ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)
ニーチェは、人を衝き動かしてきた意志というのは、力への意志だったと説きます。 すなわち、自らを権威あるものとして、他人を屈服される力を持とうとする意志です。 この意志を元に、人々は権威を形作り、それは、善悪の基準付けを行ってきました。
しかし、この意志を持つ人間は弱い存在でした。 だから、同情、隣人愛を自らを権威あるものとするための道具としました。 その産物が国家であり、キリスト教であり、神であったとニーチェは喝破します。 このような弱い人間というのは、動物と超人の間にかけられた橋のような、過渡的な存在であり、乗り越えられないといけない存在なのであると、ニーチェは考えました。
人間がこれまでの弱い人間を乗り越えるとき、神とその愛、同情により作られていた世界観は終わりを告げます。 ニーチェはこれを、「神は死んだ」と表現します。 神の死んだ世界で生きていくのは、人間を乗り越えた超人です。 この超人は、意志、自由、創造力、孤独、自分自身への愛といった特質を備えた人間です。 同情されなくても、他人に思いやられなくても、生きていける存在。
キリスト教的な世界観をもっていた時、人々は、自らの人生の終焉を、審判の日とそれ以降の天上での生活に落ち着ける事が出来ました。 しかし、それら世界観が崩れたとき、大きな精神的危機が襲いかかってくることになります。 ニーチェは新たにとって代わる世界観を永劫回帰と考えました。 これは、生がまるで何回も同じ場面を繰り返していると考える世界観です。
事実、この永劫回帰の世界観に陥ることは、現代における無宗教で「自分主義」の人々にとって深刻な問題なのではないかと僕は思います。 信じるものは無い、生はただ進むことのないルーティンでしかない、となれば、人生が虚無に思えてきます。
このような、神から脱却したのちにも虚無に陥らないための方法としてニーチェが主張した事は、自らと自らの人生を愛することでした。 もし自分の生が永遠の円環の輪の中で逃れられないものなのだとしたら、その人生を受け入れるためには、この永遠の円環である人生を愛さねばなりません。 他人への愛は、その自分への愛の中にこそ存在するべきものなのだとニーチェは考えたようです。 そして、本書の中では、その自分を愛することから得られる喜びがうたわれています。
本書その他を読む限りでは、「人間は乗り越えられなければならない」というのは、ニーチェの価値判断であり、論理的な帰結ではなかったように思われます。 でも、本当に乗り越えられないといけないのでしょうか。 人間の持つ弱さを抱いて、お互い弱さを援け合いながら生きることは、それはそれで素晴らしい人生なのだと僕は思います。 (ごめんなさい、でもこれはこれで僕の価値判断です)
ニーチェが、吐き気を催すような奴隷道徳と批判しようと、人間の弱さというのはそんなに簡単に変わるものではないので、今は、自らを超克することを考えつつも、周りの人と援けあって生きていくことこそが一番なのだと思います。 もっとも、1000年後には、分かりませんが。
有心論
「誰も命 無駄にしないようにと 君は命に終わり作ったよ」
衝撃的な歌詞でした。
RADWIMPSがいたから、野田洋次郎さんがいたからこの曲はできた。
そのセンス故にBUMP OF CHICKENの藤原基央さんと比較されることがあるようですが、
ROCK IN JAPAN FES.2007で見た両者のライブにはそれぞれの良さがありました。
それでいいと思います。
蛇足ですが、最後に1つ。全ての人に支持される人なんて存在しない。
だからこそ、好きな人の想いが伝わってくることが嬉しい。
そういうものだと思います。
・・・あっ、僕は男ですけど、誤解しないでくださいね。人として、ですから!(笑)
放熱への証
尾崎豊ファンにとって、このアルバムは本当に思いで深い作品である、このアルバムを最後に尾崎は彼の母上の待つ天国へと旅立った、当時、アルバムの表紙が尾崎の最後を暗示していたとか、十字架にくくりつけられたキリストのようだとか、アルバムの最後の曲「ママ・セイグッバイ」が示唆していたとか、様様な憶測が吹聴されていたが、このアルバムは、まさしく尾崎豊が己の進むべき方向性を見出し、尾崎豊の総合的サウンドクリエイティブの才能を発揮した渾身のリバース・アルバムであった、新鮮味と円熟味を感じさせる尾崎テイスト満載の名作である
あるいは現在進行形の黒歴史 ―殺戮天使が俺の嫁?― (GA文庫)
これを一言で表すなら「痛い」
とにかくこの痛さを受け入れられるかが全てだと思います
特に妹の痛さを受け入れられない方にはオススメはしません
それが受け入れられるならこれは笑えると思います
要は何も考えず笑えるかがこれを楽しむための肝と言えるでしょう
個人的には☆5に近いのですが、全員にオススメできるかと言えばあれなので4にしました