レッズ 劇場公開25周年 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
出だしの部分の、老人に過去を語らせるところは、『タイタニック』に通じるものでしょうね。
ちょっと長いので、最近はやりの細かいカット割を見慣れている人にはきついかもね。
結構長回しの場面があって、制作するの大変だっただろうな!って素直に感動します。
最後のシーンは、お涙ちょうだいだろうなってわかっていても、泣けました。
白鯨 上 (岩波文庫)
鯨学に関する章が作品の四分の一を占める為、この作品は上・中・下巻を通して一周(通読)するのが、中々に厄介だとは思いますが、一度目の苦痛の旅を周り終え、全体の流れを把握すると、二度目、三度目、四度目……以降は、とても楽しく充実した旅に変貌します。ですから、途中で挫折し本を放り投げたり、物語展開がある場面だけ読んで読んだ気にならずに、是非とも一度全体をしっかりと読み通されることを望みます。この長い話の中でメルヴィルが何を言わんとし、暗示せんとしているのかは、一度目の荒旅を終えた二度目以降の旅路から、冷静に、客観的に、そして情熱的に判断出来てくるからです。そしてそれは、とてつもなく深く魅力的なものです。
この作品には、国や時代を超越した様々な普遍的真理を訴えかけられます。例えば、メルヴィルはイシュメールの語りを通して、捕鯨業という陸の貴婦人から汚いと蔑まれる職業に対する偏見を否定し、寧ろそういった蔑まれる職業の人たちの御蔭で、陸の優雅な文明は成立し存続しているのだ、という逆説的真理を提示します。無論これは、メルヴィルが実際に捕鯨業を乗組員として体験したが故に説得力を持つ発言であり、現代の如何なる文明国においても普遍的な真理であることは間違いありません。
そして、特にエイハブの発言や思考を通して、形而上学的な抽象論が全体に渡り指し示されますが、ナンタケットから出発して太平洋まで、ピークオッド号の壮大な旅路を通し、移動距離的にも思想的にも、宇宙規模の壮大さないし深淵さを、読者は感ずることが出来ます。さらに運命に関する描写も作品通しで提示されますが、安直な理解でなく、旧約的カルヴィニズムにおける予定説の概念をしっかりと把握しておくと、この物語の結末における意味合いが理解出来るに到ります。
その他、船内の船員における上下関係の構図の描写は、例えば会社内のそれと同義なものとして捉えられ、深く納得することが出来ます。あとは、一見すると平和で静謐なる状態こそが、実は既に嵐を孕んでいる状態であるので、常に最たる危険な状態でもあるのだ、という描写にも、メルヴィルの観察眼の鋭さを感ずることが出来ます。つまり本書は、実社会的な問題がリアルに提起され、さらには宗教ないし哲学的真理が考究された作品であり、二重の意味での解釈が可能、というか必要とされる作品なのです。
それと、この物語は、ユングの言う「神話的原型」、すなわち人物描写が限りなく抽象的に現わされた作品であるように思えますが、それでも、イシュメール、エイハブ、スターバック、スタッブ、フラスク、クイークェグ、タシュテーゴ、そしてピップらと航海を続けるうち、彼らそれぞれの個性が把握出来、読了後には魂の友となることが出来ます。その中で、具体的に白鯨やエイハブが何を象徴して描かれているのか、自分の頭と感情で捉えてみるのが良いと思います。結果として、私には私なりの答えが出ました。ここでは書きませんが。フフフ。
いずれにせよ、アメリカ文学史上最高の作家による、アメリカ文学史上最高の小説です。メルヴィルは、ドストエフスキーやトルストイにすら比肩する、文学に対する意志と情熱を備えた大作家です。
ダッチオーブン100レシピ―キッチンでも、アウトドアでも
アウトドア向けのレシピ集が多い中、
キッチン料理向け構成されとても便利です。
妻の料理の巾が広がりました。
8インチのダッチオーブンを使用で書かれているので
10インチ以上は調理時間の調整が必要と
思われます。