ウイルス感染爆発
本書はエボラ出血熱のノンフィクションです。
一言でいうと、「怖い」これに尽きます。読み終わった後、些細な事でも、やたら手を洗うようになるかもしれません。
それほど、怖く、記憶に焼き付く、強烈な内容です。しかも、一番怖いのは、この話が作り話しなどではなく、実際にこの地球上で起こったと言う事実です。
ウイルスという微少な生物が、ここまで文明を発展させてきた人間を無惨に殺してしまう。治療法なし、致死率90%以上!人間も所詮地球上の生物なのだなと、改めて気づかされてしまいます。
エボラ出血熱を取り扱った本は、他にも沢山あります。しかし、本書はNHKの番組制作でエボラを取材しに行った取材班が著した本で、分かりやすい内容です。
他のエボラ関連の本の入門書と位置づけて読んでみては如何でしょうか。
堂々たる日本人―知られざる岩倉使節団 (祥伝社黄金文庫)
明治4年の遣米欧使節団の話。当時の政府首脳の大部分が1年10ヶ月もの間、世界への旅をおこなった。これだけでも驚きなのに、まだまだ江戸時代の風采であった日本人が、他国の人々の異様な、好奇な視線の中で、それを恥じるでもなかった姿勢には感動する。日本のためにとの真剣な姿勢には、現代の人たちが見習うべき点も多いと感じた。また、そのころの日本に残った政府の姿も描写されているが、開き直りのような対応には、拍手を送りたくなるような爽快さがみえる。現在の自己主張もままならない日本にも、過去にこんな人たちがいたんだと、考えさせられる一冊となっている。