THE LOVE WE MAKE~9.11からコンサート・フォー・ニューヨーク・シティへの軌跡 [DVD]
この映画は『コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ』の舞台裏を記録したドキュメンタリーです。
ポールが何故、このコンサートを行うのか、といったマスコミのインタビュー映像。
コンサートに向けたリハーサル風景。出番を待っている楽屋風景等が電波に乗った映像と組み合わせられています。
当日のコンサート映像などはカラーですが、それ以外の表舞台に出ない映像はモノクロになっています。
ポールは「9.11」当日、空港にいて世界貿易センターが炎上するのを目撃したのだそうです。
2機目が突っ込んだことやペンタゴンにも突入した報道を知って、テロであることを察し、「自分に何ができるか」と自問したことが発端である、というところから始まります。
印象的だったのは「僕は強いわけじゃないし、消防署員のように直接何かできるわけじゃないけど・・・」
と謙遜しながら「若い頃に頭が痛い時でもエルヴィスの曲を聴いたら吹っ飛んだ。そんなことならできるんじゃないか」というようなことを語ります。
ポールは自分の才能を「アスピリン」といっているのを読んだことがあります。
気が滅入った時等に、ちょっと元気を取り戻す、という意味で使っていました。
そういうポールの気持ちが形になって表れたのがこのコンサートではないかと思います。
ポールは、ポピュラー音楽の世界では頂上にいる人であることは間違いないでしょう。
それでも、ジョンやジョージとは異なるイメージがありました。
ジョンやジョージの持つ内省的、哲学的、芸術的なイメージに比べて大衆的といいますか、悪く言えば俗っぽいイメージです。
「エド・サリバン・ショー」の映像も出てきますが、それを見ていて、ビートルズの頃から一番変わってないのはポールじゃないかと感じました。
ジョンやジョージは関心が音楽以外に大きく広がっていったのに対しポールは音楽界のスターであり続けようとしていた印象を持っています。。
それでいて大勢の人と気軽に会話できる一般人として人生を楽しもうとする様子が伺えます。
昔からそうなのですがポールの姿を見ると『アマデウス』にイメージが重なります。
モーツァルトは、頭に浮かんだ音楽をそのまま五線紙に書き出したので、訂正箇所がなかったと言います。
ポールが語る言葉や音楽を聞いていて、同じように頭に浮かんだ言葉や音楽がそのまま流れ出しているのではないかという想像しました。
巨大な天才の一端に触れられた感動がありました。
映画のタイトルは、アルバム『アビイ・ロード』の『THE END』の一節からとられています。
the love you take is equal to the love you make.
あなたが得る愛の量は、あなたが与えた愛の量に等しい。
ポールの楽屋の様子が実に楽しいです。ファンの方は見所満載だと思います。
ギルバート・グレイプ [DVD]
ディカプリオの事を知らなかった頃に見て、本当に障害者の児童を起用したんだと思っていました。
ジョニー・デップ演じる自分の人生から逃れられない青年には心が痛みます。
当時ナイーブな青年役はジョニー・デップの十八番でしたね。
インセプション [DVD]
初めて観る初心者の方は、エレン・ペイジ演じる「アリアドネ」に感情移入すると、ストーリーに吸い込まれると思います。 彼女も『インセプション』初体験のキャラクターです。 2、3度観る内、『インセプション』のスパイ任務も把握でき、ディカプリオ演じる「コブ」の葛藤に同感できると思います。 この価格で、B級映画を観に行くか。 この価格で、『インセプション』の迷宮を何度も楽しむか∞ ラストは、夢か、現実か? 全ては、第三者の頭にゆだねられています。 “お前の頭へ侵入する。” この映画のキャッチコピーは、嘘ではありません!!
