Taj Mahal
オールマンブラザーズのデュエインオールマンがこのアルバムに入っているStatesboro Bluesがきっかけでスライドギターを始めたと知って気になったので買いました。このアルバムの中ではジェシエドデイヴィスとライクーダーがタジの声とハーモニカにマッチしたギターを弾いています。ですがやはりそのStatesboro Blues(原作はブラインドウィリーマクテル) に代表されるジェシの南部の泥臭い感じの素晴らしいスライドのプレイがなかったらあのデュエインのStatesboro Blues のスライドギターはなかったでしょう。
全体的に曲はアップテンポなエレクトリックのカントリーブルースの感じです。
全体的に曲はアップテンポなエレクトリックのカントリーブルースの感じです。
SONG Catcher 歌追い人 [レンタル落ち]
<カントリー・ミュージックのルーツと言われる「バラッド」にまつわる話です。>
♪〜
美しくやさしい うら若き娘たちよ
若い男を誘惑する時は どうか気をつけて
彼らは夏の夕べの 輝かしい一番星
どの星より早く昇り すばやく消える
少年と少女の恋人たちは、こんな歌とともに森へ入り、小枝をからませて、「恋人たちの結び目」をこしらえます。ほどけてしまったら、彼らの幼い恋は終わりを告げるのです。(この歌はそんな少女への、人生の先輩たちからの忠告なのでしょう…。ここでは音楽は生活に密着した空気のようなもの。悲しみを癒し、喜びを歌い上げ、ときにはこんな忠告までも…。)
現在でも自然が豊かにのこるアパラチア山中。
入植した人々は、ほかとあまり交流をせず、独自の文化を育んだといいます。
物語は1900年初頭。女性たちは長いスカートの下に、脚をすっぽりと隠していた時代。
本国ではとっくに姿を消してしまったバラッド(民謡)が、ここには残っていました。
この驚きの大発見に大喜びの音楽学者リリーは、歌の上手い少女ディレイディス(エミィ・ラッサム)から、歌の「採譜」をはじめます。
さらに、知恵袋のようなヴァイニーおばあちゃんからも…。(バット・キャロルがすばらしい!)
「歌の採譜」というフィールドワークを通してバラッドの「心」を理解し、「音楽」の本来の姿に気づき、自分も変化するリリーと、それにまつわる恋と、まわりの人間をふくめた悲喜こもごもの物語です。
物語の道しるべとして、要所要所で「バラッド」が力強く生き生きとまた切々と歌われ、ミュージシャンによるバンジョー、フィドル、ダルシマーなどの楽器演奏、そして…物語をクライマックスへと導く、(タップダンスのような独特のステップを踏む)ダンス・パーティ・シーンは圧巻です!!
マギー・グリーンウォルド監督は、「音楽好きが高じてアパラチアに興味を持った」とインタビューで語り、この映画を「風変わりな(strange) ミュージカル」と説明しています。
この言葉からもテーマからも判るように音楽映画として優れています。タージ・マハールら何人かの本物のミュージシャン、エミィ・ラッサム(デビュー作品)、エンドロールに流れる歌はエミルー・ハリス・・・と出演者が素晴らしい!
別版に音楽好きな方と思われるレビューがあり多く触れられているので、以下、その他の気づいたことを書きます。
この映画は監督もプロデューサーのひとりも女性。そしてヒロインは男まさりのリリー(←と監督が言っています)です。
登場人物中、女性陣は皆、魅力的な人物造形ですが、男性はどうもチョット(笑)…小心者だったり、セコかったり、密造酒造りにはげむのみで現実逃避していたり…と「ダメ」なタイプがほとんど(笑)。リリーの恋のお相手トム(エイダン・クイン)は、それが「翳り」という感じに取れてカッコ良くって救われていますが…。
時代的に(1900年代初頭)、女性の立場が今よりずっと弱かったということもあるのでしょうが…男性への視線が厳しくフェミニズム色が感じられるように思いました。(苦手な方は気になるのではないかと思います。)
また、人間の複雑な面を描くためと思われますが…少々盛りだくさん気味。何人かのエピソードが語られるため、次々といろんなことがおこり、面白い反面、若干都合良くことが運ぶというふうに感じられるかもしれません。
・・・でもっ!! 山の自然を映し出した映像は実に美しく、物語は素敵で魅力的。見終わったあと、とても気持ちの良い映画なので、特にアメリカのトラッド・ミュージックをお好きな方には、とってもおすすめです。バラッド(のような民謡)に託された人々の思いや、監督の真摯な思いの伝わってくる素敵な映画です♪
<最後に、結末に触れてしまいますが・・・>
リリーはトムに、山を降りて町へ出て「好きな音楽で食べて行こう!」と提案します。
この山では音楽は売買するものではありません。そこに本来の音楽の姿があり、この映画を観ていて最も感動する所ではあるのですが…。
でも…『孤立してはだめ。それでは文化は死んでしまう。』と、リリーはトムに言うのでした…。
