世界の終わりという名の雑貨店 [DVD]
多数のCMでも活躍しているファッションモデル・女優の高橋マリ子の初主演作。
モデルでもある高橋マリ子さんを中心に据えた美しい映像とその風景音
(雑踏の音、雨の音、電車の音、など)で構成されているすごく静かな作品。
セリフもBGMも少なめ。
ストーリーは「世界の終わり」という名の雑貨店を中心にした少女
(高橋マリ子)とライター(西島秀俊)のラブストーリー。何となく世の中
から浮いた感じのライターと、学校や自宅にも居場所のない少女が雑貨店で
出会い、お互いの共通点を感じていく。
ストーリーより、映像に関心がある人向けの作品だと思いましたが、
高橋マリ子さんのファッションは一見の価値ありです。
アマリリス名曲大全集
アマリリス、いや、アリスセイラーを取巻くキーワードは枚挙に暇ない。
EP-4、のいづんずり、ボアダムズ、安田謙一、保山宗明玉、嶽本のばら…関西のアンダーグラウンドシーンを少しでも紐解けば、必ずと言っていいほど彼女の名前に引っ掛かるであろう。が、裸のラリーズやかつてのEP-4同様(近年CD化されているので、聴くべし)、情報ばかりが先行して肝心の音楽性が見えてこない側面もあった。
本作は、キャプテンレコードから'89年にリリースされた「アマリリス名曲大全」をベースに再編集し、さらにアリスセイラーとEP-4の佐藤薫監修によるリマスタリング、「黒人と私」別ヴァージョン、「いなかの朝」の未発表音源を加えたものである。
オケ自体は、EP-4の薫陶を受けたアブストラクトなノイズ混じりのファンクや、ボアダムズに代表される90年代スカムシーンに継承されるヘタウマなパンク、そして即興演奏で溢れ返っているけど、ヴォーカルであるアリスセイラーは全くと言っていいほどエキセントリックな要素がない。
多重に声色を分けるわけでもなく、絶叫するわけでもなく、呪詛的でもない。さも童謡を歌うかの如く牧歌的(時にエロティックでもある)に振る舞っている。情報だけを基に聴いた者は、思いっきり拍子抜けするだろう。そして気付くだろう。山塚アイや戸川純と引き合いに出されるが、全く土俵が違っている事に。
むしろ、この「エキセントリックでない」こと「牧歌的な歌声」が彼女の強みなのである。
アリスセイラーは現在もソロでの弾き語りや、ULTRA BIDEのHIDEとのユニット(一時期COALTAR OF THE DEEPERSのwatchmanも参加していた)である「アリスセイラー&ダメージディストーション」で関西をメインに活動している。私も何度かそのライヴを見ているから、初めてこの音源を聴いたのだが…今も変わらない声なのである。音楽がいくら変容しようとも大元になっているアリスセイラーの「声」はエキセントリックに陥ることもなく、経験ゆえのあざとい装飾も衰えさえもなく、まるで昔から童謡を歌っているかのようにその「声」は我々の耳に入っていく。
ふと思ったのが、ブレがないというのはこういうことをいうんだな、と…。そもそもの感覚が「ズレている」政治家が「ブレない」と言っていたのとはわけが違うんだ、と。
音源に関してはもちろん申し分ないが(「お父さん」「母」「いなかの朝」にはみな驚愕すべし)、再結成後のギャルバン時代の音源も聴きたかったなぁ…。
これを契機に、山本精一氏とのユニット「ノアノア」や、アリスセイラー&ダメージディストーションの音源化も望む次第です。
ミシン
「世界の終わりという名の雑貨店」の、最後の独白がとても切なかったです。そして、普通の人たちには理解しがたいような、とても純粋な愛情も、伝わってきます。
主要でない「その他」の中の、醜い人間について。主要人物がとても純粋なため、憎まずにはいられないのですが、実際居る人間のなかには、こんな人たちが多く溢れています。それを思い知らされた気がしました。
下妻物語 スタンダード・エディション [DVD]
文句無く楽しめました。
映画館で予告を観たときには、正直「くだらない映画だろうな〜」と思ってそれっきりになってました。いやいや観てびっくり。映画館で観るべきだったとかなり後悔。
いやー、中島監督。失礼しました。理窟ぬきで楽しめる娯楽映画でありながらちょっぴり切なくもある青春映画。
土屋アンナの演技、良いです。そして、深キョンはこれ以上無いハマリ役。ついつい、昨年公開前後の盛り上がりの様子を知りたくなって、公式ホームページまで訪問してしまいました。
菅野よう子の音楽もいいし、トミヘブのテーマソングも良い。何回も観たくなる映画ですね。