石はきれい、石は不思議―津軽・石の旅 (INAX BOOKLET)
石の形や色や模様といった特徴を活かすように、砂浜や水中や岩の上に置いて撮られた写真の数々が美しい。本書の中心はカラーが多くを占めるそれらの写真で、その間に石に関するコラムが幾つか挟まれている。紹介されているのは江戸時代から舎利石、今別石、錦石の産地として有名だった津軽半島の石の数々。鉱物研究家の堀秀道さんの書いたコラムによると、仏陀の遺骨ともされる舎利石は透明度の高い玉髄、今別石と錦石は碧玉系の色とりどりの砂利であるとのこと。
現在、舎利石は取れる場所が少なくなっているようなので、本書で紹介される石も今別石と錦石(この二つはほぼ同義である可能性が高そうだ)に当たるものが多い。平たく言うと瑪瑙やジャスパーの類であるが、それらには驚くべき多様性があるのだ。縞模様、つぶつぶ模様、文字や記号やある種の抽象画と似た模様が見られるものなどがあり、その色も淡いものから陶磁器に似た渋いもの、透明感のあるものや原色に近いものなどさまざま。
コラムも粒揃いである。津軽半島の石を巡る歴史を紐解いたもの、石の神への原始的な信仰を記したもの、石に宇宙史の凝縮を見るもの、津軽への石拾い旅行記、数十年に亘って石を拾い集め続けている二人が語る石の魅力。そして、終盤に載せられている石の写真はその二人の収集家によるコレクションの選りすぐりなのだ。
津軽へ石を拾いに行きたくなる、そして身近に落ちている石に対する観方も変えるであろう一冊。
現在、舎利石は取れる場所が少なくなっているようなので、本書で紹介される石も今別石と錦石(この二つはほぼ同義である可能性が高そうだ)に当たるものが多い。平たく言うと瑪瑙やジャスパーの類であるが、それらには驚くべき多様性があるのだ。縞模様、つぶつぶ模様、文字や記号やある種の抽象画と似た模様が見られるものなどがあり、その色も淡いものから陶磁器に似た渋いもの、透明感のあるものや原色に近いものなどさまざま。
コラムも粒揃いである。津軽半島の石を巡る歴史を紐解いたもの、石の神への原始的な信仰を記したもの、石に宇宙史の凝縮を見るもの、津軽への石拾い旅行記、数十年に亘って石を拾い集め続けている二人が語る石の魅力。そして、終盤に載せられている石の写真はその二人の収集家によるコレクションの選りすぐりなのだ。
津軽へ石を拾いに行きたくなる、そして身近に落ちている石に対する観方も変えるであろう一冊。