セックス・ドライヴ
DEAD OR ALIVEよりハードな疾走感のある曲で、ディスコ風な曲なのにドライブに合います。
あと、商品紹介に書かれてある「ジャケットのマッチョな女性」は
ボーカルのピート・バーンズその人です。男性です。
けっこうCDジャーナルって適当なんでですね…
エヴォリューションDVD
私がピート・バーンズに興味を持ったのはごく最近で、例の「整形失敗→顔面崩壊」の写真を見たせいだ。だから単なる野次馬である。ここ数年のピート・バーンズ映像を片っ端からYouTubeでチェックして面白がっていた。喋るピート・バーンズは顔はヘンだが賢くて面白い人だ。ファン気分で自伝まで読み、「このヒト精神不安定じゃん」と心配したりしていた。
このDVDを買ったのも野次馬根性の延長でなくもなかったのだが、とてつもない衝撃を受けてしまった。私にとってピート・バーンズとは「カッパ顔のキャラ立ち芸能人」だったのである。しかしスクリーンには美貌の真性カリスマパフォーマーが映っている。
デッドオアアライブの楽曲が素晴らしいのは知っていたし、ピート・バーンズが男らしい美声の持ち主であることも知っていた。しかし、なんというか、踊り歌うピート・バーンズの、その顔の輝き、火のような気性、圧倒的な集中力、恍惚、危うさ、惜しみのなさ、過剰さ、信念というか勇気というか全き確信というか、体中から放たれる白熱の気の力に、「このヒトは芸術家だったのか」と驚愕してしまった。
ピート・バーンズの目を見れば彼がいかに特別な人か分かる。こういう眼力はごくごく一部のスターしか持たない。マイヤ・プリセツカヤとかシルヴィ・ギエムとか。多分マリア・カラスもそうだったはず。舞台で彼女らが何気に視線を動かすだけで観客はドキリとする(マドンナのようにわざとらしく目を力ませるのとは違う)。ピート・バーンズは数少ない本物の眼力の持ち主だった。そしてそれはよく言われる彼の「ナルシシズム」の産物ではない。信念と集中力の放射だ。私は背中に鳥肌を立ててひたすら彼の姿に見入りつつ、これほどの人が、最盛期に本国で「イロモノ」としか認識されなかったというのはあまりに不当だと思った。
ピート・バーンズは整形失敗による多臓器不全で死にかけ、顔面再建手術に何億円もかけたそうだが、バブル日本での莫大な稼ぎが役に立ったかと思う。バブルにも良い面はあったんだな、というのは半分冗談で、半分真剣だったりする。