戦場のピアニスト [DVD]
ドイツ軍ナチスのポーランド侵攻において、奇跡的に生き延びた一人のピアニストを描いた作品。
ユダヤ人を強制的に住まわせた居住区域ゲットーの劣悪環境や、気分次第で見境なくユダヤ人を痛めつけ、殺戮を重ねるナチスの行為には目を背けたくなります。人間の醜さ、弱さを、これでもかというくらい抉り出しています。
でも、ドイツ軍の中にユダヤ人をかくまった人がいたように、ユダヤ人の中にも保身のために同胞を裏切る人もいたことも、きちんと描かれています。
ウワディック・シュピルマンを演じたエイドリアン・ブロディが素晴らしいです。肉体的にも精神的にも追い詰められていくピアニストを熱演してます。
ピアニストとして確固たる地位を築き、裕福で温かな家族とともに暮らしていた彼が、名声も、家族も、全てを失い、必死に逃げる。その過程が観ていて息苦しくなるのですが、あそこまで人間は生に執着できるものなのか。彼を突き動かしていたのは何なのだろうと考えてしまいます。
ドイツ軍ホーゼンフェルト大尉に求められ弾いたショパン「バラード第1番ト短調作品23」は震撼したし、ラストのコンサートで弾いたショパン「アンデンテ・スピアナートと華麗なる大ポロエーズ作品22」も昂揚感を味わいましたが、何と言っても、終戦後、ラジオ局でシュピルマン(エイドリアン・ブロディ)がショパン「遺作」を弾いている時の表情に、いつも胸が締め付けられます。
全ての悲しみ、喪失感を自分の中に封じ込め、微笑をたたえながら、涙をぐっとこらえて弾く表情は、心の底から感動します。
この場面を観るために、私は、この映画を観るようなものです。
ユダヤ人を強制的に住まわせた居住区域ゲットーの劣悪環境や、気分次第で見境なくユダヤ人を痛めつけ、殺戮を重ねるナチスの行為には目を背けたくなります。人間の醜さ、弱さを、これでもかというくらい抉り出しています。
でも、ドイツ軍の中にユダヤ人をかくまった人がいたように、ユダヤ人の中にも保身のために同胞を裏切る人もいたことも、きちんと描かれています。
ウワディック・シュピルマンを演じたエイドリアン・ブロディが素晴らしいです。肉体的にも精神的にも追い詰められていくピアニストを熱演してます。
ピアニストとして確固たる地位を築き、裕福で温かな家族とともに暮らしていた彼が、名声も、家族も、全てを失い、必死に逃げる。その過程が観ていて息苦しくなるのですが、あそこまで人間は生に執着できるものなのか。彼を突き動かしていたのは何なのだろうと考えてしまいます。
ドイツ軍ホーゼンフェルト大尉に求められ弾いたショパン「バラード第1番ト短調作品23」は震撼したし、ラストのコンサートで弾いたショパン「アンデンテ・スピアナートと華麗なる大ポロエーズ作品22」も昂揚感を味わいましたが、何と言っても、終戦後、ラジオ局でシュピルマン(エイドリアン・ブロディ)がショパン「遺作」を弾いている時の表情に、いつも胸が締め付けられます。
全ての悲しみ、喪失感を自分の中に封じ込め、微笑をたたえながら、涙をぐっとこらえて弾く表情は、心の底から感動します。
この場面を観るために、私は、この映画を観るようなものです。
The Pianist: The Extraordinary Story of One Man's Survival in Warsaw, 1939-45 (English Edition)
映画を観て深く感動し、是非原作を読んでみたいと思い購読しました。
この本では、想像を絶するほどの数奇で残酷な体験を、全くと言っていいほど感情を入れずに淡々とした文章で綴られています。
過去の時々の状況を端的に表現するだけのほんの一言から、作者のありあまる悲しみや憤りが伝わってきます。
この本を読んで考えさせられたもの、それは、「なぜに人は人に対してこんなにも残酷になれるのか」、「どんな不条理な状況でも人は人として尊厳を失わずに行き続けられるものか」と云うことです。
この本を読むと、人の中にある本質を考えずにはいられません。
私がこの本を読んで個人的に感じたことですが、人は二つのタイプに分けられるのではないかと。一つは、他人に対して残酷に振舞える人と、どんな状況下でも人間性を失わない人です。
その二つの差とはなんなのか? そして、自分はどうなのかと?
本の最後にシュピルマンを助けたドイツ将校の日記が載っています。それを読むと、迫害される側の苦悩とは逆の、良心をすてられ迫害する側にいる人の苦悩がよくわかります。
本の中で何度も語られるフレーズの「こんなことをしても意味がない・・」とは、戦争下で起きるすべてのことがそうであると強く感じます。
この本は、戦争とは何か・人の本質と何かを教えてくれる、人類にとっての必読本でしょう。
この本では、想像を絶するほどの数奇で残酷な体験を、全くと言っていいほど感情を入れずに淡々とした文章で綴られています。
過去の時々の状況を端的に表現するだけのほんの一言から、作者のありあまる悲しみや憤りが伝わってきます。
この本を読んで考えさせられたもの、それは、「なぜに人は人に対してこんなにも残酷になれるのか」、「どんな不条理な状況でも人は人として尊厳を失わずに行き続けられるものか」と云うことです。
この本を読むと、人の中にある本質を考えずにはいられません。
私がこの本を読んで個人的に感じたことですが、人は二つのタイプに分けられるのではないかと。一つは、他人に対して残酷に振舞える人と、どんな状況下でも人間性を失わない人です。
その二つの差とはなんなのか? そして、自分はどうなのかと?
本の最後にシュピルマンを助けたドイツ将校の日記が載っています。それを読むと、迫害される側の苦悩とは逆の、良心をすてられ迫害する側にいる人の苦悩がよくわかります。
本の中で何度も語られるフレーズの「こんなことをしても意味がない・・」とは、戦争下で起きるすべてのことがそうであると強く感じます。
この本は、戦争とは何か・人の本質と何かを教えてくれる、人類にとっての必読本でしょう。
戦場のピアニスト 公開10周年記念 スペシャル・コレクション [Blu-ray]
視ている最中は,主人公シュピルマンの情けなさを少々腹立たしく思っていた。しかし,この映画がノンフィクションであることを知ったとき,この映画で表現されていたを一気に理解できたような気がした。作者は,言い訳がましいことを一切抜きにして,同胞レジスタンスの戦いを覗き見しつつ惨めに生き抜いた自身の姿をありのままに描いていたわけである。私は,戦争の無意味さ,虚しさを,今一度,直視できたような気がした。涙を誘うような戦争映画に毒されていた私は,戦争をどこかで誤解していたかもしれない。
シュピルマンの時計
クリストファー W.A.スピルマン(シュピルマン)氏による父シュピルマンの人間像の数々。父シュピルマンがいかに深い傷を心に負ったまま生涯を終えたか、温かい筆致の向こう側から痛々しいほど感じられる。これが日本語で記述された事…スピルマン氏の卓抜した語学力にも驚嘆。
日本で出版された父シュピルマンの回想録の解説(事実誤認部分)も修正、シュピルマンの実像に迫る最も“正確”な一冊と言える。
日本で出版された父シュピルマンの回想録の解説(事実誤認部分)も修正、シュピルマンの実像に迫る最も“正確”な一冊と言える。