フランケンシュタイン
フランケンシュタイン(怪物の名前ではありません)の視点からは怪物が残忍な化物として描かれてますが、自分が感じたのは怪物を産み出した彼の行動などのほうが自己中心的で偽善者だと感じる部分が多かったと思いました。
世の中は善悪で分けられない事が多いですが、この作品はまさにそれを提示してくれていると思いました。
特撮ものなどでも外見が醜悪という理由で正義を掲げる自称ヒーローが暴力による解決を行う姿を見てどう思うかは人それぞれだと思うので。
世の中は善悪で分けられない事が多いですが、この作品はまさにそれを提示してくれていると思いました。
特撮ものなどでも外見が醜悪という理由で正義を掲げる自称ヒーローが暴力による解決を行う姿を見てどう思うかは人それぞれだと思うので。
フランケンシュタイン (新潮文庫)
映画などで物語を知っているつもりだったが、恥ずかしながら原作をまともに読んだ事は無かった。新訳を機に読み、未読だったことを後悔している。
一般に流布している凶暴な人造人間のイメージとは違い、本書における怪物はミルトンの『失楽園』を引用する程の知性を持ち、自らの存在に苦悶する孤独な魂として描かれる。その普遍的な絶望の深さは喪失感に苛まれた現代人の生にも通じ、思索的な青春小説のような味わいさえ感じられる。そして凄愴な美を湛えた悲劇的な結末には大いに胸を打たれる。
近代的知性が中世の宗教的権威を超克しようとする時代を背景に、禁忌を犯す畏怖と葛藤の念が科学者フランケンシュタインの苦悩と悲劇に反映されたゴシック・ロマンの名作であり、マッド・サイエンティスト・テーマのSFの嚆矢的作品でもある。
(原題 Frankenstein: or The Modern Prometheus 原著初刊1818年)
一般に流布している凶暴な人造人間のイメージとは違い、本書における怪物はミルトンの『失楽園』を引用する程の知性を持ち、自らの存在に苦悶する孤独な魂として描かれる。その普遍的な絶望の深さは喪失感に苛まれた現代人の生にも通じ、思索的な青春小説のような味わいさえ感じられる。そして凄愴な美を湛えた悲劇的な結末には大いに胸を打たれる。
近代的知性が中世の宗教的権威を超克しようとする時代を背景に、禁忌を犯す畏怖と葛藤の念が科学者フランケンシュタインの苦悩と悲劇に反映されたゴシック・ロマンの名作であり、マッド・サイエンティスト・テーマのSFの嚆矢的作品でもある。
(原題 Frankenstein: or The Modern Prometheus 原著初刊1818年)
アイ・フランケンシュタイン [Blu-ray]
「アンダーワールド」のスタッフが作っているので雰囲気が似ていますが、ダークな世界観が味わい深かった「アンダーワールド」に比べ、こちらはホラー風味は薄くて、基本的には活劇ですね。イケメンの人造人間が、神と悪魔の戦いに巻き込まれるというストーリー。意外にメアリ・シェリーの原作に忠実で、ちゃんと原作の終わりからの物語になっているのは良かったのですが、フィリピンの武術カリスティックまで使ったアクションはフランケンシュタインの怪物っぽくなくて今一つ。相手は悪魔で殴ってもボワーと燃えて消えてしまうので、スプラッター的なシーンもありません。アクションホラーとしてそこそこ楽しめましたが、それ以上のものはなし。「ドラキュラZERO」の方が面白かったかな。