けいおん!ファンでも何でもないが、色々な音ゲー・リズムゲーをつまみ食いしてる身なので買ってみた。
ゲームの主軸である「えんそう!モード」では、一つの楽曲に対し5つのパートが選べることに感心した。某パカパカみたいに一粒で何度も美味しいし、何度もプレイしたくなる。
また、自分の選んだパートの音量を上げるオプションがあることも嬉しい(他のパート音を下げることも可)。ランダムで取得できるアイテムでは、音符の数を増やしたり減らしたり、演奏自体をオートにする効果(一部制約有り)などがあり、幅広い層に楽しんでもらおうとする制作者側の意図が垣間見える。
楽曲は計19曲収録されており、ただのアニソンかと思いきや意外とどれも作りがしっかりしていて、ドラムを嗜んでる身からしても驚くフレーズなどが盛り込まれている。それこそ上記のパート音UPのオプションをつけて何度も聴きたくなる。
ただ、楽曲の難易度については既に何名かがレビューされているが、☆の数で表わされる難易度と体感的な難易度とでは差異があると度々感じた。☆2つにしては難解なフレーズやリズムなどがあり、音ゲー・リズムゲー初めての方はいきなり面食らうかと思う。
個人的に一番気になったのが、音符が表示される五線譜の扱い方だ。
画面に表示される五線譜には、拍数で区切ったと思われる縦線が3本引いてある。その縦線の間に楽曲の拍に合わせて音符が置いてあるものだと直感的に考えていた。
だが実際プレイしてみると楽曲ごとにバラバラで、表拍なのに音符の置いてある位置が裏であったり、別の楽曲では裏拍なのに音符が表に置かれたりする。言葉で説明しきれる自信は無いが、この「違和感」はプレイに大なり小なり影響する。
またプレイ中に五線譜自体が右や左に傾くが、これには何か意味があるのだろうか。テンションアップ時・ダウン時お構いなしに傾くので、プレイヤーを完全に邪魔してるとしか思えない。
思うにゲーム中の五線譜は五線譜としての役目をあまり成してない。
判定バーが左から右に流れることに初めは戸惑うだろうが、何回か練習してコツをつかめば右端から左端へのスムーズな目線の移行が身に着く。
五線譜と判定バーに関して以上のような特徴があるので、結局頼りになるのは己の耳。そもそも判定自体がややシビアなので、アイテム目的等でA判定以上を狙うなら楽曲を覚えて何回か繰り返す必要がある。これは「作業」と感じるか感じないかはプレイヤーによる。
以上、ゲームの根幹である「えんそう!モード」にフォーカスしてみたが、音ゲー・リズムゲーとしての出来はいまひとつで、☆3つ。
ただ、本ゲームのもう一つの側面である「キャラクター」にも注目してみると、ファンでない方にも大抵受け入れられそうな感じはする。原作・アニメを知っていないと楽しめない、所謂「お約束」のようなネタが分からない点に関しては「キャラゲー」としての特徴が強く出ているが、個人的にどのキャラクターも魅力的で可愛いと思ったのであまり気にならない。勿論、原作・アニメファンの方にとってはキャラ同士のやりとりや、付録の特典も重要視されているかと思うので、☆4つくらい評価できるゲームかもしれない。
「
けいおん!」ファンではなくとも、楽曲を聴いてみてピンと来た方、十人十色なキャラクターを受け入れられる方は、購入されてみてはどうだろうか。
音ゲーかリズムゲーか、といった細かい区切りは正直必要無いと思う。
どちらにしても「音」を楽しむ(音楽)ゲームに変わりはない。