kiss~dramatic love story~
そのとききいていた音楽で鮮やかに過去の記憶がよみがえります。若かったあのころ、それなりにいろいろ経験したことが今は懐かしくおもえます。音楽はいいですね。
FOOT PRINTS
テレビ朝日「ニュースステーション」のオープニングテーマ「Good Evening」が注目を集めていた'89年4月にリリースされたベスト盤であり、東芝EMI移籍以降のオリジナルアルバムの各1曲目で構成されている。 一見浅はかな発想にも思えたが、何枚かのオリジナルアルバムを聴いて見ると確かにアルバムの「顔」的曲がそろっているので、こういう発想も充分ありだなあとうなずける選曲である。
キング“ELECTRIC BIRD”レーベルから移籍したのが'82年だったが、今思えばこの頃がジャズ・フュージョンという音楽の転換期だった。 渡辺貞夫(ナベサダ)がワーナーへ、増尾好秋も当時のポリスターへそれぞれ移籍したり、何より“ELECTRIC BIRD”レーベルが衰退しかけていた。(ちなみに、ハービー・ハンコックがアナログレコードのスクラッチを導入したダンスミュージック「Rock It」を発表したのは翌'83年だった)
そんな時期にリリースされた『Shangri-La』(ここでは「RAKUEN」が収録)からオリエンタル的表情が現われ、結果東芝在籍期のひとつの顔となった。
「町の汽船」は自己のグループ“バーニングウェイブ”としての『September』収録作品としては異色作で、後藤次利(b)を迎えて2人+シンセオペレーターだけで作った“打ち込み”だったが、'80年代中期以降シーケンサーサウンドが時代の顔となってゆく。
なお4ビートとデジタルサウンドが混在する『Modern』には意外にも古澤良治郎(ds)後藤次利(b)和田アキラ(el-g)が参加していた。
'85年の『Saxophone Music』は青山純(ds)と弦楽カルテット以外はサックスの多重録音とキーボード&打ち込みで構成され、この中から「RAPSODIE DE LA RUSSIE」がドラマ「ニューヨーク恋物語」に使用された。
この時期のブレイク作品のひとつが'87年の伊丹十三監督による映画『マルサの女』のテーマだろう。 ストリングスをフューチャーした5拍子のメロディーは今聴いても衝撃的だ。
西尾美潮(作詞、vo)東原力哉(ds,ex浪速エクスプレス)是方博之(g)鳴瀬喜博(b)を迎えた“ラジオクラブ”名義ではデジタル時代でのバンドサウンドを模索していたのかもしれない。 インドネシア語を取り入れた「TIDAK BISA」「BAGUS」はメジャーな存在ではないが、アジアへの扉を開いた作品として忘れてはいけないだろう。
(また「BAGUS」にはさりげなく原発への警鐘も……今思うと彼女は先見の明があったなあ)
そんな中で原点へのジャズ回帰としてチック・コリアを迎えた『Dream』や故本田竹廣や故日野元彦を迎えた『Toshiyuki Honda featuring The Super Quartet』を録音して、変化の激しかった'80年代を踏ん張り抜いた感がある。
東芝EMI(改めEMIミュージック)の懐が悪化したせいもあり、これら全てが現在廃盤になってしまったのが惜しい。
(敬称略)
ラストラブ プレミアム・エディション [DVD]
藤田明二監督もおっしゃってるように、ホテルの部屋のドアが簡単に開くなど、重箱の隅をつつくようなアラ探しの目で見ると、いろいろ出てくるのかもしれませんが、それよりも、一人の男の生き様、映画の中の静かな心の変化が素直に私には伝わってきましたし、自然に受け止めることでがきて幸せでした。本当に、この映画の包み込まれるような大きな優しさが好きです。とくに、明パパと佐和ちゃんの最後の朝には毎回泣かされましたし、大好きなサックス&ジャズが田村さんに似合っていて嬉しかったです。
美しい人 DVD-BOX(4枚組)
待ちに待ったDVDリリース! ビデオレンタルして何度見たのか分かりません。音楽もさることながら常盤貴子や田村正和の演技は素晴らしいです。もちろん大沢たかおをはじめ、脇役?!の演技もよかったです。とくに田村さんの悲しそうな顔は今までにない彼の真骨頂!絶対買うべし!
輝け!木曜ドラマ王 90’s
この手のオムニバスの良い所は、既に歌手活動を引退してしまった人の作品が、ひょっこり復活したりするところである。今回は、ビリー・ヒューズ(Billie Hughes)の「とどかぬ想い(Welcome To The Edge)」がそれに当たる。アメリカでもTVテーマを作曲し、歌っていた彼だが、向こうではドラマ主題歌の地位が低いため、ソロCDは日本で出たあの1作しかない(バンド時代は2作あるが)。既にシングルもアルバムも廃盤。1作だけあるコンピはCCCDになってしまったので、通常CDでの初復活は密かに嬉しい。
悲しみは雪のように/浜田省吾、PRIDE/今井美樹、There will be love there/the brilliant green 等が収録されているから、内容は悪くない。ただ、決定的に目玉となる曲がないのが問題かなぁ。もっとも木曜はバラエティ優勢で、ヒットドラマは元々少ない。あっても、刑事モノや病院モノが多く、主題歌が売れない曜日なのだ。
Sonyが音頭を取ったのに欠けているなぁ、と思ったのが、「P.S. 元気です、俊平」の主題歌 Hysteric Blueの「なぜ…」 だが、メンバーがその後、重大事件を起こしたからだろうなぁ。