Fantasy Seller (新潮文庫)
『Story Seller』の番外編は、ファンタジーのアンソロジー。平成22年10月に刊行された小説新潮11月号の特別綴込別冊の文庫化されたものだ。おなじみの作家はもちろん、新進作家の作品も良かった。
とても充実したファンタジー小説のアンソロジー。よく読んでいる森見登美彦の作品はもちろんのこと、その他のすでにおなじみの作家だけでなく、この本で初めて読む、新進気鋭の作家たちの作品も、どれも読み応えがあった。
収録されている作品は次のとおり。
・畠中恵 「太郎君、東へ」
・仁木英之 「雷のお届けもの」
・森見登美彦 「四畳半世界放浪記」
・堀川アサコ 「暗いバス」
・遠田潤子 「水鏡の虜」
・紫野貴李 「哭く戦艦」
・石野晶 「スミス氏の箱庭」
・宇月原晴明 「赫夜島」
森見登美彦の作品は、彼の四畳半シリース(?)の原点のような話でファンとしては嬉しいところ。また、宇月原晴明ファンとしては寡作の彼の作品が読めたのも嬉しかった。
名前は知ってはいたが、未読の畠中恵と仁木英之については、なぜ、自分が今まで読まなかったのか分からないぐらい、自分好み。拾い物は、遠田潤子と紫野貴李の作品。まだほとんど作品は出てないみたいだけど、これから期待させる内容だった。
パイナップルARMY (Operation 6) (小学館文庫)
シリーズ第六作。シリーズも終盤に差し掛かり、豪士の最大の敵、日本人テロリストの影が見え始める充実感溢れる作品。
「見えざる敵」は竹薮での戦闘が焦点だが、本作で上述の日本人テロリストの影が見え始める。「シエラ・ネバダの特訓」は革命兵達に厳しい訓練を施す豪士とそのリーダとの心の触れあいを描いて秀抜。「キッドナップ・ラプソディー」は前後編を用いて、幼児誘拐を軸に、元フットボーラの魂の復活を描いた佳作。「ラインの蘇生」はライン川の汚染を防止しようとする市民団体のリーダの妻と、企業に雇われた夫との対立を、豪士直伝の"山嵐"を用いて吹き飛ばした妻とその後の夫婦の"蘇生"を描いて泣かせる。「湖上の男」は珍しく戦闘シーンがなく、代わりに湖での"幻の大魚"を対象にした釣りの話を通して、人生にとって何が大切かを訴えたもの。「死神の死」は傭兵の業を語った物悲しい作品。そして、最後の「ジェフリーの災難」で、あの日本人テロリストが顔を出すという趣向。
作品がバラエティに富んでおり、どの作品を読んでも充実感と爽快感が味わえる。感動が溢れていると共に、次作以降の日本人テロリストとの本格的な対決を期待させる快作。
LosAngeles
毎度毎度、アルバム毎にtbgのサウンドは変化する。
1作目では荒削りながらパワフルな音、2作目ではキャッチーで洗練された音。
そして3作目では洗練されていながらパワフルな音。
まずギターの音が激変。
ギタリストのメインギターがセミアコースティックエレキギターからソリッドエレキギターに変わったことがあからさまに判る。
レスポールのディストーションサウンドで彩られたパワーポップ的な曲が多い。
もちろんドラマティックなバラードやメロディアスなポップスもあり。
相変わらず内容は多岐に富みつつ、調和を保っている。
ダミア
”暗い日曜日”は世界恐慌時代に自殺者を多数出して
発禁になったという話があります。
全体的に暗い曲が多いですが力強く励まされる曲も
ありますので憂鬱にはならないでしょう。
シャンソンに興味のある方は入門として是非聞いて欲しいアルバムで、
とても気に入ると思います。
ここから入るのが1番ですね!!
ラ・ルーナ
私はサラのアルバムの中ではこのアルバムが一番お気に入りです。
昔から民族音楽やゴスペル調、教会音楽といったジャンルのものがすきだったので、一度聴いてみてるとすぐわかるのですが、ジプシーやロマ族の音楽に近い作り方をしているこのアルバムは、何度きいても飽きることがありません。
それにサラの音楽は一般的にはヒーリングミュージックにカテゴリー化されているんですが、むしろ私はこのアルバムはそうでないパッショナブルな舞曲としてとらえています。
安らぐよりも、ドキドキしてくるんですよねー。
だから、車の運転中の音楽になっています。
とくに、「月の息子」は一番、大好き。
東ヨーロッパのほの暗さをかもし出すかのような、軽やかでかつ重量を感じさせる月をテーマにしたロンド。
すべてがサラにしかできえなかったともいえるアルバムです。
アルバム「ハレム」も好きなんですが、私はこのアルバムのほうがオススメです。