鬼ごっこ 4 (IDコミックス REXコミックス)
画風が好きだったのと、一巻を読んで期待感が持てたので購入し続けて来ましたが、少々残念な終わり方になってしまっています。
世界観などはそこそこオリジナリティーがありますし、画風はトーンをあまり使わない「白と黒で勝負」な感じで好印象だったのですが、巻が進につれて萌画が増えて行き、進行の遅いストーリーに読者が付き合いきれなくなったところ、打ち切りで無理矢理まとめた感じです。
伏線が伏線のまま終わるストーリーは、読者としてもの悲しい限りです。これは作者の実力も有るのでしょうが、雑誌の編集さんの責任も大きいと思われます。
少ない巻数でも素敵な物語は沢山ありますが、「鬼ごっこ」に関しては残念な結果に終わってしまいました。これからの作者の作品に悪い影響が残らなければ良いな……と、思ってしまいます。
いちばん近くて、とおいふたり (IDコミックス 百合姫コミックス)
好き嫌いは分かれるでしょうが、黒の使い方が印象的な黒柾 志西先生の単行本「いちばん近くて、とおいふたり」です。
内容としては
潔癖性?な黒髪さんと人懐っこい金髪さんの物語「Little Garden」他一編
姉妹離れしていく双子それぞれの恋物語「ひまわり咲いた」他一編
気絶明けの夢現でおバカな親友に…「そんな二人のこんな日常」
絡まり合ってると思ったら広く深く包まれていた、幼馴染み+1物語「幼馴染みと呼ばないで!」計四編
ある意味王道、再婚姉妹物の表題作「いちばん近くて、とおいふたり」
となります。
全話通じてコミカルなキャラも多くハッピーエンドなのに、何故か退廃的な空気というか気だるさみたいなものが感じられるという妙な特徴を持つ本作ですが、決して悪い意味ではありません。
例えるなら、定型にカットされた宝石みたいな幸せではなく、清濁入り交じるたゆたう幸せを見るような、そんな不思議な気分になる作品集になっていると思います。