本機は携帯するのが本来の使い方だと思いますが、
実際に使ってみるとパソコンに接続して使うようにできている部分が多いです。
SBXの設定や、ミキサーやイコライザーはパソコン（スマホでも可）の画面で操作する必要があります。
本体側のボタンでは設定内容は変えられません。
携帯時の誤操作防止の為とも思えますが、もう少し工夫して欲しいです。
むしろ、本体ボリュームはカバンの中で勝手に動いて、突然大音量になったりします。
ロック機構かカバーが欲しい所です。

肝心の音ですが、余計な機能が付いた２万円程度の製品としては、かなり上質な部類です。
ハイレゾ初心者の方は、ぜひ１万円クラスのヘッドホンを使って聴いてみてください。
パソコンのオーディオ出力からの音と比べて、明らかに音の解像度、明瞭度が良く、
低音、高音の伸びや厚みが増しているのが分かると思います。
解像度の違いはＤＡＣの性能の違いによるものだと思います。
音の伸びや厚みは、アンプの性能の違いでしょう。

iPodやiPhoneでは、Bluetooth接続もできますが、Bluetooth経由だとＤＡＣの良さが失われてしまい
アンプの性能の差だけになってしまいます。
USBケーブルで接続するべきです。
付属のUSBケーブルは長いので、私は、短いケーブルを自分で用意しました。
スマホに固定するシリコンバンド（ゴム？）が2本付属しますが、スマホに重ねるといまいちです。
Ｅ５の方がかなり小さいので、シリコンバンドがスマホ画面の中ほどを横切る形になります。
画面が見えなくなって、操作性にかなり難ありです。
また、最初にも書きましたが、そのままカバンの中に入れておくと、
何かの拍子にボリュームが動いてしまい、突然大音量になったりします。
ロック機構は是非とも欲しいです。

電池の持ちですが、スマホにUSB接続すると、なぜか電力供給をして自滅します。
USBの規格を厳密に守っているのかもしれませんが、これが原因で電池がすぐになくなります。
スマホの電池が切れそうな時には便利ですが、通勤に使うと、だいたい３時間位で電池切れになります。
公証８時間ですので、半分しか持ちません。

製品に付属の説明書には、日本語は少ししかありません。
紙面の９割は外国語です。もっとも、殆どが絵なので意味は分かりますが。
パソコン、スマホ用のソフトは日本語版ですので、すぐにダウンロードして、こちらを読みましょう。
実際には、使い方に困ることはありません。

なお、こんな人は居ないと思いますが、PCか、Android、iPhone（iPad、iPod-touch）の何れかが必須です。
ウォークマンとかiPod-nanoとかしか持っていないと使えませんので注意してください。
光デジタル入力が使えますが、その場合は、ただのヘッドホン・アンプだと思ってください。

操作性や取説など、改善すべき点は多いですが、多機能、高性能な割に２万円程度の価格は、
ハイレゾ初心者から中級者にもってこいの製品だと思います。
将来性も含めて、星５つとします。