月は怒らない (集英社文庫)
「君たちに明日はない」シリーズ4作品を読めば、垣根涼介が身勝手な男性本位の女性観から脱皮した世代なのが読み取れる。
これは現在でもまだ珍しい部類で、若い年代の作家にも、自身が未だに古びた女性観に凭れかかっている自覚さえなく、
もはや古びたままの男女関係を前提として引きずった作品を書き綴っている男性作家、女性作家が、枚挙のいとまもない。
但し、現実の男女の関係の仕方、在り様は確実に旧来と同様ではない。男女関係、男女の係わり方は職場であれ、友人であれ、
無論、恋人同士であれ、精神的に自立した男性と精神的に自立した女性との関係性を前提としなければ、寧ろ、現状では不自然で
あろうし、卓抜な目線の作家ならば既に承知している事実である。
私は「月は怒らない」は垣根涼介が敢えて現時点に於ける女性観、男女間の関わり方を改めて検証して提示する作業を試み、
また、読者にも解き明かそうとした作品だと思う。描かれた作品のぎこちなさは作者の作家としての誠実さと思われる。
その成果で「月は怒らない」の後で書かれた「君たちに明日はない」シリーズ4作目「勝ち逃げの女王」が全3作よりも、
伸びやかで、吹っ切れた、快調な書きっぷりなのも大いに頷ける。今後が楽しみな作家であると思う。
これは現在でもまだ珍しい部類で、若い年代の作家にも、自身が未だに古びた女性観に凭れかかっている自覚さえなく、
もはや古びたままの男女関係を前提として引きずった作品を書き綴っている男性作家、女性作家が、枚挙のいとまもない。
但し、現実の男女の関係の仕方、在り様は確実に旧来と同様ではない。男女関係、男女の係わり方は職場であれ、友人であれ、
無論、恋人同士であれ、精神的に自立した男性と精神的に自立した女性との関係性を前提としなければ、寧ろ、現状では不自然で
あろうし、卓抜な目線の作家ならば既に承知している事実である。
私は「月は怒らない」は垣根涼介が敢えて現時点に於ける女性観、男女間の関わり方を改めて検証して提示する作業を試み、
また、読者にも解き明かそうとした作品だと思う。描かれた作品のぎこちなさは作者の作家としての誠実さと思われる。
その成果で「月は怒らない」の後で書かれた「君たちに明日はない」シリーズ4作目「勝ち逃げの女王」が全3作よりも、
伸びやかで、吹っ切れた、快調な書きっぷりなのも大いに頷ける。今後が楽しみな作家であると思う。
ヒート アイランド [DVD]
個人的には木村了君が好きだったので、買ったDVDですが、ギャグもあって、ストーリも面白かったです。城たんも演技がすごく上手で・・・。
・・・でも、最後の終わり方はちょっと、好きじゃなかった・・・。
・・・でも、最後の終わり方はちょっと、好きじゃなかった・・・。
永遠のディーバ: 君たちに明日はない4 (新潮文庫)
リストラ請負会社のヒューマンリアクト。
話ごとに解決への向かい方が異なり、ご都合主義かな…と思うこともあるけれど、
読んでいくごとに、考えさせられる部分が大きくなっていきます。
著者が取材等の資料を活かしているのだろうと思いつつ、
ノー・エクスキューズでの高橋社長のひと言が響きます。
また、他の登場人物が言っている言葉、
「もう必要とされなくなった場所に居てはいけないんだよ。」
リストラがどういった経緯や基準で行っているにせよ、
求められなくなった場所にいるのではなく、求められる職場を探した方がいいという
60代の登場人物のひと言が感じ入るものがありました。
リヴ・フォー・トゥデイでの登場人物は最初はとても異色です。
今までとは違った考え方も興味深かったです。
話ごとに解決への向かい方が異なり、ご都合主義かな…と思うこともあるけれど、
読んでいくごとに、考えさせられる部分が大きくなっていきます。
著者が取材等の資料を活かしているのだろうと思いつつ、
ノー・エクスキューズでの高橋社長のひと言が響きます。
また、他の登場人物が言っている言葉、
「もう必要とされなくなった場所に居てはいけないんだよ。」
リストラがどういった経緯や基準で行っているにせよ、
求められなくなった場所にいるのではなく、求められる職場を探した方がいいという
60代の登場人物のひと言が感じ入るものがありました。
リヴ・フォー・トゥデイでの登場人物は最初はとても異色です。
今までとは違った考え方も興味深かったです。
迷子の王様: 君たちに明日はない5
リストラという重ったるいテーマの中で、一筋の光…というか明るい部分や救いの部分を拾い出していた感じのシリーズでかなり気に入ってましたが、今回で、舞台となる会社自体が畳まれてしまいました。
別シリーズとしての再開が期待させる幕引きでもありますが…
お気に入りのシリーズが完結するのは「夏休み最後の日」の様に切ないw
別シリーズとしての再開が期待させる幕引きでもありますが…
お気に入りのシリーズが完結するのは「夏休み最後の日」の様に切ないw