東京兄妹 [VHS]
”こんな兄妹は存在しないよな。”と思いながら、”でもいたらいいのにな。”と思いつつ見ました。
粟田 麗のデビュー主演作で、最近はお母さん役や学校の先生などの落ち着いた役を主に演じていますが、このときの演技は、可憐で透明感がある演技ができて素敵だと感じました。
少女から大人の女性になりつつある姿を、出すぎずにまたさりげなく自然に演じていたのには感心しました。
恋人が死んで家に戻ってきて、翌朝の朝食を作っている表情は、元の家を出る前の表情に戻っていたけれど、多少大人の女性の表情になっていた方がよかった野ではないかと思いましたが・・・・・。
ただし、市川 準監督の最後の演出(緒形 直人演ずる兄が、一旦帰宅しまた振り返ってしまうシーン)は、何か意図があっての演出だとは思いますが、
考えてみれば、兄の行く(帰る)場所はあの家しかないし、新しい恋人ができている様子もないので、また、妹が帰ってきてから月日もかなり流れているので、なにか心にもやもやがあることも考えられない。
演出としてはいらない物だったんじゃなかったのかなと感じてます。
なんにしても、この映画は粟田 麗抜きでは成立しない映画だと思います。
世界の中心で、愛をさけぶ <完全版> DVD-BOX
最初にこれを観たのは「白夜行」オンエア中、毎朝放送されていた時にたまたまだった。
この他に好きなドラマはいくつかあるが、話よりもキャストに魅力を感じたものも多い。好きな役者さんが出ているから「好き」なのか、ドラマが「好き」だから役者さんが「好き」なのか曖昧なものも多い。
けれどこの作品については、「ドラマが好き」だと断言できる唯一のものである。
山田さん、綾瀬さん共、このドラマで初めて存在を知った。当時、私はテレビドラマから遠ざかっていた。
よく残っていたなぁと感心するような当時のウォークマンを使い二人の声の交換日記が始まる。脚本も素晴らしいが、演技も素晴らしい。みんながそれぞれの役を見事に演じきっている。それゆえ、観ている者もその世界へ引き込まれて、観終えた後もなかなかそこから抜け出られない。この世界から抜け出て、各々の自分の毎日に戻ることの困難さが残る。そして、気合を入れないとこの作品を観ることができない。軽い気持ちで観ることができない。この作品の真剣さが、見る者へも軽薄であることを禁じているような気がする。娯楽ドラマなら、ラフな格好で観られるのだが、つい、正座してテレビの正面からくいいるようにして観てしまう。
・・と堅苦しい言葉で書いてしまったが、簡単に言えば、もう最高!普段ドラマで泣かない私がタオル持参でないと見れない・・100%泣いてしまうのである。どうしてここまで泣いてしまうのかも、正直分からないぐらいだ。こんなに想ってくれている彼氏がいるのにこの世を去らねばならない亜紀が可哀想で、また羨ましい。
亜紀の葬儀で逃げてしまった朔太郎は亜紀からのメッセージを17年後に受け取る。亜紀が第1話で読んだ恩師への詩と「がんばれ」の文字。そのあたりはもう涙が止まらない。
1987年当時の高校生はもっとみんなのスカート丈は長く、全体的に垢抜けてなかった(このドラマの生徒達に昭和の香りがしないのである)などの細かい違和感はあるものの、そんなものはこの作品のほかの部分が全て吹き飛ばしてくれる。敢えて1987年にこだわることなく、観てもいいかとも思う。
90年代にLDを買って「これで永久に観ていられる」と思っていた作品がDVD化されず、どうしようもない状態で置いてあるのがいくつかある(再生の機械もとっくにつぶれている)。DVDにかわるものが登場してもこの作品はまた次のものでも観られるよう是非お願いしたい。
薄化粧 [DVD]
『復讐するは我にあり』、『鬼畜』、『破獄』と並んで、緒方拳の名犯人役が堪能できる一品。
時系列が前後する撮り方とキツイ方言(高知弁?)で、ストーリーが把握し難いという欠点はあるが、主演の緒方+脇役の熱演と画面の美しさでグイグイと引き込まれた。特に松本伊代の役どころが絶品で、あの伊代ちゃんが!(@o@)と見まごうばかりの迫真の演技!刑事役の大村昆と川谷拓三のコンビもいい味出してるし、若き竹中直人、柳沢慎吾の使い方も上手い。後半の藤真利子がややしつこいのと、ラストシーンの演出がいかにもテレビ的で現実味に乏しい所がマイナスだが、総合的にはかなりの名作。にもかかわらず、緒方の他の主演作に比べ、知名度が低いのは、物語に不釣合いで地味なタイトルが災いしているのではなかろうか。
きけ、わだつみの声 [VHS]
戦争というものによって引き裂かれた若者たちの友情が胸にいたいほどつたわってきて、いろんなことにおいて考えさせられる物語だと思います。今、日々世の中の情勢が悪化していく中で特にみてほしい作品です。
天国で君に逢えたら [DVD]
今は亡き飯島夏樹さん原作の愛と優しさとほんの少しの勇気を与えてくれるお話です。余命少ない患者さんにひたすら寄り添い,丁寧にひたむきに話しを聴いてくれる野々上先生を二宮君が穏やかに演じています。海がとってもきれいな病院で限られた時間の中で伝えきれなかった思いを野々上先生がお手紙にしたため一番愛する人に届けてくれます。別れは悲しいけれど終わりじゃないよねって思えるじわっと泣ける作品です。
一つ一つのエピソードが胸に迫ります。ゴリさんがいい味出してます。二宮君の野々上先生に寄り添って話しを聴いてほしくなります。本当に綺麗な海です。