ジャズコンボコピーシリーズ2 トミーフラナガン (ジャズ・コンボ・コピー・シリーズ―LULLABY OF CATS…)
本書はジャズ・ピアニスト、トミー・フラナガンの3枚の名盤から採譜されたものが楽譜となって収録されている。採譜者・河本芳子さんの音感のすばらしさに感動。CDを聴きながら、譜面を目で追うという楽しみ方も。欲を言えば、これら6曲の中にはフラナガンのオリジナル曲が含まれておらず、せめて1曲でも入っていればよかった。その点は悔やまれる。しかし、スタンダード曲が中心となっているので、ジャズ初学者でも十分に活用できる一冊となるだろう。
なお採譜の元となったCDは『コンプリート・オーバーシーズ』『レディ・ビィ・グッド~エラに捧ぐ』『スーパー・セッション』。今も入手可能なフラナガンの代表的アルバムである。
ジャズ・ピアノを勉強したい方は、絶版になる前にぜひ購入すべしデス。また、ベース・ライン、ドラムもきっちり採譜されているので、ピアノ・トリオでの演奏を勉強中の方にもお勧め。
Overseas
別にハゲという意味でなく名脇役ということ。T・フラナガンは無数のセッション、エラの歌伴を勤めたベテラン・ピアニストだが意外に業界の評価は低く「便利屋」的存在に甘んじていた。温厚な人柄。これが初リーダー・アルバムでデンマークだか外国録音。ベースがウィルバー・リトル。ドラムがコルトレーンと組む前のエルビン・ジョーンズ。このメンバーはトロンボーンの名手=JJ・ジョンソン・クインテットのリズム・セクション。テナー・フルートはベルギー人のボビー・ジャスパー(心臓病で若死に、歌手のB・ディアリーの旦那)コロンビアに「ダイアル・JJ5」という名盤がある。さてトミーはあまり自己主張するタイプではなく地味だが軽いタッチで素晴らしいメロディをさりげなく弾く。白人ならアル・ヘイグみたいな名手。たった数コーラスをキラリと光るメロディを弾くのは難しい。歌伴もうまい。この作品は初のリーダー・アルバムでいつもになく張り切っている。ジョーンズのポリリズムのドラミングも絶妙。エルビンは「顔」からワイルドなドラムと思われるが実際見て聞くと軽い柔らかいドラミングである。何というかサスのよい車に乗ったようなドラム。トミーのリーダー・アルバムは少ないから貴重だ。1967年ジャズ喫茶のリクエストが多かった。懐かしい。エルビンは何度も来日(1度麻薬で逮捕)銭湯が大好き。奥さんが日本人?ジョージ川口(元少年航空兵。墜落して顎に大怪我、傷跡ある。ほら吹きで有名)がドラム貸したら壊されたと怒っていた。エルビン銭湯に入浴、逃げた客いたとか。ははは。お終い。
ザ・トミー・フラナガン・トリオ
ワタシ、この盤をリアルタイムで聴いてマスタートリオ結成のニュースを聞いてワクワクしながら待っていただけに少し落胆した覚えが有ります。ワタシもジャズの聴き手として子供だったと反省… トニー・ウィリアムスのバスドラが40センチウーハーをどんだけ派手に揺らしてガツンと来るかしか期待してなかった、まあー今でも多少はそういうとこ有るかもね(笑)改めて聴いて何てトミー・フラナガンって凄い上手い… いやぁ当時はハービー・ハンコックやろうがハンク・ジョーンズだろうがマッコイ・タイナーであろうが誰でも良かったんですよね、きっと(笑)トニーの抑制の効いたドラムも最近になって好きになりました。まあーどう転んでも上手い人だしね、収録曲見て思わずニヤッとしました、全十四曲の中でトニーの曲「シスターシェリル」が一番長いんだな、何だ、こっそり主張してたんですね。飛び抜けて名演!って曲はないけれど一枚聴き通して、フラナガン翁のピアノの硬質なタッチとキレの良さが印象的に録音されてて、聴き疲れしないし、何故か毎日聴いてますが全く飽きません、ワタシ的には名盤「エクリプス」よかフラナガン翁の美点を多く引き出してる気もします。(とほほの助)
ストレンジャー・コール [DVD]
「ショッキングホラー」ですか?
不信電話に怯える様子を、延々と観せられた。
何処を楽しんだらよかったのか、全く判らない。
単調な筋書きに疲れました。
もっと「人を惹き付ける何か」が欲しかった。
いまいちの作品。
ザ・コンプリート・オーヴァーシーズ+3 ‾50ス・アニバーサリー・エディション‾
トミー・フラナガン (Tommy Flanagan 1930年3月16日〜2001年11月16日) は、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。リーダー作も魅力があるが、特にサイドに付いたアルバムに優れた演奏がある。例えばロリンズのサキコロ、コルトレーンのジャイアント・ステップ、ベニー・ゴルソンのブルースエット、ウェスのインクレディブル、ケニー・バレルのイントロなど。演奏は極めて自己顕示の少ない緻密で確かな技術が定評である。また共演者と対立しない温厚な性格も温かな音となり大きな特徴といえる。アルバムは1957年の録音でジャズ・ピアノ・トリオ史にも残る不朽の名盤とされる。共演者はベースがウィルバー・リトル、ドラムがエルヴィン・ジョーンズ、煽るリズムに乗せられ少し饒舌になったフラナガンが聴き所。この点が今でも賛否両論となるところで、これからも永遠に語り継がれていくことだろう、名盤には名盤たる所以がある。
(青木高見)