・・・せっかくの文化を本当に生かし、人々が生き生きと生活するためには…ただ「保護」「保存」するというのではなく、周りとの協調やそれなりの「変化」が必要不可欠という、グリーンウォルド監督のマイノリティ文化への深い理解と愛情をこのラストシーンに感じました。
(但し、このラストの、リリーによるトムへの「提案」は実を言うと、ウチでも賛否両論なのです…。「山でゆっくり密造酒のませてやれよ〜!」って…笑)
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美しくやさしい うら若き娘たちよ
若い男を誘惑する時は どうか気をつけて
彼らは夏の夕べの 輝かしい一番星
どの星より早く昇り すばやく消える
少年と少女の恋人たちは、こんな歌とともに森へ入り、小枝をからませて、「恋人たちの結び目」をこしらえます。ほどけてしまったら、彼らの幼い恋は終わりを告げるのです。(この歌はそんな少女への、人生の先輩たちからの忠告なのでしょう…。ここでは音楽は生活に密着した空気のようなもの。悲しみを癒し、喜びを歌い上げ、ときにはこんな忠告までも…。)
現在でも自然が豊かにのこるアパラチア山中。
入植した人々は、ほかとあまり交流をせず、独自の文化を育んだといいます。
物語は1900年初頭。女性たちは長いスカートの下に、脚をすっぽりと隠していた時代。
本国ではとっくに姿を消してしまったバラッド(民謡)が、ここには残っていました。
この驚きの大発見に大喜びの音楽学者リリーは、歌の上手い少女ディレイディス(エミィ・ラッサム)から、歌の「採譜」をはじめます。
さらに、知恵袋のようなヴァイニーおばあちゃんからも…。(バット・キャロルがすばらしい!)
「歌の採譜」というフィールドワークを通してバラッドの「心」を理解し、「音楽」の本来の姿に気づき、自分も変化するリリーと、それにまつわる恋と、まわりの人間をふくめた悲喜こもごもの物語です。
物語の道しるべとして、要所要所で「バラッド」が力強く生き生きとまた切々と歌われ、ミュージシャンによるバンジョー、フィドル、ダルシマーなどの楽器演奏、そして…物語をクライマックスへと導く、(タップダンスのような独特のステップを踏む)ダンス・パーティ・シーンは圧巻です!!
マギー・グリーンウォルド監督は、「音楽好きが高じてアパラチアに興味を持った」とインタビューで語り、この映画を「風変わりな(strange) ミュージカル」と説明しています。
この言葉からもテーマからも判るように音楽映画として優れています。タージ・マハールら何人かの本物のミュージシャン、エミィ・ラッサム(デビュー作品)、エンドロールに流れる歌はエミルー・ハリス・・・と出演者が素晴らしい!
別版に音楽好きな方と思われるレビューがあり多く触れられているので、以下、その他の気づいたことを書きます。
この映画は監督もプロデューサーのひとりも女性。そしてヒロインは男まさりのリリー(←と監督が言っています)です。
登場人物中、女性陣は皆、魅力的な人物造形ですが、男性はどうもチョット(笑)…小心者だったり、セコかったり、密造酒造りにはげむのみで現実逃避していたり…と「ダメ」なタイプがほとんど(笑)。リリーの恋のお相手トム(エイダン・クイン)は、それが「翳り」という感じに取れてカッコ良くって救われていますが…。
時代的に(1900年代初頭)、女性の立場が今よりずっと弱かったということもあるのでしょうが…男性への視線が厳しくフェミニズム色が感じられるように思いました。(苦手な方は気になるのではないかと思います。)
また、人間の複雑な面を描くためと思われますが…少々盛りだくさん気味。何人かのエピソードが語られるため、次々といろんなことがおこり、面白い反面、若干都合良くことが運ぶというふうに感じられるかもしれません。
・・・でもっ!! 山の自然を映し出した映像は実に美しく、物語は素敵で魅力的。見終わったあと、とても気持ちの良い映画なので、特にアメリカのトラッド・ミュージックをお好きな方には、とってもおすすめです。バラッド(のような民謡)に託された人々の思いや、監督の真摯な思いの伝わってくる素敵な映画です♪
<最後に、結末に触れてしまいますが・・・>
リリーはトムに、山を降りて町へ出て「好きな音楽で食べて行こう!」と提案します。
この山では音楽は売買するものではありません。そこに本来の音楽の姿があり、この映画を観ていて最も感動する所ではあるのですが…。
でも…『孤立してはだめ。それでは文化は死んでしまう。』と、リリーはトムに言うのでした…。
・・・せっかくの文化を本当に生かし、人々が生き生きと生活するためには…ただ「保護」「保存」するというのではなく、周りとの協調やそれなりの「変化」が必要不可欠という、グリーンウォルド監督のマイノリティ文化への深い理解と愛情をこのラストシーンに感じました。
(但し、このラストの、リリーによるトムへの「提案」は実を言うと、ウチでも賛否両論なのです…。「山でゆっくり密造酒のませてやれよ〜!」って…笑)