阿修羅ガール (新潮文庫)
いわゆる現代文学初挑戦だったので、怖々としながら読み始めたんですが、作者の疾走感溢れる文章によって、操られるかの様に物語世界へ引き込まれました。
冒頭から疾走感は持続し、尻つぼみにならずに最後まで面白さは上昇し続け、一気に読み終えました。素晴らしかったです。
また、殆どが主人公である女子高生の語り口調で展開され、第一部ではその生活がリアルに描かれるので、突飛な展開でも面白く読めたのだと思います。舞城王太郎は凄い。
好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)
石原慎太郎の読めなさには愕然。
若い人の感性がわからないんだったら選考委員やめればいいし、それは石原だけでなく、宮本輝や高樹のぶ子にもいえる。新しい文学をそんなに否定したいの? 中原昌也にしてもそうだが。
『世界の中心で、愛をさけぶ』のアンチテーゼであるこの作品は、恋人が死ぬという現実を、ただ「悲しい」だけで片付けない。
なぜ、自分は恋人に死んでほしくないのか、どうして悲しいのか。
それを問うて、かつ小説について問うた作品。
合間あいまに挿まれる短編も素晴らしい。
泣けはしない。
しかし、感銘をうけた。そして感動した。
紛れもない「新しい文学」です。
芥川賞は選考委員を全員変えてください。山田詠美と池澤夏樹以外は。