銀魂 シーズン其ノ弐 11 [DVD]
本商品の印象としては、例の「上半身ヌードショー」的EDで邪険にされてきた女性キャラ
に注目したということになろうか。女性の可憐さ、恐さ、潔さなどがよく出ている。
肉じゅばんをきてコントをやってるんじゃないかと思わせるような「やせたいなら動け」。
大奥ばりの醜すぎるバトルに注目がいくと思えば、バレンタインシーズンにうってつけのプラ
トニックラブを描く。しかも主役はあの特撮ヒーロー(ヒロイン)。シュール、あるいはやや
ズレた世界観は「銀魂」の真骨頂だが、どうしたら10代の恋愛と特撮ヒーローが結びつくの
か。作者の底知れぬ発想力に脱帽する。キャリアウーマンの生き方ともシンクロし、潔いオチ
に感服させられる。
また「原作付アニメにおける問題」の根源をついた3本目も印象ぶかい。本編はスナイパー
の亀による「思い込み」「勘違い」によるコントの見本。1本目の病院ネタはナースの内野さ
んの片思いに注目が集まっているが、、登場人物やトピックがふんだんである。後半部分のヅ
ラと万事屋&マダオらのやりとりは大爆笑必至である。
EDも注目しよう。硬質なロックながら、「奴」のハードボイルドさが意外にマッチしてい
る。ED画面としては合格点以上だ。
銀魂11 [DVD]
神楽の父、星海坊主(うみぼうず)が登場です。彼は最強のエイリアンバスター(顔は波平をリアルにした感じですが…)で神楽を連れ帰りにやって来ます。間にギャグシーンをはさみつつも銀時、神楽、新八、星海坊主が、それぞれの思いを語るシーンはどれもグッときます。特にターミナルで新八が叫ぶシーンとラストの神楽の手紙以降のくだりは感動します。これは買って損はしないです。
他にも桂がメインの話が収録されており、こちらはこちらで良い話です。
銀魂―ぎんたま― 45 (ジャンプコミックス)
今回の一国傾城篇、新キャラ登場や銀時の知られざる過去が明らかになったりと、これからの銀魂を方向付ける鍵となるであろう長編でした。
見所はとにかく村塾の過去と銀時vs朧の戦闘シーン!
私は銀さんも攘夷Sも大好きなのでこの展開はかなり衝撃的でした…
また、相変わらず空知先生の描かれるジジババ(笑)は最高ですね。あの年寄り二人が大好きになりました。ラストは感動します。そして絵が上手い!
ただ、個人的に思うところが少々…
この45巻に限りませんが、皆さんおっしゃる通り、最近の銀魂はかなり初期の頃とは方向性が違います。
下ネタもどんどん過激化してる割には微妙なものが多くて、はっきり言って下ネタが無かった初期の方がずっと面白いです(一日局長、小銭形、マヨラ13、鍋回etc…)
またシリアスでも、中身が薄い内容が目立ちます。
今回の一国傾城篇もいいと思ったのは前述した「部分」だけで、ストーリー全体で見ると、なんだか中身が無くて、安っぽい印象です。ただ暴れてるだけで、表面上ではかっこいいこと言ってるけど心に残るものがない。
また、キャラの贔屓も酷い。金魂篇もだけど、最近はずっと新八と神楽が空気に近くて悲しくなります。これじゃあ「万事屋銀ちゃん」じゃなくて「坂田銀時とその他」だよ…
月詠も最初は大好きだったのに、後から付け足したような酒乱設定等には正直ガッカリでした。
今では初期のあの面影はありません。落ちぶれたなあ…って感じ。
銀さんもキャラ変わりましたね。キレやすくなったし、すぐに刀をとるようになった。全部暴力で解決かよ、と思ってしまいます。
初期のあの、のらりくらりとして何にも染まらない、でしゃばらず陰でさらっと解決するような、
