バルトーク:弦楽四重奏曲第2,3,6番 [DVD]
バルトークの四重奏曲も本当に古典になってしまったのだなーと感じてしまいました。2,3,6番の収録ですが、インタビューの合間に4番のあのピチカートの楽章も全て演奏されています。(これが結構面白い。儲けものです。)画質が鮮明で妙に生々しいです。気を抜いて観てしまうと、うっかり始めから最後まで観てしまいそうです。くれぐれもご用心。この引き寄せられかたは、B.モンサンジョンの関わったグールドのゴールドベルク変奏曲のDVDにそっくりです。あれも、なにか観てはいけないものを観てしまったような気がしながら、それでも最後まで目が離せない不思議な魅力がありました。勿論、このSQの演奏そのものも文句無く素晴らしいです。昔の(旧メンバーの)タカーチSQよりも圧倒的に上手いです。
バルトーク:管弦楽のための協奏曲,弦楽器,打楽器とチェレスタのための音楽
バルトーク (Bela Bartok)の代表作を収録した1枚。フリッツ・ライナーは言わずと知れたバルトークと盟友のハンガリー同国人。シカゴ響は彼が徹底的に鍛え上げた当時の米国最高スキルのオーケストラ。1955年、1958年シカゴ・オーケストラ・ホールでの録音。
<1>作曲家の意図を最大限に表出する、<2>指揮者は同作品について深い解釈と至上の熱意を有する、<3>オーケストラは意志的、技術的にこの<1><2>を正確、最良に再現する・・をもって名盤の基本条件とするならば、本盤は規範的な<名盤>である。
例えば、バルトークの音楽が、ドボルザーク同様の卓抜したメロディ創造力をもち、ストラヴィンスキーに双璧する抜群のリズム感覚をもっているかをこの演奏ほど見事に教えてくれるものはないだろう。ライナーの後期の演奏に駄作はないと言われるが、この1枚に賭けるちょっと過剰な熱意は、この録音を聴いていて「ひしひし」と伝わってくる。シカゴ響も実に熱くかつ巧い。各パートの名人芸が魅力のこれらの作品ではその点は重要なチェック・ポイントであるが文句なし。
以上、名盤の<3>要素を完全に満たしていると考えるのは私だけではないだろう。録音こそ古いが本作品を聴くに不足はない規準盤であり、その質量の充実ぶりからいまも他の追従を許さぬベスト盤と言えるだろう。
バルトーク : 管弦楽のための協奏曲 / ヤナーチェク : シンフォニエッタ
セルによるバルトークの「管弦楽のための協奏曲」とヤナーチェクの「シンフォニエッタ」は他にはユニークな演奏だと思う。最近、刊行された「1Q84」で取り上げられたとかで、急にCDが売れ出し、レコード会社も驚いているということだが、スタンダードな演奏ではなく、セルの考えが前面に出たものであると思う。バルトークの方はフィナーレのカット改変はそのいい例であるし、ヤナーチャクもかなり遅めで他の演奏と比べると際立っているように思えた。それでいて立派に聴こえるのは流石だと改めてセルという指揮者を敬服したしだいである。
バルトーク:ピアノ作品集
【コチシュの奇跡】
コチシュの演奏はスピード感ある流麗な音楽です。吹き渡る風のようにスリリングで洗練の極みだと
思います。ジャッケット写真のような凛々しい22歳の若者が演奏したなんて,奇跡のように思います。
【ハンガリーの演奏家】
バルトークの民謡を題材としたピアノ作品集には,名演が幾枚かあります。まず,このゾルタン・コチシュ。
そして,リリー・クラウスとアンドラーシュ・シフです。コチシュを初め3人ともハンガリーの人なんですね。
これらの曲集はハンガリーの人が必ず通る道なのでしょう。
クラウスはバルトークから直接教えを受けた人で,他の2人より50歳年上,70代後半の録音。コチシュと
シフは20代の録音。
クラウスとシフは,やや民謡風な色合いを漂わせた演奏。もちろん飛び抜けた名演です。好みの問題で
しょうが,私はコチシュが好きです。
【人気のバルトーク】
バルトークは昔は現代音楽の難しい作曲家でした。今では結構な難曲も中学高校吹奏楽の定番になりました。
ピアノ発表会ではルーマニアでしょうか。親しみやすい曲に小さいうちから触れられる時代になったのですね。
【Blu-spec CD】---(普通のプレーヤーでかけられます)
本CDはソニー・ミュージックの高音質CDだそうです。このCDと元からの普通のCDとをそれぞれリッピングして
(AIFF)聞き比べてみました。ネットオーディオ,イヤホンで試聴しました。結論から言うと,大きな差は認め
られませんでした。SN比が高く,艶っぽい音に聞こえましたが、プラシーボ効果かも知れません。
バルトーク―民謡を「発見」した辺境の作曲家 (中公新書)
バルトークと言う「作曲家」の成り立ちを知りたくて購入したが、読み解くうちに「人」「研究者」としての側面について、知らなかったことを、次々と提示され、「なるほど」と手を打つこと、しきりだった。オーケストラメンバーとして、「弦チェレ」と「オケコン」の間のギャップに、常日頃疑問を抱いていたが、多少ともそのギャップを埋める情報をいただいた感がある。読み物として面白く、この手の書籍としては、例外的に一気に読み終えてしまった。