ジェフ・ベセーラ(vo,b)　ラリー・ラロンデ(g)　マイク・トラオ(g)　マイク・サス(dr)

アメリカはサンフランシスコ出身の伝説的スラッシュメタル・バンドによる、1985年デビュー作。本作発売時、メンバーはまだ高校生で、授業があるためツアーに出られなかったという逸話がある。

とにかく速い。そして邪悪。真っ黒なジャケットに逆十字というジャケットもシンプルにして強烈。この激しさ、背徳感はSlayer以上。
音程など知るかとばかりに喚き散らすヴォーカル。ジョー・サトリアーニに師事していたという、異様にテクニカルなギター。速いんだけどモタつき気味のドラムと、アンバランスでありながら不思議と音楽としてまとまっている奇跡のようなアルバム。
16分の刻みリフは早すぎてもはやトレモロのように聞こえる。音楽面、思想面で、本作が後のデス／ブラックメタルに及ぼした影響はとてつもなく大きい。
アルバムラストの曲タイトルはそのものズバリの "Death Metal" 。これこそ、「デスメタル」という言葉が世に初めて出た瞬間である。

バンドはアルバム2枚とEP1枚を残し、1987年に解散。2007年に一度再結成している。なおヴォーカルのジェフは銃撃(拳銃の暴発事故という説もあり)により下半身不随となるが、現在も車椅子で精力的に音楽活動を続けている。

もしあなたがブラックメタルやデスメタルの愛好家であるならば、一度は聴いておいたほうがいいと思うよ。スラッシュメタルから、いかにしてデスメタル、ブラックメタルが分派していったかがよくわかる好盤です。とは言うものの、ブラック、デスそのもののサウンドなのですが。ドラムは確かにヘタッピだね。合ってないぞー!でもそのドラムの下手さをうめてお釣りが来るくらいのド迫力のヴォーカルとスリリングなギターなので私個人にとっては愛聴盤ですが、テクニック至上主義の人にとってはちょっとキツイかなぁ。でも、一度は聴いてみる価値はあると思いますよ!

前作と比較すると、ドラムはうまくなったね。そしてギターリフの刻み方がちょっとかわったかなぁ。でも、相変わらずのいかしたリフを連発してくれている。ブラックメタル系が好きな方は、その源流とも言えるポゼッスドにぜひチェックを入れてもらいたい。このセカンドアルバムは、ブラックメタルファンじゃなくともスラッシュファンであれば受け入れ可能なようにも思います。アップテンポの曲ばかりで、思わず頭を振っちゃうかもしれませんよ!