THE LOVE WE MAKE~9.11からコンサート・フォー・ニューヨーク・シティへの軌跡 [Blu-ray]
10年前の9.11の翌月「コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ」のためにニューヨークに向かったポール前半ではその数日間にわたるリハーサルの模様を中心としたドキュメンタリーである、監督は1964年の「ビートルズ・ファースト・US・ヴィジット」を監督したアルバート・メイスルズ、とここまでは良いのですがなぜがほぼ全編モノクロの映像なのです。 ポールのリハーサル映像などはファンなら見飽きているはず、本番前のショーのようなリハーサル、この頃のポールはトレードマークの後ろ髪をばっさり切ってなんだが違和感あり、2001年のドキュメンタリー映像でモノクロというのはさらに違和感の極みなのです。 街に出てすれ違う人たちに声をかけられたり、サインをねだられたり、車に乗り込んで追っ掛け、パパラッチらから逃げるのに色々思案する姿など珍しい場面もあります。さらにコンサートの告知のためかラジオやテレビに出演する姿も見られます。
愛妻リンダの死後、音楽活動は地味だった数年があり、皮肉ですが9・11がポールにとって転機になった気がします、事実この翌年から全米ツアー、ワールドツアーが始まるのですから。
私個人としては後半がお勧めです、全米で生中継されたコンサートの当日の様子なのですが、オンエアーされた部分はカラーで、ポールの楽屋はモノクロで交互に映し出されていき臨場感100パーセントです、そう、われらがポールは当然オオトリですよ。
ポールの楽屋には娘のステラやバンドのメンバーなどがいるわけですがそこに訪れる面々が凄い、政治家(クリントン元大統領)、俳優(ハリソン・フォード)、ミュージシャン(見てのお楽しみ)ら多数でバックバンドのドラムのボビーは彼らが来るたびに”ポールのバンドで良かったなあ”の表情、必見です。有名人の中にはいちいち名前がテロップで出ない人も多数(カメオ出演?)いますので良く見てください。そしてラストのポールの出番では正面からの映像がカラー、背中を映す映像がモノクロと面白いつくりになっています・・・もう一度コンサートを通しで見てみたくなりました。
アマゾンのサイトで曲目紹介してますが完奏はありません。
Pen (ペン) 2012年 1/15号 [雑誌]
今号は、あらゆる価値を一変させたルネサンスとは何かということでルネサンスを特集しています。ルネサンスとは?11世紀末から13世紀後半まで繰り返された十字軍遠征によって、最も恩恵を受けたベネチア、地中海を経由しての貿易により、経済は活発化し、商人層の政治力も強くなります。また、彼らは、アルテ(ギルド)をつくり、自分達の既得権益を守ろうとしました。そして、繊維業で成功を収めたフィレンツエは、新たに金融業を起こし、ヨーロッパの金融センターとなります。そして、富を蓄えたメディチ家を代表とする商人が芸術家達のパトロンとなり、15世紀のイタリア、フィレンツエを中心に、古代ギリシア、ローマ世界の秩序を規範とした、一大ムーヴメントが興ります。これが、ルネサンスです。
本書は、先ずフィレンツエのウフイツイ美術館、バルジェッロ国立美術館等を紹介しています。そして、ルネサンスの3大巨匠、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエッロを取上げ、その功績を紹介しています。次いで、ジョット・ディ・ボンドーネから、北ルネサンスの芸術家まで、系統立てて、カラー写真で紹介しています。さらに、ヤマザキマリさんのエッセイ(かなり面白い)、ルネサンス期の人たちのファッション、風俗に至るまで紹介しています。
結局ルネサンスは、警備を傭兵任せにしたこと、宗教改革、大航海時代の到来等が原因で、イタリアが経済的優位を失う事により、終焉に向かうわけですが・・
三大巨匠に対する記述が少ない、参考文献、関連文献の紹介がない等の欠点はありますが、とにかくこの1冊があれば、ルネサンスの入門書として、充分すぎるくらい役に立ちますし、何といっても図版、カラー写真が綺麗です。興味のある方は、必読です!!!