ディートリッヒ自伝
かの大女優マレーネ・ディートリッヒの自伝です。
ディートリッヒは、この本の前にも自伝を書いているようです。で、多くの人が彼女の伝記を書いたそうですが、そこに嘘やでたらめが多く書かれていて我慢できなくなり、伝説の女優と言われている自分が本当のところを自ら書き表そう、という目的で、この2冊目の自伝を書いたそうです。
第1次大戦前後の幼少時代から書き始めています。文章も、そこに出てくる当時の少女マレーネも、とても想像力豊かで文学的感性を備えた頭のいい魅力ある女性です。
ヨーロッパ女性の気概、というものがあると思うのですが、彼女のお母さんも彼女を厳しくしつけています。避けられないことは、毅然として耐えろ!というのが、その行動規範なのです!だから、背筋が一本ビシッと通っています。勤勉で努力を惜しまない大人の女性です。
そして、スタンバーグから始まって、数々の天才、すばらしい人物たちたちに出会います。スタンバーグの映画作家としての天才ぶりはすばらしいです。彼女がただの女優でなく、映画作りの技術的なことやすばらしい映像の価値を理解する人だったからこそ、その文章でどんなにスタンバーグが才能にあふれていたか、を伝えてくれています。
ジャン・ギャバン、レマルク、ヘミングウェイ、ノエル・カワード、ナットキング・コール・・・ほかにもたくさん、彼女はあらゆる人の才能をどんなに素晴らしいか理解する感性の豊かさを備えていたので、たくさんの人との交流があります。尊敬、憧れ・・・そして恋もあったでしょう。しかし、夫との友情もずーっと続いていたようです。
ヒットラーとナチズムに反抗し、アメリカ市民となり、ドイツ人ながら、アメリカ兵となり、慰問をしにヨーロッパ最前線へ向かいます。じっとしているなんて、我慢できなかったようです。
彼女は、戦前は、ドイツの若い女性の多くがそうであったように政治に関心を持たず、ナチスがどのようなことを行っていたかも知らなかったらしいです。また、戦争に行ったアメリカ兵と、アメリカ本国で戦争と関係なく暮らしていたアメリカ人たちとのギャップ・・・負傷兵や手や足を亡くした兵士がアメリカに帰国しても仕事はなく、アメリカではお金がない人は、ゴミ同然、だそうです!そのようなひどい思いがあった、ということなど、戦争前後のドイツとアメリカで生きた稀有な人物であるがゆえに、伝えてくれています。
また、後年は歌手となり、バカラックの才能に支えられて、世界中をツアーしたのです。
彼女の稀なる感性、そしてヨーロッパ女性としての毅然たる精神、また、お母さんにしつけられた、努力・勤勉の、働き者の出し惜しみしない頑張り屋さんなところ、そして、彼女の生きた時代、戦前の、優雅さ、エレガントをもって美とする、美的価値観・・・それらが、今の電子のスピードの時代には失われている、神秘的人間的美、とはどんなものであるか、を考え感じさせてくれる自伝であると思います。
TVアニメーション「セイクリッドセブン」オリジナルサウンドトラック
アニメ『セイクリッドセブン』のサウンドトラックです。
全38トラックで内訳はBGMが34曲。
OPとEDのTVサイズが1曲ずつに、藍羽ルリ役の中島愛さんが歌うアニメ8話挿入歌『恋』と最終回のEDの『つながるまで』の計4曲で合計38トラックです。
曲の構成は前半は主に日常パート曲で、後半は戦闘シーンで使われた曲が多くなっています。
私がこのサントラを買った一番の理由。それは戦闘シーンで使われた曲が気に入ったからです。
23曲目の『悪石出現』から24曲目の『エンゲージメントスーツ戦』の流れは素晴らしいと思いますね。
また34曲目の『迫りくる恐怖』から35曲目の『最終決戦』の流れも良いですね。
音楽担当は数々の特撮作品やアニメ作品を担当している佐橋俊彦氏。
個人的に25曲目の『アイキャッチ2』が特に佐橋さんらしさが出ているかなと思います。
また、歌も良いです。
OP&EDもですが、このサントラに収録された中島さんが歌う2曲がまた良いんです。
アニメ8話(鎌倉デート回)で使われた『恋』はアニメでも印象的でしたが、サントラで曲単体で聴くと更に感慨深い。
良いバラードです。
最終話のEDとして使われた『つながるまで』は作詞、作曲が宮川弾さんが手掛けています。
他の宮川さんが作った曲もいくつか聴いてますが・・・宮川さんらしさが前面に。
中島さんの歌も素晴らしいですね。
アニメ観て良いと思った人も、佐橋氏の曲好きの人も、中島さんのファンの人にも・・・幅広い人に勧められるサントラです。
PAPUWA 第5巻 [DVD]
はげしく楽しい第2のパプワ島の年中行事が、目白押しです。
「雛キング杯」では、コタローくんとアラシヤマさんが、雛キングを目指して奮闘します。雛飾りが、すばらしいです。
「男潮ビーチバレーボール大会」で、近藤さんがビーチバレー以外の頑張りによって、白い砂浜を赤く染めます。
「男児(オットコ)祭り」の時に、リキッドさんが赤いひし形の布をまとった、熊が馬の人物の格好をしていた気がします。この「男児祭り」は、DVD第6巻に続きます。
全話において、ウマ子ちゃんをはじめ心戦組の方々、ハーレム隊長ご一行、ナマモノさん達の行事に合わせた装束を楽しむことができます。
ウマ子ちゃんのあの衣装は、マリリン・・・・・。
あの日の僕をさがして [DVD]
安曇野の美しい風景の中で撮影された恋愛ドラマです。当時美人であり演技派女優でも有名だった仙道敦子さんが主役です。最後は大鶴さんと結婚する役だったのですが、途中で織田さんとの狭間で揺れ動く役を演じています。押しも押されもしない秀作の一つです。
私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)
痛快でした。
タイトルで紹介される10項目の人々だけでも十分笑えましたが、
読んでみると、私自身が抱えていた嫌いな人々に対するモヤモヤしたわだかまりのようなものがスラスラと言葉で表現されていて痛快でした。
だからと言って、ここに書かれていることを対象者にそのまま伝えるわけにはいきませんが、それでも幾分か溜飲の下がった思いです。