ほのかの書 [DVD]
なんとも不思議な作品だ。
認知症の娘が持ってきてしまったどこかに埋められていた封筒を持ち主に返してほしいと依頼される占い師・ほのか。
突如現れる言葉を話せない書道家・ルゥイィ。
描くことを忘れてしまった画家グローク。
絡み合っていく三人の過去、傷、想い。
だがだが、その表現の仕方が実に不思議。
どう形容したらいいのだろうか。
良いも悪いも実に日本映画的。
好き嫌いも結構はっきり出る作品かと思われる。
無名・地味な俳優が大半を占め、僕が知っている俳優さんは主演の吉村涼と根岸季衣、小野寺昭のみ。
でもお芝居の上手な方ばかりで、結構楽しめました。
特に主演の吉村涼が素敵。
「渡る世間〜」の印象が強いかもしれないが、僕的には「パパは年中苦労する」の時のイメージの方が強いってな子役からのある意味ベテラン。
主人公のほのかを愛らしく、さわやかに演じており、とても好感が持てます。
こんな女優さんがもっと増えれば、日本映画はもっと楽しくなるかな、なんて思います。
認知症の娘が持ってきてしまったどこかに埋められていた封筒を持ち主に返してほしいと依頼される占い師・ほのか。
突如現れる言葉を話せない書道家・ルゥイィ。
描くことを忘れてしまった画家グローク。
絡み合っていく三人の過去、傷、想い。
だがだが、その表現の仕方が実に不思議。
どう形容したらいいのだろうか。
良いも悪いも実に日本映画的。
好き嫌いも結構はっきり出る作品かと思われる。
無名・地味な俳優が大半を占め、僕が知っている俳優さんは主演の吉村涼と根岸季衣、小野寺昭のみ。
でもお芝居の上手な方ばかりで、結構楽しめました。
特に主演の吉村涼が素敵。
「渡る世間〜」の印象が強いかもしれないが、僕的には「パパは年中苦労する」の時のイメージの方が強いってな子役からのある意味ベテラン。
主人公のほのかを愛らしく、さわやかに演じており、とても好感が持てます。
こんな女優さんがもっと増えれば、日本映画はもっと楽しくなるかな、なんて思います。
漂流 (新潮文庫)
時は江戸天明年間、船が難破し、絶海の孤島(鳥島)に流れ着き、12年後に流木で作った船で生還した土佐の船乗り長平の物語。
鳥島は火山島であるがために、食物となる植物は育たず、湧き水も火もない。もちろん冬は寒い。ただ、何十万羽もいるアホウドリの肉を主食に、わずかな貝や海草、たまに釣れる魚で食いつなぐ。ビタミン不足からか、仲間は次々と手足の関節が動かなくなり亡くなっていく。しかし、長平はひとりになっても生きる希望を失わず、数年後に同様に漂着した大阪船や薩州船の船乗りたちとともに、その後さらに何年も生き延び、想像を絶する苦闘の末、故郷に生還するのだ。
このような過酷な環境に置かれた人間の反応は二種類あるようだ。ひとつは、絶望し、死にたいと考える者。そしてもう一つは、現実をありのままに受け入れ、前向きになれる者。もちろん、ここでもダーウィンが『種の起源』の中で記した名言は生きている。すなわち、「最も強い者が生き延びるのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き延びるのは、変化に対応できる者である」。
何年か前、青春18きっぷを手に掛川城に行った帰り、新居駅で途中下車し、関所を見学したことがあった。その近所に石碑があって、それは同書と同じく、難破して何年か後に生還するという、数奇な経験をした者たちを顕彰した内容だったが、結局詳細はわからずじまいであった。本書のP149に「遠州(静岡県)新居の船が鳥島に漂着。・・・」との記載があるが、きっとこのことだったにちがいない。点と点がつながった気がして、少しうれしくなった。
鳥島は火山島であるがために、食物となる植物は育たず、湧き水も火もない。もちろん冬は寒い。ただ、何十万羽もいるアホウドリの肉を主食に、わずかな貝や海草、たまに釣れる魚で食いつなぐ。ビタミン不足からか、仲間は次々と手足の関節が動かなくなり亡くなっていく。しかし、長平はひとりになっても生きる希望を失わず、数年後に同様に漂着した大阪船や薩州船の船乗りたちとともに、その後さらに何年も生き延び、想像を絶する苦闘の末、故郷に生還するのだ。
このような過酷な環境に置かれた人間の反応は二種類あるようだ。ひとつは、絶望し、死にたいと考える者。そしてもう一つは、現実をありのままに受け入れ、前向きになれる者。もちろん、ここでもダーウィンが『種の起源』の中で記した名言は生きている。すなわち、「最も強い者が生き延びるのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き延びるのは、変化に対応できる者である」。
何年か前、青春18きっぷを手に掛川城に行った帰り、新居駅で途中下車し、関所を見学したことがあった。その近所に石碑があって、それは同書と同じく、難破して何年か後に生還するという、数奇な経験をした者たちを顕彰した内容だったが、結局詳細はわからずじまいであった。本書のP149に「遠州(静岡県)新居の船が鳥島に漂着。・・・」との記載があるが、きっとこのことだったにちがいない。点と点がつながった気がして、少しうれしくなった。
三陸海岸大津波 (文春文庫)
「想定外」という言葉の恐ろしさを痛感する日々です。
こんなにわかりやすく詳細なテキストがあったんですね。
もっともっと過去に学び、自らのできる「想定」の幅を
広げたうえで、現在をしっかりと見つめながら、
生きてゆかなければならないと切実に思います。
昭和8年の津波においての
県庁および県知事・警察・陸海軍・天皇・国会・民間等々の
動きがサラリと描かれていますが、その素早さに驚きました。
しかし今回の「東日本大震災」でも、さまざまな方々が
迅速で適切な動きをされているのだろうと思いますし、
報道などをみても、現地ではいろいろな備えがされていたのだなと
実感します。
これからも何が起こるかわかりませんが、過去に学び、
現在流れてくる情報の正確性を見極め、そして
自分の頭で考えて行動してゆかなければと思います。
一日も早く、被災された方々に平穏が訪れますように。
こんなにわかりやすく詳細なテキストがあったんですね。
もっともっと過去に学び、自らのできる「想定」の幅を
広げたうえで、現在をしっかりと見つめながら、
生きてゆかなければならないと切実に思います。
昭和8年の津波においての
県庁および県知事・警察・陸海軍・天皇・国会・民間等々の
動きがサラリと描かれていますが、その素早さに驚きました。
しかし今回の「東日本大震災」でも、さまざまな方々が
迅速で適切な動きをされているのだろうと思いますし、
報道などをみても、現地ではいろいろな備えがされていたのだなと
実感します。
これからも何が起こるかわかりませんが、過去に学び、
現在流れてくる情報の正確性を見極め、そして
自分の頭で考えて行動してゆかなければと思います。
一日も早く、被災された方々に平穏が訪れますように。
戦艦武蔵 (新潮文庫)
国家機密、極秘指令によって、長崎の三菱ドックにて2号機が建造される。呉では1号機が建造されている。ドックの中の人にも全体像は明かされぬまま建造がはじまる。周辺は高等警察が徘徊する。長崎の町は入江ではあるが、小高い山もあるため、軍艦を隠すのも難しい。今話題のグラバー邸も登場し、警察が摂取することもある。1枚の設計図が無くなった。大変なことになる。大騒ぎであったが、解決した。ひっそりと関係者が消えていく。巨大な戦艦を表すのに鋼板の厚さと砲口の大きさ、全長の長さが表現される。ピンとこないが大きいのは確かだ。