ズーズーC (ペップおもしろまんがランド 2)
作者は、ギャグ漫画の天才。丸出だめ夫というのは、だれでも思いつきそうであるが、ズーズーCをタイトルにする前衛性には脱帽。画風は描線がやわらかく、谷岡ヤスジのような毒性はない。
私はもっぱら、雑誌連載中の本作を散髪屋で順番を待つあいだに読んだものである。ときどき笑いの発作がおきて、思わず大声で... 「こら、そこのキミ、静かにしなさい」「はい」... しばらくすると、また。
散髪をするために散髪屋に行くのか、ズーズーCを読むために散髪屋に行くのか、主目的と隠れた目的の乖離に対して、実存主義的に悩んだものである。
本作は、現代の少年少女諸君が読んでも、決して古くない。むしろ新鮮に感じられるだろう。作者は後年、画風が変わるが、ズーズーCの頃がいちばん好きであります。