月喰ウ蟲
怖いもの見たさがある反面、グロ描写がきつくて読めないのではないかとも思いながらも購入しました。
エロさはあまり感じませんでしたが、通常禁忌とされている題材がふんだんに使用されているため読感が非常に生々しかったです。作者固有の世界がしっかりと構築されていて、なおかつ作品全体にかけられた丁寧さが感じ取れます。読者を陶酔させるでもなく、また作者が陶酔しているのでもなく、冷静に題材を見つめる姿勢が読み取れました。
嗜好性や社会批判、自己理解などの作品にこめられたメッセージ性が強い上に趣味もよく、普通の漫画に出来ないことをやってのけたな、という印象です。
グロ描写については学校で習う理科の生物が乗り越えられた人なら大丈夫かと。B級本や都市伝説が好きな自分には納得しながら読めました。買ってよかったと思います。
不思議庭園の魔物 (九竜COMICS)
表紙の絵が綺麗だったのと、短編集で読みやすそうなところに惹かれて手に入れました。絵は丸尾末広に似てる感じかも。血とか内臓が頻繁に出てくるので、それが苦手な人にはお勧めできないし、どこかで見たような話もあるのが難点。でも、巻末にある作者へのインタビューや、作品のキーワード事典など、最後まで読み応えありでした。こういうのって、好きな人はどっぷりハマると思う。
フィギッシュ
「月食う虫」とはやや毛色が違って、どちらかと言うと漫画らしい漫画の短編集です。
初めてこの作家の漫画を読むならこっちのほうが読みやすいかもしれません。
もちろん完成度は非常に高く、かって損はないと思いますが
フリークス趣味や耽美な世界観においては、個人的には「月喰う蟲」のほうが上だと思います、