What's This for
1981年発表。同年発表のPILのThe Flowers of Romanceと双璧をなす,太鼓ものポスト・パンクの傑作。暗闇のジャングルの中から響いてくるような,おどろおどろしさがたまりません。
バットマン:キリングジョーク 完全版 (ShoPro books)
昔はアメコミをよく集めていて、このキリングジョークも原書で持っていました。
日本語版がニューカラーバージョンで発売されたと聞き、購入。
原書も引っ張り出してきて見比べながら読みました。
私の感想としてはどちらのバージョンも捨てがたい。前は色が飛び交う派手な彩色で狂気の世界という感じでしたが、
今回はジョーカーが生まれる苦悩がオーソドックスに描かれている印象になってます。
イラストレーターは昔の彩色が嫌いと言うことなので今回のほうがいいということなのでしょうが、おとなしくなりすぎた感じです。
ただ、肝心のラストは絶対今回のほうがいいので、トータルでニューバージョンは作品をよみがえらせる良い試みだったと思います。
併録されている「罪なき市民」をカラー化したのは蛇足だと思いました。
もともとバットマン:ブラック&ホワイトという白黒が前提で制作されているコミックに収録されている作品で、強烈なコントラストが良かったのに、その良さが完全に失われてしまっています。
キリングジョークは短い話ながら、ジョーカーやバーバラに関する重要な歴史が語られているので、今後バットマンシリーズを理解する上でも必読の書だと思います。
Killing Joke
1980年リリース。P.I.LやPop Group、Gang of Four等と共に所謂ポスト・パンクを代表する偉大な彼らの記念すべきデビュー作にして、【1】【2】【5】を筆頭にディストーションのかかった騒音紛いのシンセやエッジの効きまくったギター、Suicide以上に凶暴でファンキーで強靭なビートなど後続の(MinistryやNine Inch Nails、Marilyn Manson等のインダストリアル系のミュージシャン達はもちろん、MetallicaやRage Against the Machineなどにも甚大な影響を与えた金字塔的傑作。Led ZeppelinやMot'rhead、そしてSex Pistolsなどと同様に、心技体が三位一体となって爆発/炎上することで生まれるあのスリルを剥き出しにした本作こそロック史に燦然と輝くマスターピース。アートワークだけでもインパクト大でしょ?
Batman: Killing Joke
初出は、1988年。旧装版は左下のプリントロゴのデザインが違っていたりします。
翻訳版もあるのですが、かなり値上がりしているので、こちらの英語新装版はお得。
とても重たい話ですが、80年代の作品にしては絵も綺麗で、比較的すっきりと読みやすいです。
バットマンの宿敵・ジョーカーの出自については諸説ありますが、この本ではバットマンのせいでジョーカーが生まれてしまった設定となっています。
バットマンの歴史においてこの本の占める位置としては、ゴードン本部長の義娘バーバラ・ゴードンこと「バットガール」が、何故車椅子の「オラクル」にならなければいけなくなったか、その原因となる事件が起こるキーポイント作品。
ジョーカーの悲哀も丁寧に描かれていますが、バットガールを好きな方にとっては、ジョーカーに腹の底から怒りを覚えずにはいられない本です。
アメリカの銃社会と性犯罪に対して、巨匠アラン・ムーアが大いなる波紋を投げかける名作。
Mmxii
ポストパンク・インダストリアルの先駆者の2012年の最新作。
前作「宣戦布告」より短いスパンでのリリースとなったが、
今作は往年の攻撃なグルーヴ路線より、
「ナイトタイム」〜「憤怒」あたりのニューウェーブ色が強く出ている。
前作も後半につれ、ニューウェーブ色が強くなっていったが、
今作はアルバム一枚ごと一色にそまっている。
あのドラムが引っ込んで、ギターの轟音が支配するジョーク特有のサウンドも、今作ではギターの音量は控えめで一昔前のサウンドに戻った様に感じた。
二枚目のセルフタイトルや、「ホザンナフロムヘル」あたりの暴力的な感じが好きな自分には少し物足りない感じもしたが、楽曲のバラエティーは多彩なので飽きる事無く聴き通せます。
ちなみに歌詞カードに、Youtube等の動画サイトのURLが記載されており、
アクセスすると歌詞の元になった事件などの動画が見られます。
コールマンの反米、反グローバリズムはまだまだ揺らいでいません。
なので歌詞の意味を深く理解するうえでも対訳付きの国内盤が発売されない事が残念です。