ザヴィヌル―ウェザー・リポートを創った男
最近はその知名度がいまひとつの印象があるが、やっていることは凄いジョー・ザビヌル翁(失礼!)これは、そんな彼の自叙伝ではないが、彼への取材を回想録的にしかも、第三者的に記述した非常に優れたものである。JAZZ関係の書物を多く目にしてきているが、かつてこれほどに密度の濃いものがあったであろうか?JAZZファン必見の一冊である。
75~ラスト・バースデイ・ライヴ! [DVD]
いやぁ、もの凄い演奏です。ザビヌル死去2ヶ月前のライブ、お蔵出し映像系かと思ったら大間違い、映像も音質も超一流です。プレイの手元やステージ上のトラブルなどもリアルに撮影されており、音楽の創造現場を覗き込む様なリアルさ&ライブ感があります。
まずはパコ・セリー。間違いなく世界屈指のドラマーです。絶対にチェックすべきです。ビートは細かくフレーズは速いのに大きなグルーブ感は失われず抑揚表現の幅が凄く大きく、強烈です。またカリンバ(?)の演奏も圧巻です。
ベーシストは、私、初めて聴いた(見た)のですが、これまた凄い。ロックミュージシャンみたいに低く構えたベースポジションから弾き倒しまくるフレーズの精度やタイム感は、ジャコパスやリチャード・ボナと全く遜色ありません。ベーシストにとって、ザビヌルに抜擢されることは世界最高基準のベーシストと認められることに同義でしょう。
他にもボサノバ系ファンク?なソロを披露するギタリスト、ザップ・ママ(のはず)の女性ボーカリスト、タンバリンひとつでバスドラ、スネア、ハイハットをポリリズムで叩き倒す圧倒的なパーカショニスト、全員とも凄まじ過ぎる・・・。
凄いミュージシャン&鉄壁のグルーブ感、でも実はみんなザビヌル親分の顔色をうかがいながらの演奏、強烈な野獣達を束ねるカリスマおじいさんマエストロ75歳、圧倒的オリジナリティを感じさせる和声感&メロディ感&音色感、本当に凄い。堂々の星5つです。
(補足)ウェイン・ショーターとのプレイはお蔵出し映像の感が強く、まあ、オマケみたいなものです。
まずはパコ・セリー。間違いなく世界屈指のドラマーです。絶対にチェックすべきです。ビートは細かくフレーズは速いのに大きなグルーブ感は失われず抑揚表現の幅が凄く大きく、強烈です。またカリンバ(?)の演奏も圧巻です。
ベーシストは、私、初めて聴いた(見た)のですが、これまた凄い。ロックミュージシャンみたいに低く構えたベースポジションから弾き倒しまくるフレーズの精度やタイム感は、ジャコパスやリチャード・ボナと全く遜色ありません。ベーシストにとって、ザビヌルに抜擢されることは世界最高基準のベーシストと認められることに同義でしょう。
他にもボサノバ系ファンク?なソロを披露するギタリスト、ザップ・ママ(のはず)の女性ボーカリスト、タンバリンひとつでバスドラ、スネア、ハイハットをポリリズムで叩き倒す圧倒的なパーカショニスト、全員とも凄まじ過ぎる・・・。
凄いミュージシャン&鉄壁のグルーブ感、でも実はみんなザビヌル親分の顔色をうかがいながらの演奏、強烈な野獣達を束ねるカリスマおじいさんマエストロ75歳、圧倒的オリジナリティを感じさせる和声感&メロディ感&音色感、本当に凄い。堂々の星5つです。
(補足)ウェイン・ショーターとのプレイはお蔵出し映像の感が強く、まあ、オマケみたいなものです。
ジョー・ザヴィヌル&ウェザー・アップデイト [DVD]
とにかく参りました…。スティーブ・カーンの空間を切り裂くような鋭角な、だけど奥行きと広がりと浮遊感を持つ美の極致のようなギターの旋律が、あの後期ウェザー・リポートの音宇宙の上に乗っかっている…。音源が今のところこれしかないのが本当に悲しいほど、不思議で美しく透明で浮遊する、それでいてジャズが持つわくわくするような展開が繰り広げられています。管楽器の代わりにギターという意味ではザビヌル・シンジケート的な音ではあるものの、ザビヌル・シンジケートとの無国籍な(あるいはアフリカやインドなどの第三世界的な)サウンドビジョンまでは発展していない、かなりウェザー・リポート的な(あくまで西洋側の)美しさや流麗さが醸し出されているように思いました。「Update」から「Consequently」にかけてスティーブ・カーンがメロディを弾く部分が自分にとってのこのDVDのハイライトではありますが、ウェザー時代の曲もまた違う趣で、その意味では文句なしの演目・演奏だと思います。
DVD作品としては残念ながら音がイマイチで、レベル調整が雑で一番の盛り上がり部分で録音レベル(ボリューム)が下がったりすることがあります。また、メンバーがザビヌルの細かい指示を待って演奏している感じが否めず、ザビヌルが何をやっても「試している」ような感じがすることがちょっと気になります。
それでもこのメンバーで、しかもライブ映像が見られたのは貴重なことであり、発掘してくれたレーベルに感謝したいです。
DVD作品としては残念ながら音がイマイチで、レベル調整が雑で一番の盛り上がり部分で録音レベル(ボリューム)が下がったりすることがあります。また、メンバーがザビヌルの細かい指示を待って演奏している感じが否めず、ザビヌルが何をやっても「試している」ような感じがすることがちょっと気になります。
それでもこのメンバーで、しかもライブ映像が見られたのは貴重なことであり、発掘してくれたレーベルに感謝したいです。
joe zawinul & the zawinul syndicate 75th
この演奏の頃の彼のヴィデオを見ると、今思えば近づきつつあった死を感じさせる風貌や挙動をしていたように思う。ただし、音を聞いている限りでは、僅か二ヵ月後に彼岸の人となるとは、とても思えない演奏である。My People以降のワールドミュージックを洗練させ、エネルギッシュかつ野生的で同時に精妙極まりない音楽に昇華させていった彼が最後に残した遺産である。