銀河戦国群雄伝ライ (27) (Dengeki comics EX)
神聖銀河帝国崩壊後の戦国時代の銀河(といってもあくまでも架空の銀河の話です)を舞台に一兵卒から五丈国の王にのし上がった主人公竜我雷の立身出世とその宿命のライバルである南天王の羅侯をはじめ多くの群雄達との戦いを描いた大河物語の最終巻。
前巻から始まった雷と羅侯(つまり五丈と南天)の最後の戦いが決着を迎え、そして銀河が再び統一され戦乱の世が幕を閉じ、戦いの世を駆け抜けた熱き男達と世に翻弄されながらも強く生きた女達の物語が幕を閉じるというのが本巻の内容です。
それにしても12年に渡る連載(「コミックコンプ」→「電撃ガオ」)で壮大な物語を描ききり、見事なまでに終わらせた真鍋先生の力量には感心するばかりです。スペースオペラ、戦国もの、中華もののエッセンスをうまく取り入れ、大規模な宇宙艦隊戦のみならず、甲冑を身にまとった鎧武者が戦艦の上で激しい肉弾戦を展開し、宇宙でありながら火攻め、水攻め、挙句の果てには惑星をぶつけたり艦の上を象が走り回ったりという荒唐無稽としか言いようのない事もこの作品では何故か受け入れてしまえるほどのインパクトがありました。
また上に述べたエッセンスだけでなく、個々のキャラクターにも惹かれるものがあり、「群雄伝」にふさわしい物語です。個人的には天才軍師の大覚屋師真の知略には凄さが感られました。さらに男達を支え時には共に戦った女性キャラクターも魅力的であり心が惹き付けられたくらいです。まさにそれぞれのキャラクターの生き様が伝わってくる!作品でした。