2000年に亡くなった田中小実昌、通称コミさんは『ポロポロ』で谷崎賞を受賞した小説家でしたが、一般にはテレビ番組に登場した印象からストリップ小屋の座付作家ぐらいにしか思われていなかったのではないでしょうか。
『濡れた海峡』の主人公は若き日のコミさんを彷彿とさせる歌手の三上寛が演じていて、まるっきり演技はしてはいませんが、便所にしゃがんでポロポロつぶやいている様子は、うらぶれたコミさんの小説の感じがよく出ています。女性たちは山口小夜子、桐谷夏子、小川惠の三人とも素晴らしく魅力的です。石橋蓮司の相手役を演じている桐谷夏子は、石橋の実際の奥さん、緑魔子をふっくらにしたような女性なのがなんだかオカシイ。
東北地方(岩手県あたり)の貧しい漁村や地方の田舎町を漂白する一種のロードムービーで、徹底的に金持ちは出てきません。70年代の一部のピンク映画にもあった「うらぶれ感」がいっぱいです。
キネマ旬報でも評価が高かった作品で、VHSもシネスコ・サイズなのはあり難いですが、ぜひDVD化して欲しいですね。
追記:2012年12月、とうとうDVDが発売になります。
『濡れた海峡』の主人公は若き日のコミさんを彷彿とさせる歌手の三上寛が演じていて、まるっきり演技はしてはいませんが、便所にしゃがんでポロポロつぶやいている様子は、うらぶれたコミさんの小説の感じがよく出ています。女性たちは山口小夜子、桐谷夏子、小川惠の三人とも素晴らしく魅力的です。石橋蓮司の相手役を演じている桐谷夏子は、石橋の実際の奥さん、緑魔子をふっくらにしたような女性なのがなんだかオカシイ。
東北地方(岩手県あたり)の貧しい漁村や地方の田舎町を漂白する一種のロードムービーで、徹底的に金持ちは出てきません。70年代の一部のピンク映画にもあった「うらぶれ感」がいっぱいです。
キネマ旬報でも評価が高かった作品で、VHSもシネスコ・サイズなのはあり難いですが、ぜひDVD化して欲しいですね。
追記:2012年12月、とうとうDVDが発売になります。
おんなの細道 濡れた海峡 [VHS]
2000年に亡くなった田中小実昌、通称コミさんは『ポロポロ』で谷崎賞を受賞した小説家でしたが、一般にはテレビ番組に登場した印象からストリップ小屋の座付作家ぐらいにしか思われていなかったのではないでしょうか。
『濡れた海峡』の主人公は若き日のコミさんを彷彿とさせる歌手の三上寛が演じていて、まるっきり演技はしてはいませんが、便所にしゃがんでポロポロつぶやいている様子は、うらぶれたコミさんの小説の感じがよく出ています。女性たちは山口小夜子、桐谷夏子、小川惠の三人とも素晴らしく魅力的です。石橋蓮司の相手役を演じている桐谷夏子は、石橋の実際の奥さん、緑魔子をふっくらにしたような女性なのがなんだかオカシイ。
東北地方(岩手県あたり)の貧しい漁村や地方の田舎町を漂白する一種のロードムービーで、徹底的に金持ちは出てきません。70年代の一部のピンク映画にもあった「うらぶれ感」がいっぱいです。
キネマ旬報でも評価が高かった作品で、VHSもシネスコ・サイズなのはあり難いですが、ぜひDVD化して欲しいですね。
追記:2012年12月、とうとうDVDが発売になります。
『濡れた海峡』の主人公は若き日のコミさんを彷彿とさせる歌手の三上寛が演じていて、まるっきり演技はしてはいませんが、便所にしゃがんでポロポロつぶやいている様子は、うらぶれたコミさんの小説の感じがよく出ています。女性たちは山口小夜子、桐谷夏子、小川惠の三人とも素晴らしく魅力的です。石橋蓮司の相手役を演じている桐谷夏子は、石橋の実際の奥さん、緑魔子をふっくらにしたような女性なのがなんだかオカシイ。
東北地方(岩手県あたり)の貧しい漁村や地方の田舎町を漂白する一種のロードムービーで、徹底的に金持ちは出てきません。70年代の一部のピンク映画にもあった「うらぶれ感」がいっぱいです。
キネマ旬報でも評価が高かった作品で、VHSもシネスコ・サイズなのはあり難いですが、ぜひDVD化して欲しいですね。
追記:2012年12月、とうとうDVDが発売になります。
マル秘女子高校生 課外サークル [DVD]
若松孝二監督逝去で、今まで陽のあたらなかった膨大なフィルモグラフィーが紐解かれると思いきや、
名画座での追悼特集は代表作ばかりで肩すかしを食らいましたが
(亡くなった時はあちこちで報道されていたにも関わらず・・・若松監督の評価って、こんなにも
低かったのでしょうか、残念でなりません。)
まさか東映での買い取り作品をdvd化するとは、東映ビデオさん、なかなかの仕事です!
(追悼でニューリリースしたのは東映だけとは情けない。)
で、内容ですが、一連のピンキーバイオレンス的なタイトルに相反して甘酸っぱ苦い、切ないドラマ
です。コメディ要素の高い堺勝朗さんが出演していますが、どこか空しさの漂う演技も良いですね。
東映でもう一本、『マル秘女子高生 恍惚のアルバイト』を撮っていますが、こちらも何とか観たい作品です。
紀伊国屋書店さん、『鉛の墓標』『血は太陽よりも赤い』・・・初期傑作選DVDーBOXの続編リリース、
今からでも遅くないですよ!
名画座での追悼特集は代表作ばかりで肩すかしを食らいましたが
(亡くなった時はあちこちで報道されていたにも関わらず・・・若松監督の評価って、こんなにも
低かったのでしょうか、残念でなりません。)
まさか東映での買い取り作品をdvd化するとは、東映ビデオさん、なかなかの仕事です!
(追悼でニューリリースしたのは東映だけとは情けない。)
で、内容ですが、一連のピンキーバイオレンス的なタイトルに相反して甘酸っぱ苦い、切ないドラマ
です。コメディ要素の高い堺勝朗さんが出演していますが、どこか空しさの漂う演技も良いですね。
東映でもう一本、『マル秘女子高生 恍惚のアルバイト』を撮っていますが、こちらも何とか観たい作品です。
紀伊国屋書店さん、『鉛の墓標』『血は太陽よりも赤い』・・・初期傑作選DVDーBOXの続編リリース、
今からでも遅くないですよ!
自動巻時計の一日 (河出文庫)
ロッカー・ルームは、いつもとおんなじだ。
これは、たぶん、このおれが、いつもとおんなじだからだろう。
田中 小実昌は、毎日が続いていく様を、その中の一日を、
こんな風にとくに思い入れも無く、淡々と順序通りに書いていく。
ただあるがままの生活
自分にも他人にも人生にも、
多くを求めたりはしない。不満を言ったりもしない。
目の色をかえてがんばったり、ひどく落ち込んで見せたりもしない。
ケセラセラ、そんな本。
こんな本は他の人には書けないと思わせる、奇異なる才能。
これは、たぶん、このおれが、いつもとおんなじだからだろう。
田中 小実昌は、毎日が続いていく様を、その中の一日を、
こんな風にとくに思い入れも無く、淡々と順序通りに書いていく。
ただあるがままの生活
自分にも他人にも人生にも、
多くを求めたりはしない。不満を言ったりもしない。
目の色をかえてがんばったり、ひどく落ち込んで見せたりもしない。
ケセラセラ、そんな本。
こんな本は他の人には書けないと思わせる、奇異なる才能。