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国道427号 【文庫】 本能寺の変 431年目の真実 (文芸社文庫)

いわゆる「勝者が後世に伝えた勝者の歴史」ではなく「表舞台から消えた敗者の歴史」から本能寺の変を読み解こうという試み。でも、「光秀謀反」という決定的事実が覆されるわけではないので、結果ありきの逆算考証という意味では従来の「勝者の歴史」による定説とさほど結論が遠く離れるわけではなく、読み終わってみれば以外と普通…という感じであった。逆に定説に反し「怨恨説どころか信長と光秀の蜜月ぶりたるや如何ほどの物であったか!」的な部分にかなりの章をさいているので、読み進めるほどに真の謀反の理由とされる部分の説得力がどんどん弱くなっていくという不思議な感覚。そんな時に限って「戦国の世に生きていないものにこの気持ちを理解せよと言っても無理であろう」的な文章がところどころに出て来るのがね…それはちょっと反則ではございませんか?と苦笑せざるを得ないのもまた事実なのである。ま…はっきり言ってしまえば、たぶん歴史ファンなら「どこかで聞いたことのあるような」諸説の光秀側視点の再構築版である。全部どこかで一度は聞いたことのある話。真相とされる部分も新事実が出てきたわけではなく、「光秀の気持ちを想像しつつ代弁するとこんな流れで辻褄を合わせられるんじゃないか?」というだけのことで、一つ一つの説については「あぁあれか」「あの話をここにくっつけるんだ」「え、結局それなの?」「あ〜…まぁそういうならそうかもねw」というちょっと既存感がぬぐえない感じなのだなぁ。本能寺の変というのは空想妄想含めて余りにも語りに語り尽くされた題材であるだけに、ちょっとやそっとでは歴史ファンも納得出来ないという非常に高いハードルがあるわけで。徹頭徹尾「光秀視点で歴史を追う」というだけでは、う〜ん…残念ながらちょっと説得力としては厳しいかな…と思いました。 【文庫】 本能寺の変 431年目の真実 (文芸社文庫) 関連情報




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