欲望の聖女(セイント) 令嬢テレジア 10 (フラワーコミックスアルファスペシャル)
このヒロインは面白いとは思います。美貌と知性を武器に男たちを翻弄しながら、フランス革命の指導者ロベスピエールたちと立ち向かう。ってところです。ただ、日本人は気質的にこの女性よりもロベスピエールの方の味方って方が多いと思います。もう一人最近 長谷川哲也さんって漫画家は この作者とは逆に ロベスピエール寄りのフランス革命の話を書いてて、その話ではテレジアは男好きな快楽主義の女と烙印を押されてます。
ロベスピエールも確かに、このテレジアの漫画では悪人ですが、ベルばらや長谷川さんの漫画では逆に 不器用だが貧しい民衆をひたすら思いやるって感じで書かれてますので。
一般的な日本人はそういう考えの人の方が多いんでしょう。欧米人はこういう奔放なセクシーな悪女大好きですが、しかし、日本人はやはりベルばらのオスカルのようなカッコいいストイックなのや、ロザリーのような純情でカワイイ子の方が好きなので、テレジアはあまり日本人の気質には合うキャラではないのです。
なので、評価が低いのもうなずけます。でも話は本当面白いと思います。絵も確かにあまり無表情でもっと表情豊かなヒロインにしてほしい。確かに絵も残念かも。ま、セクシーな女なので、あまりデカ目でロリータ系の絵でもダメだと思いますが。
この話も池田理代子さんに書いてほしかったかな。彼女の絵ならいいなと思います。ま、オスカルを書いた人が正反対の快楽ヒロインを書くはずがないかもしれませんが(でもエカテリーナは結構テレジア的なところありますが)
話だけは文句なしに面白いです。ベルばらとは違った意味で、フランス革命のことがわかりました。金持ちの方にも言い分があるんだなと思いました。
Beehive―蜜蜂の巣 (ビッグコミックススペシャル)
蜜蜂の巣のコミックス版です。
全部描いてあるわけではないですが、いいとこどりしています。
SMクラブに勤める現役の女王様が執筆した原作…ということで、面白いです。
森園みるくさんの絵もあってます。バブルの頃の絵かな?
SMということで当然「プレイ」はそれなりに出てくるのですが、
それよりも「プレイの元にある精神的SM」に気づかされます。
Sは何を考え、Mはどうするのか。
「壺」のシーンを見れば、わかってもらえると思います。
SMコミックスですが、そういうシーンがメインではないです。
縛り系、蝋燭、拘束具、そしてなにより「精神的SM」です。
一時期話題になったのに、今は入手が難しいようです。
ですが読む価値のある本。興味ある人は、札をだしても買うべき。
闇医おげん謎解き秘帖 上 (まんがグリム童話)
おげんは美しく、妖艶で、頭がよく、やばい。妖艶なのに、恋もセックスも売春もしないので、さらにやばい。
堕胎シーンがやばい。というより、堕胎の道具が丁寧に描かれていて、それを使ってみせるのがやばい。
下巻はかなり難解な話になってしまうが、第一話と第二話はわかりやすい話で、シンプルにやばい。大柄なおげんが刃物を持った敵と繰り広げる血闘死闘は迫力と工夫が感じられ、やばい。