ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)
やっぱり◯◯◯◯が最後にはレクターの肉体的にも精神的にも奴隷になる
というのがあまりにも衝撃的です。
◯ョ◯ィーフォ◯ターおよびジョナサンデミが映画化を断ったのも
十分理解できる。
しかし、ラストも監督もキャスト(ホプキンス以外)も変えた映画が
小説よりはるかにつまらなかったのも事実。
このシリーズの次回作にはまた画期的なサイコサスペンスに戻ってほしい。
というのがあまりにも衝撃的です。
◯ョ◯ィーフォ◯ターおよびジョナサンデミが映画化を断ったのも
十分理解できる。
しかし、ラストも監督もキャスト(ホプキンス以外)も変えた映画が
小説よりはるかにつまらなかったのも事実。
このシリーズの次回作にはまた画期的なサイコサスペンスに戻ってほしい。
ハンニバル [DVD]
この作品を鑑賞する上で一つ提案がある。
それは、前作『羊たちの沈黙』の続編として捉えず、独立した作品として捉えた方が良いのでは。
というのも、微妙にキャラクターの心境とか持ち味が変化しているからだ。
前作では、クラリスのレクターに対する感情の中に、うっすらと父親への恋慕が垣間見られた。
それを効果的にしたクラリスの孤独な少女時代の背景は、『ハンニバル』ではバッサリと割愛されている。
前作では訓練生という立場にあったクラリスも、『ハンニバル』では完全にプロのFBI捜査官として“犯罪者”であるレクターを追っている。
演じている女優さんも、ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに変わった点も影響しているかもしれない。
前作では、その小柄な体型と童顔を活かし、社会的に未熟で女性として頼りなさを演出したジョディ・フォスターに対し、ジュリアン・ムーアは長身でスレンダーな美人捜査官としてレクターと対峙している。
洗練された美を重んじるレクターには、願ったりの相手というわけだ。
大ヒット作の続編として鑑賞すると、首を傾げてしまいそうになるが、優秀な捜査官として風を切って仕事に挑むクラリスの、新たな闘いの物語として捉えるとおもしろい。
ジョディ・フォスターにはなかった妖艶な色気さえ感じるジュリアン・ムーアも魅力的だ。
それは、前作『羊たちの沈黙』の続編として捉えず、独立した作品として捉えた方が良いのでは。
というのも、微妙にキャラクターの心境とか持ち味が変化しているからだ。
前作では、クラリスのレクターに対する感情の中に、うっすらと父親への恋慕が垣間見られた。
それを効果的にしたクラリスの孤独な少女時代の背景は、『ハンニバル』ではバッサリと割愛されている。
前作では訓練生という立場にあったクラリスも、『ハンニバル』では完全にプロのFBI捜査官として“犯罪者”であるレクターを追っている。
演じている女優さんも、ジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに変わった点も影響しているかもしれない。
前作では、その小柄な体型と童顔を活かし、社会的に未熟で女性として頼りなさを演出したジョディ・フォスターに対し、ジュリアン・ムーアは長身でスレンダーな美人捜査官としてレクターと対峙している。
洗練された美を重んじるレクターには、願ったりの相手というわけだ。
大ヒット作の続編として鑑賞すると、首を傾げてしまいそうになるが、優秀な捜査官として風を切って仕事に挑むクラリスの、新たな闘いの物語として捉えるとおもしろい。
ジョディ・フォスターにはなかった妖艶な色気さえ感じるジュリアン・ムーアも魅力的だ。
ハンニバル〈上〉 (新潮文庫)
レクター博士は、「羊たちの沈黙」で、自分を原因と結果という因果関係の中で理解されるのを拒否した。しかし、著者は、本書で、レクター博士の幼児体験を明らかにする。これを、レクター博士が超然とした悪でなくなってしまうとして残念がる見解もあるようだが、むしろ、これは、レクター博士も決して例外ではあり得ない、という著者の主張だろう。
桐野夏生氏は、文庫版「レッド・ドラゴン」の解説の中で、それでも、レクター博士の食人の理由は明らかではない、という。もう一つ、決定的な理由を挙げるとしたら、これでしょう。――美食家だから(笑)。きっと、レクター博士にとって、他人はただの動物性蛋白質で(幼児体験がそれを裏付けるわけだが)、こいつの胸腺が美味しそうだ、と思ったら、食べずにはいられないんだろうなぁ。
