ブゾーニ: ピアノのためのトランスクリプションとパラフレーズ集
ベーゼンドルファーインペリアル使用、ということは
つまり例のシャコンヌのラストがオクターブ上がらないわけですね。
それだけでなく、Fantasia Contrapuntisticaへと発展する元となった大フーガや、
リストのメフィストワルツのブゾーニ版、
同じくリストのオルガン曲、アド・ノス・アド・サルタレム・ウンダムのピアノ編曲版、
ショパンによるバリエーションやカルメンファンタジー(ソナチネ6番)など、
編曲家としてのブゾーニの偉業を十二分に伝える内容です。
演奏もしっかりとした堅実な演奏で、
シャコンヌだけしかしらないけど安いからまあいいか……と買って、
他の曲も好きになれる、とても良心的なボックスです。
バッハ・トランスクライブド
食事中にFMで流れたシャコンヌに思わず耳をそばだててしまいました。普段はニュースが終わるとラジオを止めるのですが、演奏者が誰か知りたくて最後まで聞いてしまったのです。
ピアノでこれほど清らかなシャコンヌを聞いたことがありません。
技巧を誇示せず、無駄な脚色も無いのですが明確な力強い音色が演奏者の力量を表していました。この1曲だけでも充分に価値あるアルバムと思います。
YP18 バッハ インヴェンションとシンフォニア ブゾーニ版
スタンダードでは無いかもしれません。
しかし、現代のピアノには向いているのでは無いでしょうか。
チェンバロで弾くならば寂し過ぎるであろう
控えめのトリルは、ピアノにはとても美しい。
全体に曖昧さのない決然とした解釈が好感持てます。
個別には、有名な2声1番が完璧の印象。
2声10番のオールスタッカートが意外だがとても良い。
バッハ:主よ、人の望みの喜びよ(ピアノ曲集)
本作での「主よ人の望みの喜びよ」はワイセンベルクの達者なテクニックに裏打ちされた、情感が前面に出た演奏です。ほんの4分足らずの曲ですが、聴く度に激しい感情が浄化されたようなカタルシスをいつも感じることができます。
一番最初にぼろいラジカセで聴いたのですが、曲が盛り上がるにつれてワイセンベルクのタッチが激しくなり、最高潮のところで音がバリバリ割れました。その後、潮が引くようにやさしいタッチになり、静かに曲が終わります。
個人的なことですが、最初にあのぼろいラジカセで聴いてよかったと思ってます。
もちろん良い環境で聴いたほうがいいと思いますが。
この演奏でわたしのような癒され方をする方もいるのではないでしょうか。値段的にもお手ごろ、ということでおすすめしたいです。
どこかで聴いたクラシック ピアノ・ベスト101
色々なオムニバスを聴いてみて、これが一番良いように思ったので購入しました。
とにかくCDのケースがとても使いやすいのが嬉しいです(ケースが気に入って他のベストも購入)。
曲ごとの音量の落差も少ないですし、音質はどれもきれいです。知っているピアニストの名前が多いのも嬉しいです。
初めは「抜粋」という言葉が気になっていましたが、協奏曲などで他の楽器がメインの部分をカットしてあるようで、ピアノの音だけ聴いていたいときが多いので嬉しい配慮でした。
1曲1曲丁寧な解説の分厚い解説書も興味深いです。
私は今までショパンとモーツァルトにしか興味がなかったのですが、このCDを買ってから、色々な作曲家や演奏家が気になり始め、楽譜を買ったり、映画を見たりして楽しんでいます。
音楽の趣味が広がったと思います。