賀茂社―上賀茂神社・下鴨神社 (日本の古社)
古典によく出て来る賀茂祭(葵祭)は毎年5月15日に行われる。平安時代の古式のままに行われるが、神社に向かう行列「路頭の儀」が祭の中でもひときわ華やか。都大路を牛車、風流傘、近衛使らの行列が賀茂両社に参向する。祭の日の見物人の興奮を偲ばせてくれるのが、「源氏物語」葵の巻の〈車争い〉の段。
この祭に先立ってね5月3日流鏑馬神事、5月5日競馬会神事が行われる。
その賀茂大社は千数百年の歴史をもつ。京都の鎮守さまにして京都最古の社。上賀茂神社・下鴨神社の両社は、朝廷より伊勢神宮につぐ尊崇を受け、祭礼・奉幣・行幸など同じ日に行われた。この賀茂社の神域を見事なカラー写真で紹介している。
二つの古社を結ぶ賀茂川(鴨川)を中心に、西へ東へと足を延ばして、周辺を散歩したい気にさせてくれる。その周辺そのものがまさに歴史資料館と言えそうである。