それにしても、レクター博士の生い立ちまで明らかにしながら、彼と対峙するヴァージャーは、ただの滑稽な骸骨にしか思えない。クラリスと対峙するクレンドラーも、「羊たちの沈黙」ではチルトン博士の心の孤独まで丁寧に描いたトマス・ハリスにしては、あまりに表面的な人物造形ではないだろうか。
細部の描写が非常に面白くて、そのときは夢中でページをめっくても、全体的な読後感に何となく物足りなさが残るのは、そういうところに原因があるのかもしれない。
桐野夏生氏は、文庫版「レッド・ドラゴン」の解説の中で、それでも、レクター博士の食人の理由は明らかではない、という。もう一つ、決定的な理由を挙げるとしたら、これでしょう。――美食家だから(笑)。きっと、レクター博士にとって、他人はただの動物性蛋白質で(幼児体験がそれを裏付けるわけだが)、こいつの胸腺が美味しそうだ、と思ったら、食べずにはいられないんだろうなぁ。
それにしても、レクター博士の生い立ちまで明らかにしながら、彼と対峙するヴァージャーは、ただの滑稽な骸骨にしか思えない。クラリスと対峙するクレンドラーも、「羊たちの沈黙」ではチルトン博士の心の孤独まで丁寧に描いたトマス・ハリスにしては、あまりに表面的な人物造形ではないだろうか。
細部の描写が非常に面白くて、そのときは夢中でページをめっくても、全体的な読後感に何となく物足りなさが残るのは、そういうところに原因があるのかもしれない。
HANNIBAL/ハンニバル DVD BOX
まだ発売されていないのでなんとも言えませんが、凄く観たかったドラマです。
某ドラマのように、残酷なシーンばかりカットされまくるのでしょうか?
こういう話なんだから、それをカットしてしまっては台無しなのでは?
出来るだけカットはしないようにお願いしたいです。教育上良くないのなら、親の責任で見せなきゃいいだけでしょ。
某ドラマのように、残酷なシーンばかりカットされまくるのでしょうか?
こういう話なんだから、それをカットしてしまっては台無しなのでは?
出来るだけカットはしないようにお願いしたいです。教育上良くないのなら、親の責任で見せなきゃいいだけでしょ。
HANNIBAL/ハンニバル Blu-ray BOX
ドラマとしてはかつてなく、ホラー映画張りに残虐描写があります。
死体(或いは生きたまま)のアーティストとでも言うべき殺人鬼がこれでもかと登場し、
串刺し、肥料化、天使化、楽器化、トーテムポール、等々…少々やり過ぎ感が気になりました。
犯人とシンクロする事によって真相に迫るグレアムですが、その能力は諸刃の剣であり、
徐々に精神は破綻し、夢と幻覚と現実の判別が付かなくなります。
グレアムを現場に復帰させたクロフォードはレクター博士に踊らされるばかりでなく、
もっと泰然自若としたリーダー像で対決姿勢を見せて欲しかったです。
クロフォードまで悪夢にうなされちゃったり…
レクター博士を最も追い詰めたのが同じ殺人鬼であるトバイアスというのも…
何だかBAU側の無能さばかりが目に付くのは私だけでしょうか?
ホラーやハードボイルドは滑稽さと紙一重であり、
もう少しユーモア(ゆとり)があっても良かったかと思います。
吹き替えは一流の声優さん達が務めており、字幕とどちらでも楽しめます。
普段はやんちゃ臭いキャラを演じる事の多い浪川大輔がまた違った魅力を見せてます。
死体(或いは生きたまま)のアーティストとでも言うべき殺人鬼がこれでもかと登場し、
串刺し、肥料化、天使化、楽器化、トーテムポール、等々…少々やり過ぎ感が気になりました。
犯人とシンクロする事によって真相に迫るグレアムですが、その能力は諸刃の剣であり、
徐々に精神は破綻し、夢と幻覚と現実の判別が付かなくなります。
グレアムを現場に復帰させたクロフォードはレクター博士に踊らされるばかりでなく、
もっと泰然自若としたリーダー像で対決姿勢を見せて欲しかったです。
クロフォードまで悪夢にうなされちゃったり…
レクター博士を最も追い詰めたのが同じ殺人鬼であるトバイアスというのも…
何だかBAU側の無能さばかりが目に付くのは私だけでしょうか?
ホラーやハードボイルドは滑稽さと紙一重であり、
もう少しユーモア(ゆとり)があっても良かったかと思います。
吹き替えは一流の声優さん達が務めており、字幕とどちらでも楽しめます。
普段はやんちゃ臭いキャラを演じる事の多い浪川大輔がまた違った魅力を見せてます。