氷菓ウエハース 20個入 BOX (食玩・ウエハース)
-味
いたって普通のウエハースです。ほんのりココア風味で柔らかい味に仕上がってます。
-クリアカード
箱内での被りはありませんでしたが、全24種なので一箱では全部は揃いません。
色合いもよく、数々のシーンが綺麗に閉じ込められています。
ただ、
なんで温泉シーンが奉太郎なんだ!
なんで晴れ着姿のえるたそがいないんだ!
という点で☆-1
いたって普通のウエハースです。ほんのりココア風味で柔らかい味に仕上がってます。
-クリアカード
箱内での被りはありませんでしたが、全24種なので一箱では全部は揃いません。
色合いもよく、数々のシーンが綺麗に閉じ込められています。
ただ、
なんで温泉シーンが奉太郎なんだ!
なんで晴れ着姿のえるたそがいないんだ!
という点で☆-1
満願
下記にある「連城三紀彦の再来(か)」という(驚愕の)レビューを読んで購入。
確かに綾辻行人が言うところの作中「偽の絵」で巧みに読み手をミスリードさせつつ
予想外の真相に落とすスタイルは昨年惜しまれつつこの世を去った氏を彷彿させる
(表題作は連城氏の某長編を思わせる。柘榴は乙一風の世界観だが)。
反面ネタの落とし所が割合見当がつきやすいため衝撃に乏しく、柔道でいえば有効か技ありどまりで
生前、連城氏が幾度も見せた試合会場ごとひっくり返すようなどんでん返しの凄みには欠ける。
また、「古典部」シリーズや「小市民」シリーズなど、作者の出自であるライトノベル的世界観が
ベースである作品群ではさほど気にならないものの、「追想五断章」などリアリズムベースの
作品になると、途端に人物造形の甘さが目立ち、殊に色気のある人物が描けないという弱点が顕著になる。
話の骨組みは良く練られ、完成度の高さは疑いようがないが、山本周五郎賞という年二回ある直木賞と比して、
年間ベストワンを決める賞で満場一致で受賞したとなると、もっと他にめぼしい作品はなかったのかという気にもなる。
四月から増税となり、書籍も値上がりし、(アマゾンレビューを信用し)本書を購入する際、やや躊躇したのも事実だ。
読後、前述した理由からおそらく再読はしないだろう。
希望を言えば、粒ぞろいの作品集より、今年刊行された連城氏の最後の新作「小さな異邦人」の表題作のような
一作だけで読み手を満足させてくれるような切れ味の作品を作者には書いてもらいたい。
このレビューは参考になりましたか?
確かに綾辻行人が言うところの作中「偽の絵」で巧みに読み手をミスリードさせつつ
予想外の真相に落とすスタイルは昨年惜しまれつつこの世を去った氏を彷彿させる
(表題作は連城氏の某長編を思わせる。柘榴は乙一風の世界観だが)。
反面ネタの落とし所が割合見当がつきやすいため衝撃に乏しく、柔道でいえば有効か技ありどまりで
生前、連城氏が幾度も見せた試合会場ごとひっくり返すようなどんでん返しの凄みには欠ける。
また、「古典部」シリーズや「小市民」シリーズなど、作者の出自であるライトノベル的世界観が
ベースである作品群ではさほど気にならないものの、「追想五断章」などリアリズムベースの
作品になると、途端に人物造形の甘さが目立ち、殊に色気のある人物が描けないという弱点が顕著になる。
話の骨組みは良く練られ、完成度の高さは疑いようがないが、山本周五郎賞という年二回ある直木賞と比して、
年間ベストワンを決める賞で満場一致で受賞したとなると、もっと他にめぼしい作品はなかったのかという気にもなる。
四月から増税となり、書籍も値上がりし、(アマゾンレビューを信用し)本書を購入する際、やや躊躇したのも事実だ。
読後、前述した理由からおそらく再読はしないだろう。
希望を言えば、粒ぞろいの作品集より、今年刊行された連城氏の最後の新作「小さな異邦人」の表題作のような
一作だけで読み手を満足させてくれるような切れ味の作品を作者には書いてもらいたい。
このレビューは参考になりましたか?
儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
ホラー風味のミステリ。と聞いて読んでみました。
短編ながらそれぞれの物語が「バベルの会」でつながっており(内容は繋がってはいませんが)
全部良作!読み応えたっぷりで、あの話なんだっけ?ってなるようなものは無く全て濃い。
でもその分怖いです。気分が明るい時に読まないと、とことん沈みそうなので要注意☆
何が怖いかって、無関心。ということでしょうかね。
好きの反対は無関心というのはよくありますが、まさにそんな感じ。
憎しみや恨みの殺人ではなく、無関心な殺人についての描写が異常にうまいですね作者は。
最後の一文で落とす!というより、伏線はいたる処に貼られておりますし、
あっとビックリどんでん返し!というようなトリックは無いです。
(そういう小説って、どんでん返しにコダワリすぎちゃうのが往々にして欠点ですよね。本著はそれが無いので良作ですね)
それでも最後まで読むと斬新さと、不気味さが纏わりついて離れない。
おそらく、読みながら予想してた結末に「なってほしくない」と思いながら読んでいるのかもしれないです。
それでも作者は残酷にも結末を書いてくれますからね。
いちばんのお気に入り?は「玉野五十鈴の誉れ」ですねー。
これこそ最後の一文に「んぉぉ!」ってなりましたが、なぜかホッとするような不思議な感覚に陥りました。
短編ながらそれぞれの物語が「バベルの会」でつながっており(内容は繋がってはいませんが)
全部良作!読み応えたっぷりで、あの話なんだっけ?ってなるようなものは無く全て濃い。
でもその分怖いです。気分が明るい時に読まないと、とことん沈みそうなので要注意☆
何が怖いかって、無関心。ということでしょうかね。
好きの反対は無関心というのはよくありますが、まさにそんな感じ。
憎しみや恨みの殺人ではなく、無関心な殺人についての描写が異常にうまいですね作者は。
最後の一文で落とす!というより、伏線はいたる処に貼られておりますし、
あっとビックリどんでん返し!というようなトリックは無いです。
(そういう小説って、どんでん返しにコダワリすぎちゃうのが往々にして欠点ですよね。本著はそれが無いので良作ですね)
それでも最後まで読むと斬新さと、不気味さが纏わりついて離れない。
おそらく、読みながら予想してた結末に「なってほしくない」と思いながら読んでいるのかもしれないです。
それでも作者は残酷にも結末を書いてくれますからね。
いちばんのお気に入り?は「玉野五十鈴の誉れ」ですねー。
これこそ最後の一文に「んぉぉ!」ってなりましたが、なぜかホッとするような不思議な感覚に陥りました。
満願
珠玉の短編集であり、素晴らしい読書の時間を過ごせたのは他のレビュアーと同意見なのですが、最後の満願だけは、元弁護士として看過できない部分がありましたので、星を一つ下げさせて頂きました。
以下、表題作『満願』のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
1 検察官について
『返済を逃れるために殺人を犯した』というのは、強盗殺人(二項)の動機です。自ら殺人罪で起訴しておきながら、このような動機を主張する検察官は、あまりにも愚かです。また、検察官が被告人質問で述べた異議も、実際の裁判ではありえないと思います。主人公を有能に見せるために検察官を愚かにしたのでしょうが、こんな人は修習で検察志望しても落とされるんじゃないかなあ。そもそも司法試験に受かるんだろうか。
2 主人公について
主人公も本番ぶっつけで、被告人質問をしているようですが、これは相当駄目な弁護人です。
弁護人は、起訴後、訴訟に関する書証や証拠物を閲覧、謄写することができます。
また、冒頭陳述の時点で検察官が証拠によって証明しようとする事実は分かります。ですので、仮に裁判前に証拠の閲覧謄写をしないダメダメ弁護人であったとしても、冒頭陳述の時点で、検察が犯行現場を特定するための証拠として掛け軸を出すことは分かりますから、それに基づいて、被告人質問を組み、事前に被告人に手渡し、リハーサルを行わなければいけません(本件は殺人罪であり、動機に争いもありますので、冒頭陳述から被告人質問に至るまでは、かなりの期間があったはずです。主人公は何回接見したんだだろう?)。
3 弁護士について
なにより許せないのが、312頁『検察の見解に真っ向から意を唱える。これは勇気のいることであり〜』の部分です。