「粋」で「格好悪いけど格好良い」銀さん、また見たいなあ。
銀魂 シーズン其ノ四 2 [DVD]
この商品は「原作採りを目立たせるために、あえてクオリティを低くしている」オリジナル作品と、原作採りの対比が見られる見本市かもしれない。1本目の「マダオと銀さんのギャンブル話」がファンからすれば、話数調整的な意味合いがバレバレで、評価が低くなるのは仕方ない。でも、2本目は「神楽の不眠」から続く、実験色濃い作品である。おそらく毎度登場する「BGオンリー」の応用であろう。内容は「屋台のおやじ」が動くだけで、基本的には銀さんとの二人芝居である。緊縮予算といいつつも、こういう話が「銀魂」らしいと思うが、いかがだろう。
後半は7話に渡って放送された「寺門通OFC編」である。動乱編とか炎上編とかいうバトル中心よりも、こういう笑いを中心とした話が「銀魂」らしい長編のような気がする。
銀魂’ 06 [DVD]
2011年最後の銀魂DVDリリースとなる本巻は前巻のビチグソ丸完結話、単発2話等を含めバラエティ豊かな詰め合わせだ。
銀魂ならではの味の一つとして、オヤジの渋さ・格好良さを描いたエピソードがあるが、本巻2本目に置かれた警察庁長官・松平
片栗虎と娘の栗子親子を巡る単発話はその一つ。片栗虎ファンの私は原作掲載時からアニメ化を楽しみにしていた。
パンツを一緒に洗うのを栗子ちゃんに嫌がられる哀愁の父親演じる前半と、後半における「破壊神」然りと敵の陣地に身一つで乗
り込む長官・片栗虎のギャップを見事に演じる、ベテラン若本規夫氏によるアドリブ全開の自由な演技を堪能したい。
3本目はひょんなことで万事屋の居間TVに居座ることになった女の子の幽霊・ブルー霊子が初登場。CVは密かに銀魂への出演
を心待ちにしていた沢城みゆき氏。中二臭い病んだ恋愛メロドラマを延々と展開する面倒な女・霊子演じる沢城氏も力演だが、後
半自身のバイクにカーナビとして居着いた霊子に振り回されまくる銀さんの鬼気迫る裏声絶叫ツッコミ台詞は、CV杉田氏の声とエ
ネルギーの消耗がさぞかし激しかったろうとお察しする。
4本目は「監獄編」の1話目。前話では大嫌いな幽霊にぎゃーぎゃー怯えていた銀時だが、ここでは男社会である監獄衆のリーダ
ーに成り上がり筋を通す漢振りを魅せる。銀時の弟分となった犯罪王・鯱の意外な繊細ぶりがなかなか面白く、独特のファッション
を指摘されいじける様や、プリンを手に「兄貴、はいアーン!」にはCV三宅健太氏の声が野太く豪快なだけに思わず吹き出した。
特典はアナザージャケット(絵柄:霊子)と、フェルト材が手触りの良い肉球ホルダー付定春トート・バッグ。本シーズン前半6本のD
VDが丁度収まるサイズになっている。表面丸ごと定春の顔に仕立てたデザインが可愛らしい。
朝日新聞24日夕刊、各ジャンルの専門家が今年を代表する3作を挙げる「私の3点-サブカル編」にて、アニメ評論家の藤津亮太氏
が銀魂を挙げておられた。「止められたり、止められなかったりするぐらいの動的平衡状態」という彼の形容は言い得て妙、まさに某
長編に関わる放送自粛の一悶着を含め今年の銀魂アニメが置かれた状況を象徴している。
今回の件で頭を丸坊主にしたというテレビ東京の和田プロデューサ以下、スタッフの作品への並ならぬ愛情と、方々への見えないフ
ォローがあるからこそ毎週当たり前の様にお茶の間へ届けられる作品なのだと改めて認識。いつも本当にありがとうございます。
私は一視聴者としての参加しか出来ないが、制作陣への感謝を交えつつ来年も銀魂アニメを楽しみに待ちたい。