浮世絵でわかる! 江戸っ子の二十四時間 (青春新書インテリジェンス)
本書のコンセプトは、タイトルそのままであり、当時の江戸庶民の衣食住、風物などを描いた各種浮世絵から、江戸庶民の1日の生活情況を(途中に四季の風物を織り混ぜつつ)朝から真夜中まで『24時間』実証的に綴っていくものである。このページの上の「商品の説明」にある通り、「棒手振・朝湯・寺子屋・蕎麦・天ぷら・初鰹・富くじ・相撲・手習い・水茶屋・駕籠屋・火消し・祭り・吉原・百物語」などのトピックを扱っているが、近年発見された「歌麿の肉筆画「雪月花」のひとつ『深川の雪』を収載」している。これは江戸時代のいわゆる代表的な「岡場所」(幕府非公認)の1つ、深川の料亭での遊女らを描いたもので、110〜111ページの見開きで紹介されている。新書判、本文約110ページ強でオールカラーながら、税別1180円は大型ムック本等の平均的価格と比して割高な印象がある。コンセプトは面白いのだが価格(コストパフォーマンス)が個人的には気になる。類書としては(モノクロ・文庫でテキスト主体ながら)、『大江戸商売ばなし (中公文庫)』辺りと重複するトピックもあるが、右著は行商人「棒手振」などの“商い”から観る江戸庶民の風俗や暮らしであり、物売りがコンセプトなので併読すればより理解が深まるだろう。
構成・内容は1日を江戸時代の時制(不定時法)に従って、「午前の章」(暁七ツ〜昼四ツ)ーー丁稚奉公の子どもたちの朝、洗顔・歯磨き・用便の朝、棒手振の商い、化粧ほか、「午後の章」(昼九ツ〜夕七ツ半)ーー屋台の昼食、おやつ、買い物、見世物、水茶屋、貸本、瓦版ほか、「夜の章」(暮六ツ〜夜九ツ)ーー居酒屋、料理茶屋、吉原遊郭、岡場所、落語、蚊遣りほか、以上の3部構成である。「棒手振」の商売や貸本、髪結い、銭湯、蚊遣り、紙の再利用などのトピックは前掲書にも見える。個人的に興味深いのは、「女房を質に入れても初鰹」とされた江戸の「初鰹」への思い入れ(62〜63頁)である。記録に残っているもので、当時「三両」で歌舞伎役者が購入したとされ、今時の“本マグロ”を巡る競りを彷彿とさせるものがある。著名な高級料亭「山谷の八百善」(106〜107頁)なども当時の料金を紹介しているが、「水茶屋」(74〜75頁)については「看板娘」を取り上げており、笹森鍵屋のお仙(鈴木春信作)が掲示されているが、喜多川歌麿の題材となった“高嶋屋おひさ”や“難波屋おきた”については言及はない。全体にビジュアルとテキスト解説を上手く配置しており、テキスト解説の量的バランスも悪くないが、新書判としての価格がネックであろうか。
構成・内容は1日を江戸時代の時制(不定時法)に従って、「午前の章」(暁七ツ〜昼四ツ)ーー丁稚奉公の子どもたちの朝、洗顔・歯磨き・用便の朝、棒手振の商い、化粧ほか、「午後の章」(昼九ツ〜夕七ツ半)ーー屋台の昼食、おやつ、買い物、見世物、水茶屋、貸本、瓦版ほか、「夜の章」(暮六ツ〜夜九ツ)ーー居酒屋、料理茶屋、吉原遊郭、岡場所、落語、蚊遣りほか、以上の3部構成である。「棒手振」の商売や貸本、髪結い、銭湯、蚊遣り、紙の再利用などのトピックは前掲書にも見える。個人的に興味深いのは、「女房を質に入れても初鰹」とされた江戸の「初鰹」への思い入れ(62〜63頁)である。記録に残っているもので、当時「三両」で歌舞伎役者が購入したとされ、今時の“本マグロ”を巡る競りを彷彿とさせるものがある。著名な高級料亭「山谷の八百善」(106〜107頁)なども当時の料金を紹介しているが、「水茶屋」(74〜75頁)については「看板娘」を取り上げており、笹森鍵屋のお仙(鈴木春信作)が掲示されているが、喜多川歌麿の題材となった“高嶋屋おひさ”や“難波屋おきた”については言及はない。全体にビジュアルとテキスト解説を上手く配置しており、テキスト解説の量的バランスも悪くないが、新書判としての価格がネックであろうか。
わが母の教え給いし歌 ~世界のフォーク・ソング集
このアルバムを作った仕事、選曲といい、1曲1曲を巧みに表現豊かに歌い上げているのは素晴らしいと思う。
ただ個人的な嗜好かも知れないけれど、ごくたまに低音部分でつぶれた声が、美しくなくて、微妙に不快。その発声が続く部分になると、CDを止めたくなる。
そこさえ気にならなければ、価値のあるCDと思う。
ただ個人的な嗜好かも知れないけれど、ごくたまに低音部分でつぶれた声が、美しくなくて、微妙に不快。その発声が続く部分になると、CDを止めたくなる。
そこさえ気にならなければ、価値のあるCDと思う。