犯行が計画的であったか、偶発的であったか、という点で、検察側の弁護側が争うのは日常茶飯事です(新人だろうと、初めての殺人罪であろうとそれは変わりません)。
被告人が、襲われたからやむをえず殺したと、偶発的犯行を主張しているのに、それを黙殺し、検察側の計画的犯行説を認める弁護人は懲戒ものです。
ありえません。
にもかかわらず、『複数の同業者から「藤井君、若いうちはもう少しおとなしく出た方がいいよ」と忠告を受けた。』とあるのは、ちょっとひどすぎるんじゃないのか、と思いました。
これも主人公の頑張りぶりを際立たせるための、記述だとは思われますが、本作は小説としては素晴らしいだけに、感銘を受けた読者の方が、誤った弁護士像を抱く恐れがあるため、大いに危惧を抱きました。
弁護人とは被告人の味方なのです。
仮に心の中では「こいつ有罪だな」と思っていても、被告人が無罪主張するならば、弁護人も無罪主張しなければなりません。もちろん検察と戦わなければいけません。
それが弁護人の使命です。
もちろん世の中には、普通の弁護士なら弁護人に絶対なりたくないような凶悪犯人がいますが、それでも誰かは弁護人になります。
なぜなら、一方的な裁判では、無辜の者を罰する恐れがあることを歴史が証明しているからです。
まるで一般的な弁護士が検察をおそれ、迎合しているような、『満願』の描写には、不満を憶えました。
検察に迎合しているのは裁判官であって、弁護人ではありません。
以下、表題作『満願』のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。
1 検察官について
『返済を逃れるために殺人を犯した』というのは、強盗殺人(二項)の動機です。自ら殺人罪で起訴しておきながら、このような動機を主張する検察官は、あまりにも愚かです。また、検察官が被告人質問で述べた異議も、実際の裁判ではありえないと思います。主人公を有能に見せるために検察官を愚かにしたのでしょうが、こんな人は修習で検察志望しても落とされるんじゃないかなあ。そもそも司法試験に受かるんだろうか。
2 主人公について
主人公も本番ぶっつけで、被告人質問をしているようですが、これは相当駄目な弁護人です。
弁護人は、起訴後、訴訟に関する書証や証拠物を閲覧、謄写することができます。
また、冒頭陳述の時点で検察官が証拠によって証明しようとする事実は分かります。ですので、仮に裁判前に証拠の閲覧謄写をしないダメダメ弁護人であったとしても、冒頭陳述の時点で、検察が犯行現場を特定するための証拠として掛け軸を出すことは分かりますから、それに基づいて、被告人質問を組み、事前に被告人に手渡し、リハーサルを行わなければいけません(本件は殺人罪であり、動機に争いもありますので、冒頭陳述から被告人質問に至るまでは、かなりの期間があったはずです。主人公は何回接見したんだだろう?)。
3 弁護士について
なにより許せないのが、312頁『検察の見解に真っ向から意を唱える。これは勇気のいることであり〜』の部分です。
犯行が計画的であったか、偶発的であったか、という点で、検察側の弁護側が争うのは日常茶飯事です(新人だろうと、初めての殺人罪であろうとそれは変わりません)。
被告人が、襲われたからやむをえず殺したと、偶発的犯行を主張しているのに、それを黙殺し、検察側の計画的犯行説を認める弁護人は懲戒ものです。
ありえません。
にもかかわらず、『複数の同業者から「藤井君、若いうちはもう少しおとなしく出た方がいいよ」と忠告を受けた。』とあるのは、ちょっとひどすぎるんじゃないのか、と思いました。
これも主人公の頑張りぶりを際立たせるための、記述だとは思われますが、本作は小説としては素晴らしいだけに、感銘を受けた読者の方が、誤った弁護士像を抱く恐れがあるため、大いに危惧を抱きました。
弁護人とは被告人の味方なのです。
仮に心の中では「こいつ有罪だな」と思っていても、被告人が無罪主張するならば、弁護人も無罪主張しなければなりません。もちろん検察と戦わなければいけません。
それが弁護人の使命です。
もちろん世の中には、普通の弁護士なら弁護人に絶対なりたくないような凶悪犯人がいますが、それでも誰かは弁護人になります。
なぜなら、一方的な裁判では、無辜の者を罰する恐れがあることを歴史が証明しているからです。
まるで一般的な弁護士が検察をおそれ、迎合しているような、『満願』の描写には、不満を憶えました。
検察に迎合しているのは裁判官であって、弁護人ではありません。