最終回だけ見るとジャンプの打ち切り漫画としては非常に良作と言えます。編集による引き延ばしでのマンネリよりよっぽど面白い終わり方でした。
この作品が終わったあとにジャンプ本誌に掲載された読み切り「FOREST」には私も作者の力量を感じました。
もうひとつなにか作家としての武器を手に入れて帰ってきて欲しいので、期待も込めて星4つ。

『内容』
未解決事件を警察に頼らずに、独自の情報収集で真相を探ろうとする、とある中堅テレビ局取材班の話。

『実際に読んでみて』
未解決事件を解明するために動き、主人公自身も未解決事件の被害者…
どこかで聞いたような設定で、目新しさは全くありません。
某ドラマでは未解決事件を取り扱う警察の部署でしたが、このマンガではTVの取材班がやってます。

この１冊で、連続児童首吊り事件が完結？するようになってます。
完結と言っても、犯人が逮捕されてめでたしめでたしではありません。
なんせ警察じゃない人間ですから、真相に辿りついても逮捕できません。
逮捕できなくても、TVで犯人を追い詰め、世論を動かし、警察も動かざるを得ない状況に持って行く。
そういうやり方で攻めていきます。

絵の方は癖がなく、違和感なく読めるかと思います。
暗くなりがちなストーリーですが、所々にちょっとしたヒロインのボケ要素もあり、犯人を追い詰める後半の畳み掛けも相まって、思ったよりサクサク読めました。
グロさも軽いです。

個人的に思ったのは、こういうストーリーは実写ドラマ化しやすいですね。
欲を言えば、もうちょっとアッと驚かせる要素があれば最高でした。
1巻の終わり方に尻切れトンボな印象は覚えるものの、これもアリなのかなと思える内容でした。

2巻以降どうなるか。
恐らく、未解決事件を解決していって、最後らへんに主人公の未解決事件に至るんだろうなぁと先が読めちゃいます。
良い意味で、この予想を裏切って欲しいですね。

やっぱりジャンプでは受け入れ難い部類の内容・設定で、掲載順が低い同作品ですが、ちゃんとジャンプらしい友情に熱く、どこまでもお人好しな主人公なんですよね。
個人的には2巻からがよりハードになって、面白くなっていると思うのですが、Dグレの休載によって首が繋がった形なんで、いつ打ち切られるかビクビクしながら読んでます。