いなく代表作の一つといえるでしょう。
人間というものは極限状態に置かれた時にこそ、その真価が問われるものであり、まぁナチスドイツというのは極限状態の典型例のようなものでしょうね。
それに、連合国軍側から見たナチスドイツでもなく、ドイツ人の目から見たナチスドイツでもなく、日本人の目から見るからこそ、余計な感情や感傷が混入せず、より客観的に見ることができる、というのもあるかもしれません。
本書の表題作『夜と霧の隅で』は、ナチスドイツを舞台とした作品です。ナチスに翻弄される中、医師としてできることを最大限にしようとする人々の煩悶する姿を、彼らの押し込まれるいびつで窮屈な世界を、堅くしっかりとした文章で築き上げています。ちょっと難しくはありました。
作者の北杜夫といえば、アララギ派の歌人斎藤茂吉の息子で、『どくとるマンボウ』シリーズが代表作として有名なようですが、本作もまた間違いなく代表作の一つといえるでしょう。
どくとるマンボウ航海記
私は今から35年程前に本書を読んだ。当時の日本文学と言えば"深刻さ"が重んじられ、なかんずく私小説なる物が幅を利かせていた。そんな中、ユーモアと機知を武器にして文壇に風穴を開けたのが本書である。恐らく、文壇よりも一般読者の方に先に受け入れられていただろう。当時はまだ海外旅行が珍しい時代で、かつ調査漁船に乗る等という事は初体験であったにも関らず、全く物怖じせず船上の体験、色々な人々との交流を率直に語る著者に快哉を送ったものだ。
船員に新型ドイツ船の解説書の翻訳を頼まれて、面倒臭いのでボロ船に訳してしまった等の言葉のギャグは勿論、様々な体験、出会い等を変に屈折した目で見ないで、伸びやかな視点で素直に語っている点が素晴らしいのである。
後で聞けば著者は本書執筆中、十二指腸潰瘍で入院していた由。そうした環境だからこそ、逆に明るい書物を書いたとも言えるが、やはり著者の資質による所が大きいと思う。「どくとるマンボウ」シリーズはこの後も続くが、本書はその初頭を飾ると共に、日本文学界に新風を吹き込んだ快著。
船員に新型ドイツ船の解説書の翻訳を頼まれて、面倒臭いのでボロ船に訳してしまった等の言葉のギャグは勿論、様々な体験、出会い等を変に屈折した目で見ないで、伸びやかな視点で素直に語っている点が素晴らしいのである。
後で聞けば著者は本書執筆中、十二指腸潰瘍で入院していた由。そうした環境だからこそ、逆に明るい書物を書いたとも言えるが、やはり著者の資質による所が大きいと思う。「どくとるマンボウ」シリーズはこの後も続くが、本書はその初頭を飾ると共に、日本文学界に新風を吹き込んだ快著。
アラビアンナイト シンドバッドの冒険 [DVD]
手塚治虫が好きだったのとディズニーのアラジンの日本版みたいなものかな?と気になり見たところ、とっても面白かったです。
ピノキオやトムとジェリーに似ているなというシーンもあるんですが、絵が美しく台詞など全体的に上品で好きです。
アラジンと比べるのもおかしいかもしれませんが、私はこの作品の方が好きです。
特に終わりの方の洪水のシーンにて、シンドバットがお姫様たちを助けたくても水の力はどうすることもできず神様に祈っているシーンが印象的でした。
人間の力では解決できないこともあるというところが自然な流れで好きです。
黒澤監督の時代劇に出てくるような凛とした日本の姫という感じのお姫様が登場します。
中学生頃はアラジンのジャスミンに夢中になりましたが、30代の今となってはこちらのお姫様が好きですね。
この映画をきっかけに他の東映の長編アニメ見てみたところどれも面白くて驚きました。最近古い作品にハマってます。
私が子供の頃はアニメの映画といえばジブリやディズニーくらいしか知らなかったから、こんな素敵な作品が日本で作られていたなら子供の頃に出会いたかったです。
ピノキオやトムとジェリーに似ているなというシーンもあるんですが、絵が美しく台詞など全体的に上品で好きです。
アラジンと比べるのもおかしいかもしれませんが、私はこの作品の方が好きです。
特に終わりの方の洪水のシーンにて、シンドバットがお姫様たちを助けたくても水の力はどうすることもできず神様に祈っているシーンが印象的でした。
人間の力では解決できないこともあるというところが自然な流れで好きです。
黒澤監督の時代劇に出てくるような凛とした日本の姫という感じのお姫様が登場します。
中学生頃はアラジンのジャスミンに夢中になりましたが、30代の今となってはこちらのお姫様が好きですね。
この映画をきっかけに他の東映の長編アニメ見てみたところどれも面白くて驚きました。最近古い作品にハマってます。
私が子供の頃はアニメの映画といえばジブリやディズニーくらいしか知らなかったから、こんな素敵な作品が日本で作られていたなら子供の頃に出会いたかったです。