人はなぜ逃げおくれるのか―災害の心理学 (集英社新書)
副題が「災害の心理学」となっているとおり、災害時に人々がどんな心理状態になるのか(たとえば、災害時には必ずパニックの群集心理が生じるというのは間違いであり、むしろ、人々はゆっくりと鈍感にしか反応しない場合が多い)が書かれており、生き延びるために極めて重要な知識を提供していると思う。
私は、本書と同様に災害時の心理面を記述した「人は皆『自分だけは死なない』と思っている ―防災オンチの日本人― (山村 武彦著)」を読んでから、この本を読んだ。
両者を比較すると、
○「人は皆『自分だけは死なない』と思っている」・・・・災害に遭遇する人に対するメッセージに的を絞っている。災害時の心理はどんなものか、危険を避けるにはどうすべきかがよくわかり、記述がナマナマしい。
○本書・・・・よく言えばきちんと整理して書かれている。悪く言えば、いろんなことを書いてありすぎて散漫な感じがする。災害時の心理だけでなく、災害や防災そのものに関する記述も多い。
なので、「自分の身を守る」ために読むならば、本書より、「人は皆『自分だけは死なない』と思っている」をお勧めします。
私は、本書と同様に災害時の心理面を記述した「人は皆『自分だけは死なない』と思っている ―防災オンチの日本人― (山村 武彦著)」を読んでから、この本を読んだ。
両者を比較すると、
○「人は皆『自分だけは死なない』と思っている」・・・・災害に遭遇する人に対するメッセージに的を絞っている。災害時の心理はどんなものか、危険を避けるにはどうすべきかがよくわかり、記述がナマナマしい。
○本書・・・・よく言えばきちんと整理して書かれている。悪く言えば、いろんなことを書いてありすぎて散漫な感じがする。災害時の心理だけでなく、災害や防災そのものに関する記述も多い。
なので、「自分の身を守る」ために読むならば、本書より、「人は皆『自分だけは死なない』と思っている」をお勧めします。
人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-
なんともドキッとするタイトルですね.
このタイトルを見て,2003年2月に韓国で発生した地下鉄火災の際の写真が即座に頭に浮かびました.
まさかこんなことが起こるはずはないと思いこむことによって,頭が非常事態であるという認識に切り替わらない状態 = 正常性バイアス
集団でいると自分だけが他の人と違う行動をとりにくくなる = 集団同調性バイアス
専門家の言うことだからと依存しすぎることで,最悪の結果を招くこと = エキスパート・エラー
これらは悪いことが起こったときに,人々が考え・行動しがちな態度.
でも,それが事態を悪くするということを,豊富な事例で説明している.
結局は,さまざまな状況の中で,無意識のうちにやってしまう「思考停止」
これが一番危険ということか.
それには先入観を無くし,きちんと理解し,備えておくことが必要であると.
災害で,運良く生き残るのではない.
災害で生き残る人には,理由がある. ということを強く強調している.
災害時の対応だけでなく,日々の生活の中で自分にとって不利な状況が起こったときの心理状態・それに対する対処方法などに関して,多くの示唆に富む本だと思いました.
このタイトルを見て,2003年2月に韓国で発生した地下鉄火災の際の写真が即座に頭に浮かびました.
まさかこんなことが起こるはずはないと思いこむことによって,頭が非常事態であるという認識に切り替わらない状態 = 正常性バイアス
集団でいると自分だけが他の人と違う行動をとりにくくなる = 集団同調性バイアス
専門家の言うことだからと依存しすぎることで,最悪の結果を招くこと = エキスパート・エラー
これらは悪いことが起こったときに,人々が考え・行動しがちな態度.
でも,それが事態を悪くするということを,豊富な事例で説明している.
結局は,さまざまな状況の中で,無意識のうちにやってしまう「思考停止」
これが一番危険ということか.
それには先入観を無くし,きちんと理解し,備えておくことが必要であると.
災害で,運良く生き残るのではない.
災害で生き残る人には,理由がある. ということを強く強調している.
災害時の対応だけでなく,日々の生活の中で自分にとって不利な状況が起こったときの心理状態・それに対する対処方法などに関して,多くの示唆に富む本だと思いました.