
New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
Erykahの全トラックを持っているが、今回の#5のGone Baby,Don't Be Longの気持ち良さは個人的に5本指に入る。ネオソウルの女王といわれて久しいが、Alicia Keysのようにだんだんポップアルバムになっていくこともないし、Mary Jより寡作で1枚ごとのクオリティが高い。

サイダーハウス・ルール DTS特別版 [DVD]
まず、メインテーマであるレイチェル・ポートマンによる曲を先に
知りました。映画の冒頭から流れますが、この曲はとても印象に
残ります。派手さはないのですが紡がれるメロディーが耳に
心地良く、物語と上手く融合した音楽だと言えます。
扱っているテーマやエピソードは、軽いものではありません。
なのに映画全体の雰囲気が爽やかなのは、時には愚かなことを
してしまう人間でも、ハルストレム監督は優しさに満ちた
目線で描いているからです。
それまで暮らしていた施設を飛び出し、ホーマーは外の
世界を知ります。目に映る鮮やかな景色、何もかも新鮮な
仕事、そして初めての恋。
時に喜びを感じ、時に切ない思いをしながらも彼は
たくさんのことを体験します。そんな折に届いた、一報。
自分はどう生きていくのか、自分の生きる道とは何なのか、
見る度にホーマー同様、私も考えています。
いくつもの出逢いを通して彼が導き出した答えは、外の
世界を知ったからこそ決断できたものではないでしょうか。
清清しさに溢れたラストは、何度見ても心に響きます。
人生につまずいた時、浮き上がるためのきっかけを
くれる作品です。

Baduizm
ネオソウルを代表する女性シンガー、エリカ・バドゥのファーストアルバム。
彼女の声は果実を思わせる爽やかな甘さがあり、非常に聴きやすく魅力的。
いきなりどぎついファンク・ソウルはちょっと・・・という方にも安心して
薦めることができます。
どの曲も静かで、伸びやかなリズム。心から余計な物が出てゆき、ただ
音の中に溶けてゆくような感覚を味わえます。
乾いた土臭さを感じる渋好みな演奏が、一層ボーカルの甘みを引き立てます。
重厚なベースラインはレゲエ・ダブにも通じる快感をもたらしてくれます。
時代を経るにつれて、テクノロジーの進歩と引き換えに多くの音楽は
音自体の持つ独特の空気、情景を呼び起こす力を失ってしまったと思います。
そういった意味において、90年代後半に発表されたこの作品は非常に稀有な存在でしょう。
後の2作品も勿論素晴らしいのですが、やはりこの作品には一歩及ばないと感じます。
どこかで少し「こういう風に作ろう」という意図を感じてしまうのです。
このアルバムは全くそれがありません。まるで自然の営みの中で生まれた有機物の様です。

Mama's Gun
2000年、Erykah Baduの2ndアルバムです。
1st「Baduizm」(1997)では、R&Bベースに、Jazz, Hip-Hopの要素を取り入れた魅力的な楽曲で、
Deepで濃厚、ソウルフルでスピリチュアルな歌唱を、たっぷりと聴かせてくれました。
ただ、楽曲のカラーが単一色のような印象もあります。(その分、浸れるというGood!な面も)
今回2ndでは、1stで魅せたNew Classic Soulをベースにしつつ、
曲ごとに、もうちょっと多彩な音楽的フレーバーを付け加えたような感じです。
ソウル色が強くて濃厚な(1)、ピアノ & ストリングスをバックに歌う(3)、1st収録曲"On & On"の続編(4)、
Jazz Vo風な(5)(10)(14)、アフリカ民俗音楽っぽいオーガニックな(8)、アコギをバックにナチュラルな雰囲気の(9)、
Stephen Marley (Bob Marleyの息子)とデュエットした素朴な雰囲気のラヴソング(11)
。。。などなど、聴きどころ満載です。
各楽曲のカラーが多様になっていますが、Erykahの歌唱がすべて包み込んだかのように、統一感があるアルバムです。
聴いていると、「とろとろ、まったり〜♪」な感じになるのですが、
「ス、スゴイ。。。」と目を覚ますような、素晴らしい声・歌唱が、随所に出てくるのも、大きな魅力です。
日本では、1stで徐々に人気をあげ、この2ndで一気に人気をあげたと思います。
「Erykah Baduファン」には、マストCD。
もちろん、「New Classic Soulファン」に、オススメです。
(参考)
日本盤は、ボーナストラック「Bag Lady (Cheeba Sac Mix)」収録。

ブロック・パーティー [DVD]
久しぶりに画面に釘付けになってしまった。
黒人文学を端的にあらわすHIP−HOP。
ついつい演者達のパフォーマンスに見惚れてしまう。
ブルックリンのどこかで行われたブロック・パーティーを追ったドキュメント。
この中には社会に対する憤りや不満なんかを吹き飛ばす力がある。
人生は金だけでいいのだろうか?
自由を手に入れるんだ。