Fanny and Alexander 1982 (Full Movie) HD,720p ファニーとアレクサンデル

ファニーとアレクサンデル　オリジナル版　HDマスター [Blu-ray]

１９８５年の岩波ホールでの公開の際、この５時間バージョンを観賞した。５時間１１分という上映時間もさることながら、巨匠ベルイマンが監督としての映画制作と訣別を宣言して作られた作品としても衝撃的だった。あれから四半世紀の時を経て、今こうしてBlu-rayの高画質でこの歴史的傑作を堪能できることを素直に喜びたいと思う。物語は２０世紀初頭のスウェーデン、エクダール家の約２年間の物語をアレクサンデル少年の視点を通じて描かれている。このアレクサンデルは、言うまでもなくベルイマン監督の少年時代の投影で、彼自身の人間像が要所要所に見て取れる。物語の構成も完成度が高く、第１部でクリスマスを楽しく祝うエクダール家をたっぷりと描いたあとに、第２部で同家の長男の死を見事に描き、この落差が見る者に大きな衝撃を与える。第３部では、未亡人となったエミリーが主教と再婚することで訪れた大きな不幸を描き、物語の展開から目が離せなくなる。第４部でエミリーたち不幸をエクダール家が察知し、第５部でエクダール家は再び１つになり大団円を迎える。大家族のエクダール家は人間味溢れる温かさがあり、これとは対照的に描かれているのが主教の家族。規律・戒律を重んじる主教の家族は、またベルイマン監督が忌み嫌うものの象徴であり、この主教の家族の描き方には鬼気迫るものがあった。第１部から第５部まで、それぞれの部は川の流れから始まっており、このエクダール家の物語そのものが大河の流れであることを感じさせる。ベルイマン監督が残したこの記念碑的名作は、長く語り次がれるべきものと思ってやまない。ファニーとアレクサンデル　オリジナル版　HDマスター [Blu-ray] 関連情報

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