スタティック・インパルス
孤高のプログレッシブ・メタル・バンド、ドリーム・シアターのボーカリスト、ジェイムス・ラブリエによるソロ名義アルバムの第2弾。
前作よりもヘヴィさを大幅に増した楽曲群からは、ジェイムスのコメントにもある通り、『コロニー』以降のイン・フレイムスや『ナチュラル・ボーン・ケイオス』以降のソイルワークの影響が感じられる。
ちょうど半数の楽曲で、超絶技巧派ドラマー、ピーター・ウィルドアーのスクリームやグロウル(ダーケインでこれだけ叫んでいたっけ?)がフィーチャーされている。その印象が強烈なために、アルバム全編を通してジェイムスの艶やかな歌声とのコントラストとなっており、歌メロがさらに際立って聞こえる。リフ・ワークも全般的に上記バンドのような雰囲気が強く、前作以上にコンパクトにまとまった楽曲群は、プログレッシブと言うよりもラウドなメタル、またはメロ・デス(懐かしい響き)路線と言えなくもない。
全曲、マルマズラーからのパートナー、マット・ギロリー(key)との共作で、1曲のみ前作より参加のマルコ・スフォリ(G)もクレジットされている。実はこのマルコ・スフォリ、インストのソロ・アルバムも出しているプログレ・メタル系の凄腕ギタリスト。YouTubeでもたくさん映像が転がっているが、本作でもシュレッド・ギターだけでなく、楽曲に合わせた幅広いギター・ソロで前作以上に弾きまくっている。ピーター・ウィルドアーの展開の多いリズム・ワークと手数の多いドラミングも聴き所。
まさに適材適所で、ソロ・プロジェクトなのにメンバーの個性が溢れるバンド・サウンドを聴かせてくれる。
ロードランナー移籍後のDTや、その他、ジェイムス・ラブリエの課外活動の中でも、個人的にはずば抜けて好きな音。ぜひ、このメンバーでバンド活動を続けていってほしいぐらいだ。
ボーナス・トラックは2曲。マット・ギロリーのVoが乗った収録曲のデモ(これも悪くはないよ。)と本編最後を締めくくるバラードのバージョン違い。まぁ、本編の流れが良いので輸入盤でもいいかも。
バンドの頭脳でもあったマイク・ポートノイ、まさかのDT脱退後だけに、ピーター・ウィルドアーがDTにドラマーで加入ってことは…流石にないか!?