絶唱 (河出文庫)
昨今は韓国の「これでもかっ!」っていうくらいの悲しい出来事が次々と起こる純愛物語が人口に膾炙しておりますが、ここいらで一度日本の純文学にも目を向けてみませんか。
前半は物語が粛々と進み、韓流に慣れてしまった読者には物足りないかも知れません。実際私も途中で読むのを止めようかと何度か思いましたが、最終章の「葬婚歌」という耳慣れない、でも何だか悲しいことが起きるんだろうなぁということを期待させるサブタイトルが気になって読み進めました。するとどうでしょう、後半、戦争が生んだ悲劇が語られだしてから、まるでアカデミー出版の本のように次の展開が気になってしまい、最後まで一気に読んでしまいました。
この小説は、一般的には「男女が大きな身分の差を乗り越えて愛を成就するというストーリー」と寸評されるかも知れませんが、底流には貧農出身の大江の実体験が生みだした反戦と反封建主義(あるいはプロレタリアートの悲痛な叫び)の思想があるに違いありません。
前半は物語が粛々と進み、韓流に慣れてしまった読者には物足りないかも知れません。実際私も途中で読むのを止めようかと何度か思いましたが、最終章の「葬婚歌」という耳慣れない、でも何だか悲しいことが起きるんだろうなぁということを期待させるサブタイトルが気になって読み進めました。するとどうでしょう、後半、戦争が生んだ悲劇が語られだしてから、まるでアカデミー出版の本のように次の展開が気になってしまい、最後まで一気に読んでしまいました。
この小説は、一般的には「男女が大きな身分の差を乗り越えて愛を成就するというストーリー」と寸評されるかも知れませんが、底流には貧農出身の大江の実体験が生みだした反戦と反封建主義(あるいはプロレタリアートの悲痛な叫び)の思想があるに違いありません。
絶唱 [DVD]
ご存知、三浦友和と山口百恵の映画です。身分違いの恋、ひた向きな愛、そして主人公の純真過ぎる人柄が胸を突きます。
山口百恵が作中で唄う「吉野木挽き唄」は、この映画の見せ場の一つ、西洋文化を殆ど見せない、日本らしい日本を見せてくれる所もいい。
また主人公二人を応援する友人らの友情や、子を想う不器用な父親・母親の、それぞれの秘めた愛情も切ないです。
あの「潮騒」と同じく1975年製作。かの戦争の傷痕も今よりずっと色濃い時代。
しかしリメイクは2000年代に入ってから行われていないようで、風化してしまわないよう度々再販・放映して欲しいものです。
山口百恵が作中で唄う「吉野木挽き唄」は、この映画の見せ場の一つ、西洋文化を殆ど見せない、日本らしい日本を見せてくれる所もいい。
また主人公二人を応援する友人らの友情や、子を想う不器用な父親・母親の、それぞれの秘めた愛情も切ないです。
あの「潮騒」と同じく1975年製作。かの戦争の傷痕も今よりずっと色濃い時代。
しかしリメイクは2000年代に入ってから行われていないようで、風化してしまわないよう度々再販・放映して欲しいものです。