楯
愛される理由に続いて読んだ。
前作はスイーツ脳全開で読むのが苦痛だったが、こちらはまあまあ読めた。
本からは女の恨み、イヤ汁が滴っていてますね(笑)
この結婚明らかに失敗じゃないかな。
奉仕されて当然だと考えてる天然の王子様気質とお姫様気質が合うわけがない。
巧みに下手に出てお姫様願望を満足させられる周防正行と、天然のお姫様草刈民代のように上手くバランスが取れているのがベストなのではないか。
読んでいて感じたのが、郷ひろみというスターの凄みだった。
若い頃から第一線であり続け、ストイックに自身を管理し、プライバシーも切売りし、徹底的にわがままで、輝くためにはあらゆるブレーンを引き寄せ、そして利用しつくしたあとには切っていく。
渋谷のゲリラライブではレコード会社の人間が書類送検されたが、笑いながら「彼にとっては勲章モンだよ」といえてしまう。
自分という商品のためなら他人の犠牲は当然であるという感性。
自分もいろいろな有名人の本を読んだりしましたが、こういう性質はあるライン以上の成功者、カリスマの共通点なんですよね。
正力松太郎、孫正義、松田優作など、みんなそう。
自分を犠牲にしても、支えたくなるような強烈な引力がある。
ナイーブな頃の自分だったら、なんて郷はひどい人なんだ!と思っていただろうけど、今はそう考えない。
「さすがだな。だからこそ郷ひろみはスターなんだ」と尊敬と共に心の底から納得しました。
二谷さんはトライの経営者と再婚し、現在は自身が経営者のようですね。
以前の自分なら経営なんて無理だろ、と考えていましたが今は違う。
ここまでの天然のお姫様、支配者気質の人間じゃないと、巨大な組織は運営できない。
いちいち優しさや人情とか感じてたら、やってられない。
きっと辣腕ですごい経営者になってるんだろうなと思いました。
ダディ
以前話題になった芸能本なので古本屋で購入し読んでみました。
読み進めるにつれて、なんだか奥さんをここまで恐れる郷ひろみの
行動にちょっと同情してしまいました。
と同時にこうして私も夫に恐れられているのかしらと。(笑)
やはり夫婦は円満がいいものですな。
愛される理由
文庫で増刷されたので、つい読んじゃった。リーのほうが、郷ひろみより文章はうまいということで母と意見が一致。
しかも、ご本人が、この本を24歳くらいで書いているということを考えると、ううむ、育った環境というものは、おそろしー。
さらに、今あらためて読むと、「別れた理由」にもなっている。ますます「育ち」というもののその人の
人生に与える影響力の大きさにガクゼンとする。けれども、「出会い」も同じくらい人生に影響を与えうるということも
この本を読むとよくわかるのですね。
リーが「流されるように」運命の波に運ばれていった様子が、独特のユーモアを交えて生き生きと書かれている。それは、
「確信を持って流される」という感じだったようで、そうそう、女性はそういう生き方ができるんだよ、
と多くの読者は共感を持って読んだのでは。
慶応女子高で遊びまわっていたときに、「時間とは、一分一秒でも惜しむものだ。流されるのではなく、立ち向かうものだ。」
と戦後の混乱で家業が傾いて、同志社に通いながら仕事をした二谷パパがリーにお説教したのだそうで。
昭和ヒトケタらしい教えっていえば、あたしも、「俺なんか、みかん箱で勉強したんだからなー」と
言われて父に机を買ってもらったことがある。弟と畳の上でプロレスができなくなるから、
いらないって言ったら説教されたんだよ。ちょっと育ちが違うかなあ、これは。あたし早稲田だし。