ファンタジア
テナー・サクソフォン奏者の新井靖志さんは、収録時、シエナ・ウインドオーケストラ・コンサートマスターで、トルヴェール・クヮルテットに在籍とのこと。2000年収録のこの作品がデビューアルバムになります。
トルヴェール・クヮルテットの他のメンバーを知って驚きました。須川展也、彦坂真一郎、田中靖人とのこと。この凄いメンバーの一員ということをアルバムを聴くまで知りませんでした。
リーフレットに書かれてあるプロフィールを見る前に全曲聴き通したわけですが、柔らかく温かい音色に魅入りました。
フィオッコの協奏曲では早いパッセージもしなやかに爽やかに吹き通します。このバロック時代に作られた曲はもともとチェロとピアノのために書かれた版をサックスに置き換えたものだそうです。同じ音域とはいえ、弦楽器と管楽器では指使いや特性が違うわけですが、まるでサクソフォンのために書かれた曲のように変幻自在の表現していました。澄んだ音色がバロック特有の格調の高さを呼び起こすようでした。
冒頭のヴィラ=ロボス「ファンタジア」はアルバムタイトルにも使用しましたが、もとはソプラノ・サックスのために書かれた曲で、それを1オクターブ下げて演奏していました。ソプラノとテナーでは、ちょうど1オクターブの音域の差がありますが、ソプラノ・サックスの軽やかさとは対極の重みのあるテナーでこの曲を演奏できる技術に感心しました。
グラズノフ作曲「吟遊詩人の歌」の抒情的で美しい楽曲は初めて聴きましたが、小柳美奈子さんのピアノと上手く呼応していました。リーフレットに書いてある木幡一誠氏の解説によればこれもチェロの曲の編曲でした。クラシックの世界でテナー・サックスのオリジナル曲というのはなかなか無いものなのですね。選曲の苦労が伺えます。
他のプーランクやクレリス、ブルッフ、シューマンの曲もそれぞれ作曲された時代や雰囲気も違い、曲想の変化を楽しみました。
トルヴェール・クヮルテットの他のメンバーを知って驚きました。須川展也、彦坂真一郎、田中靖人とのこと。この凄いメンバーの一員ということをアルバムを聴くまで知りませんでした。
リーフレットに書かれてあるプロフィールを見る前に全曲聴き通したわけですが、柔らかく温かい音色に魅入りました。
フィオッコの協奏曲では早いパッセージもしなやかに爽やかに吹き通します。このバロック時代に作られた曲はもともとチェロとピアノのために書かれた版をサックスに置き換えたものだそうです。同じ音域とはいえ、弦楽器と管楽器では指使いや特性が違うわけですが、まるでサクソフォンのために書かれた曲のように変幻自在の表現していました。澄んだ音色がバロック特有の格調の高さを呼び起こすようでした。
冒頭のヴィラ=ロボス「ファンタジア」はアルバムタイトルにも使用しましたが、もとはソプラノ・サックスのために書かれた曲で、それを1オクターブ下げて演奏していました。ソプラノとテナーでは、ちょうど1オクターブの音域の差がありますが、ソプラノ・サックスの軽やかさとは対極の重みのあるテナーでこの曲を演奏できる技術に感心しました。
グラズノフ作曲「吟遊詩人の歌」の抒情的で美しい楽曲は初めて聴きましたが、小柳美奈子さんのピアノと上手く呼応していました。リーフレットに書いてある木幡一誠氏の解説によればこれもチェロの曲の編曲でした。クラシックの世界でテナー・サックスのオリジナル曲というのはなかなか無いものなのですね。選曲の苦労が伺えます。
他のプーランクやクレリス、ブルッフ、シューマンの曲もそれぞれ作曲された時代や雰囲気も違い、曲想の変化を楽しみました。