我が家では、ドライマンゴ好きで時どき購入しておりました。でも小さい袋で結構割高です。この商品購入できてもう最高です。
本当にありがとうございました。

初見の作家だったが、書店のミステリコーナーでベストセラーと並び平積みされていたので購入。
異国的な色彩のカバー写真と、“これを見逃せば21世紀は暗黒の時代に逆行する”という強気の帯に惹かれてのジャケ買いだったが、みごとアタリだった。

舞台は台湾。組織に属さない天才捜査官・郷左六が、台湾総統府の依頼を受け台北国際空港に降り立つところから物語は始まる。
ホテルに向かう間もなく殺人事件現場へと“無理矢理”連れて行かれた左六は、瞬く間に事件を解決してみせる。
だが、それは、次々と起こる複雑怪奇な事件のほんの序章に過ぎない・・・

全三部作の第一巻ということだが、一巻でも十分すぎるほどの事件と謎のボリューム、そして、どんでん返しの数々。
国際企業を巻きんだ巨額詐欺事件と、それにからむ殺人劇。次々と登場する怪しくも個性的な登場人物たち。
スリルとアクションに満ちた息をつかせぬ展開と、どこかとぼけたような左六の言動による緩急が生み出すうねるような構成。
読み進めるうちに、不思議な空間に入り込んでしまったような浮遊感が心地よい傑作だった。

そして、この作品がいわゆる推理小説と明らかに異なるのは、随所に折り込まれた禅的思想の奥深さである。
禅については無知なので、はっきりとは分からないが、左六の飄々とした言動の奥底には禅の境地があるのだろう。
左六と犯人や他の登場人物達とのやりとりの中で繰り返し飛び出す禅問答は、人を食ったような左六のキャラクターを象徴するようでもあり、
緊迫した物語に、一拍の呼吸をつかせる緩衝材のようでもあるが、この部分こそが作品の本質であり、
盛り込まれた数々の事件など実は些末な枝葉に過ぎないようにも思える。

推理小説としても楽しめることはもちろんだが、作品の裏に、それ以上の何かがあることは間違いない。
私はミステリ好きなので、純文学などはほとんど読まないのだが、偶然出会った本書で小説の奥深さと広がりを改めて実感した。
ぜひ三巻まで読んでみたいと思う。

初見の作家だったが、書店のミステリコーナーでベストセラーと並び平積みされていたので購入。
異国的な色彩のカバー写真と、“これを見逃せば21世紀は暗黒の時代に逆行する”という強気の帯に惹かれてのジャケ買いだったが、みごとアタリだった。

舞台は台湾。組織に属さない天才捜査官・郷左六が、台湾総統府の依頼を受け台北国際空港に降り立つところから物語は始まる。
ホテルに向かう間もなく殺人事件現場へと“無理矢理”連れて行かれた左六は、瞬く間に事件を解決してみせる。
だが、それは、次々と起こる複雑怪奇な事件のほんの序章に過ぎない・・・

全三部作の第一巻ということだが、一巻でも十分すぎるほどの事件と謎のボリューム、そして、どんでん返しの数々。
国際企業を巻きんだ巨額詐欺事件と、それにからむ殺人劇。次々と登場する怪しくも個性的な登場人物たち。
スリルとアクションに満ちた息をつかせぬ展開と、どこかとぼけたような左六の言動による緩急が生み出すうねるような構成。
読み進めるうちに、不思議な空間に入り込んでしまったような浮遊感が心地よい傑作だった。

そして、この作品がいわゆる推理小説と明らかに異なるのは、随所に折り込まれた禅的思想の奥深さである。
禅については無知なので、はっきりとは分からないが、左六の飄々とした言動の奥底には禅の境地があるのだろう。
左六と犯人や他の登場人物達とのやりとりの中で繰り返し飛び出す禅問答は、人を食ったような左六のキャラクターを象徴するようでもあり、
緊迫した物語に、一拍の呼吸をつかせる緩衝材のようでもあるが、この部分こそが作品の本質であり、
盛り込まれた数々の事件など実は些末な枝葉に過ぎないようにも思える。

推理小説としても楽しめることはもちろんだが、作品の裏に、それ以上の何かがあることは間違いない。
私はミステリ好きなので、純文学などはほとんど読まないのだが、偶然出会った本書で小説の奥深さと広がりを改めて実感した。
ぜひ三巻まで読んでみたいと思う。