懲りに凝った読みごたえのあるパンフレットです。
映画館では売り切れてました。
ありがとうございました。

もう、これは最高にポップでキュートなアルバムです。当時、レニー・クラヴィッツの恋人だっただけにレニーの愛と才能が存分に注ぎ込まれています。サウンド的にはレニーのMAMA SAIDの頃のサウンドに近いかな！？もちろん脇を固めるミュージシャン等もいっしょです。

これは面白い。現代のテクノロジーを駆使して、重要な試合の前に2人のサッカーコメンテーターの間で当面の試合を肴にして議論をさせる。このような議論の場を作りそれを記録することにより、それぞれのコメンテーターの立ち位置とサッカー観そしてその味方の深さが正確に把握できます。そしてそれを時系列的に繰り返すことにより、当事者の見方にどの程度の修正や追加が加わるかも辿ることができます。
といっても後藤さんクラスの観察者になると、もはやその立ち位置は変化することがありません。従来からの観察で確立された確固たるサッカー観は何があっても微動だにもしません。サッカーの勝敗、特にトーナメントでのそれににつきものの偶発性と個別のオケージョンでの両チームの相対的な立ち位置の脆弱さへの絶え間ない関心とその一瞬への驚きがあるだけです。
この一連の作業から明らかにされるのは、サッカーというスポーツの奥深さです。そこには絶対性のぶつかり合いからもたらされる結論はあまり意味を持ちません。場所、気候、その試合の置かれたsequenceでの順番、そして90分という限られた時間の中でのお互いの相互作用がもたらす心理ゲーム、そして除去できない偶然性そしてそこに「変化」と「違い」をもたらす勝負勘これらの複合が特に増幅されたのがワールドカップでのサッカーなのです。お互いの意見は必ずしも一致しません。西洋とは異なる日本社会の文化論や教育論へ議論を宿命論的に持っていく湯浅氏に対して、後藤氏はそれを厳しく戒めます。そのような日本社会のある意味では「宿命」を強みに転嫁する作業への組織的な努力の積み重ねこそがサッカーという巨大な逆説の本質なのだというのが後藤氏が長い間のサッカーの観察の後にたどり着いた結論なのです。これはまさに慧眼です。
ただ二人がともに同意したのは、興味深いことに岡田氏の「勝負師」としての才能と決断力なのです。そしてともに旧世代（両社は1952年生まれ）に属する二人の議論の端々に垣間見えるのが、釜本へのやむことのない憧憬なんです。