小津安二郎の映画「東京物語」で原節子が話す日本語のあまりの美しさに息をのんだ憶えがある。今のようにのべつまくなしに外来語が取り込まれた日本語とは大きく異なり、豊かな大和言葉がちりばめられた故郷(くに)の言葉。地に足をつけて生きる人々の心根を表すには、上っ面だけをなぞっただけの言葉では用を満たさないということがよく分かる。そして映画を見終わった後に、あの日本語はどこへ行ってしまったのだろうと実に心淋しい気持ちになったものだ。 北村薫の文体はまさにこの「どこかへ行ってしまった日本語」を想い起こさせるものだと私は常々思っている。今回の作品は「どこかへ行ってしまった日本」を舞台に選ぶことで、その「どこかへ行ってしまった日本語」の魅力を最大限に発揮できている。あの時代の東京が醸し出す匂いや音、さらには空気の色までもが、その文体によって、時にくっきりとした輪郭を伴い、そしてまた時には淡く切ない形で読者に差し出されている。 謎解き物語のために用意された仕掛けそのものにはとりたてて目新しさはない。日常に潜む人々の密やかな営みを描く点では、「空飛ぶ馬」に始まる「私と円紫師匠」のシリーズのほうがまさっているといえる。オチが容易に想像できる場面が多いので、はっとさせられるような推理小説を期待する向きには残念ながら落胆を与えるかもしれない。しかし、北村薫のほのかでやさしい日本語にたゆたう時間を味わうには、もっともふさわしい書ではないか、というのがいつわらざる読後感だ。 ベッキーとよばれる主要な登場人物にはまだまだ多くの秘められた過去があるようで、そのすべてがこの書ではまだ明らかにはされていない。したがって今後もこのシリーズを読み続ける覚悟がない人にはお勧めできない短編集ともいえる。 街の灯 (本格ミステリ・マスターズ) 関連情報
懐の深いところから発せられているような、豊かで清らかな歌声。詞と曲も彼女の手になり、これも祈りをかたちにしたような…。「痛みを背負ったわたしたちのこの涙を分かち合い…」のフレーズを聴くと、いつも泣けてしまう。漢字、カタカナ、ひらがなが混在する日本語、その多様性ゆえに、日本の歌は外来語を多用する。しかし、彼女の美しい日本語にこそ、わたしは惹かれる。いまこそ、多くの方々へ届いてほしい、きよらかな世界です。 街の灯 関連情報
昨年、マジックアワーと言うカレンダーを購入して気に入っていたのですが今年は廃番になってしまったようで。同じ作家の夜景写真だったので購入してみました。やはり写真の迫力や美しさに今年も感動しました。世界の街の温かみや空気感が伝わってきます。4月に東京駅の夜景が使われており、各国の風景にも引けを取らない美しさで嬉しくなりました。夜景が好きな人にはおすすめのカレンダーだと思います。 富井義夫 街の灯り 2016年 カレンダー 壁掛け 関連情報
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プレゼント用に買いましたが大変喜んでくれたので買って良かったです。 夢灯・ランプシェード さくら(ミニランプ・アロマ皿付) 岩手県産 陶芸品 インテリア 関連情報
明るいし、かっこいい。言うことありません。もう1個購入したいと思います。 関連情報